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デンマークを知る2ヶ月の冒険 その8〜 Kroで出会うスモーブロー

さて、デンマークの料理と食事にまつわる文化を体験する、という目的で始まった、伝統的なホテル、Kro(クロ)での2週間。

今回お伝えするのは、Kroで出会ったデンマークのオープンサンド、スモーブロー(Smørrebrød)です。

スモーブローとはなんぞや?という方は、別記事に詳しく書いていますのでそちらをどうぞ。

デンマークのスモーブローは、レストランで食べるランチが一般的で、とても人気があります。スモーブロー専門のレストランもありますが、いろいろなレストランでランチとして提供されています。

Rold Gammel Kroでは2つのスモーブローを作る機会がありました。

スモーブロー① Madpakke

Kroは便利な拠点にあり、平日はビジネスホテル的な目的で泊まる人が数名います。ビジネス目的の場合、大体は早朝に出発。そんな人が注文することが多いのが、Madpakke (メウパッケ)、お弁当です。朝ごはんを食べていると間に合わない場合や、移動して1日仕事で出ている人のお昼ごはんとして注文されていました。

Madpakkeの注文があると、レストランではスモーブローを5種作ります。内容は同じではなく、その時にある材料でバリエーションをつけます。アルミホイルで1つずつ包み、ケーキなどを入れる持ち手のある箱に平らに入れ、冷蔵庫に入れておきます。

私も何回も作らせてもらいました。

Madpakke 一例
  • (手前から)レバーパテとベーコン、ウリの甘酢漬け

  • ハムと白アスパラ、きゅうり

  • 塩漬け豚とコンソメゼリー、ウリの甘酢漬け

  • チーズ(ブリー)とパプリカ

  • サラミとレムラード、フライドオニオン

違う日のMadpakke
  • (手前から)ロールドポーク(デンマークの伝統的なハムのようなもの)、コンソメゼリー、玉ねぎ

  • ローストビーフ、レムラード、フライドオニオン、ピクルス、ホースラディッシュ

  • フレスケスタイ(ローストポーク)、赤キャベツの甘酢煮

  • じゃがいもととトマト、マヨネーズ、チャイブ

  • (右に切れていますがブリーチーズ、パプリカ)

冒険で訪れた当時、まだたくさんスモーブローを作ったことがなかったので、具やトッピングの載せ方、そして具とトッピングはどう組み合わせるのか、本当に一つ一つが勉強になりました。

基本的にはライ麦パンでスモーブローを作ります。上の写真では5枚のうち4枚がライ麦パンでできていますが、ブリーチーズは白いパン(franskbrødという小さめのサンドイッチパン)と合わせています。

伝統的にグリーンランド甘エビのサンドイッチは必ずサワードウパン(Surdejsbrød)という定番があり、柔らかく白いものは白いパンと合わせることが多いのです。ライ麦パンがメインだけど、白いパンの方が美味しい組み合わせがある、というのは勉強になりました。


あと、ブリーチーズにパプリカという組み合わせ。この少し甘いピーマンは香りがよくて、チーズが引き立つ組み合わせです。友人の家では赤ピーマンをスモーブローの具材によく使っていて、他にもサラミなどにも合わせると美味しいのです。日本ではあまりやらないトッピングなので、今ではイベントなどでもご紹介しています。

余談ですが、キッチンのスタッフが賄いとして食べるランチで用意したある日のプレートがこちら。その日の材料の余りや、酢漬けやコンソメゼリーなどはたくさん作り置きがあるので、それをベースにライ麦パンにトッピングして食べていました。

Madpakkeの材料とほぼ同じ、スタンダードな材料なのがわかります

スタッフが多かった&時間がある日は、みんなで一緒にテラスで賄いを食べていました。みんながパンの上にどんな材料を組み合わせるのか、チラチラ盗み見していました 笑

スモーブロー② 「流れ星」

Rold Gammel Kroでもランチのメニューにスモーブローが提供されていました。小さいものを3枚載せたものなど、いくつかメニューがありますが、中でも大人気なのがこちらのスモーブロー。

名前がついているスモーブローは有名なものが2つありますが、そのうちの1つが「流れ星(Stjerneskud)」です。
全部載せ!という感じの豪華なオープンサンドです。

レストランでも人気があり、何回も作らせてもらうチャンスがありました。

まずはヒラメをのせます

バターを塗ったパンにレタスを敷いて、平目を2枚、蒸し煮とフライを載せます。その上にドレッシング。

Stjerneskud、完成!

ドレッシングの上にグリーンランド甘エビを載せて、白アスパラを2本、きゅうりとレモンの飾り切り、後ろにトマトスライス、キャビアを載せて、ディルを飾ります。


正直なところ、お店で見かけるとボリュームがすごくて(いろいろな味を試したいので、数を頼みたい私としては)なかなか手が出ないタイプだったのですが、1つでたっぷりゴージャスに楽しむというスモーブロー、流れ星と白ワイン、休日にピッタリ!

流れ星の味について、詳しくはこちら。

休日のランチにお友達や家族で、レストランでスモーブローを楽しむ。そんなスモーブローの楽しみ方を教えてもらいました。


次は、キッチンで学んだ、デンマークの味わいについてご紹介します。

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