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NaNoWriMo 2020

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11月の1か月間で、50,000単語の作品執筆に挑戦するNaNoWriMo(ナノライモ/National Novel Writing Month)へ参加しました。このマガジンは、…
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ベッターで公開していたNaNoWriMoでの執筆作品にちょっと手を加えて、note上に改めてアップしました。色々ツッコミどころの多い内容・仕上がりではありますが、習作的な位置づけなのでそのまま載せておきます。お時間ありましたら、目を通していただけますと幸いです。

Out of Class 〜神無教授の課外授業〜 【5/完】

Out of Class 〜神無教授の課外授業〜 【5/完】

(Extra).
 雲一つない真っ青な空が、どこまでも広がっていた。乾いたそよ風が、木の葉や枝をやさしく揺らしている。
「……神無先生」
「どうしたんだい大埼くん、そんな難しい顔して」
「今回のリーディング課題、量多いなって思いまして……」
「そうかな? 本当だったらそのページ数よりもさらに読んでもらう範囲を増やそうかと思ってたんだけど」
「そっ、そうなんですか!?」
「むしろ、別の本も足そうかと

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Out of Class 〜神無教授の課外授業〜 【4】

Out of Class 〜神無教授の課外授業〜 【4】

(5).
 陽も傾いてきて、空に浮かぶ柔らかそうな雲がオレンジ色にきらきらと輝いていた。
「こんなに図書館で長く過ごすと思わなかったな」
「長々付き合わせてごめん」
「いや、全然気にしてないよ。こうやって時々図書館に来て、新しい本とか雑誌とかチェックするのも楽しいしさ」
 キャンパスの一角にある図書館の建物を出て、マサと僕はそんな会話を交わしていた。
 新学期が始まり、講義の課題をこなす上で調べ物

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Out of Class 〜神無教授の課外授業〜 【3】

Out of Class 〜神無教授の課外授業〜 【3】

(3).
 いよいよ今日から、秋学期の講義が開講される。そんな大事な日だというのに、僕は朝からキャンパス内を走り回っていたのだった。
 一時限目は九時から開始するので、それまでに教室へたどり着くよう余裕を持って家を出た。早めに移動することで、初日からの遅刻を回避しようという目論見だ。しかし、講義が行われる予定の教室へ到着して僕はそこで気が付いたのだった。
 出入口のドアに貼られていたのは、「教室変

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Out of Class 〜神無教授の課外授業〜 【2】

Out of Class 〜神無教授の課外授業〜 【2】

(2).
 翌朝、午前八時過ぎ。薄い雲の向こうに、ぼんやりと太陽が淡い光を放っている。
 僕は既に、月城キャンパス内に到着していた。講義はまだ正式に始まっていない時期ということもあってか、この時間帯に学生の姿はそう多く見られない。
 僕の足取りは、心なしか軽かった。昨日歩いていた道のりとほぼ同じルートを辿って、神無先生の研究室がある研究棟へ向かっていた。脳裏に昨日のことを思い出しながら。
 研究室

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Out of Class 〜神無教授の課外授業〜 【1】

Out of Class 〜神無教授の課外授業〜 【1】

2020年11月に参加したNaNoWriMo(National Novel Writing Month)にて執筆した作品へ加筆・訂正したものです。

(-1).
ひいいいいいいい─、いいい、いいいいいいい──

 か細い悲鳴が、耳に入ってきた。まるで隙間風が甲高く鳴り響いているかのようだった。視界は真っ暗で、けれどもその音だけははっきりと聞き取れた。
 気が付くと、僕は息を切らせながら暗い闇の中を

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NaNoWriMo、完走しました(ってことで)

NaNoWriMo、完走しました(ってことで)

11月が終わりました。
個人的に、11月の間ずっと挑戦し続けていたNaNoWriMo(ナノライモ)を完走しました。厳密にいうと、ルール上は50,000「単語」以上書き上げる、となっていますが、今回は日本語で小説執筆をしていたので「字数」という単位でカウントを行ってきました。単位の種類は異なりますが、一区切りの50,000という数を目指して書き続け、最終日でその数を超えることになりました。
というわ

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今日を含め、残り2日となったNaNoWriMoですがこの期に及んで書いてる話が完結してしまった。39,107文字……微妙だなこれ。50,000まで無理やり字数稼ぎするか、それとも清く諦めてしまうか、どうしようかな。