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中小企業のPR:取材確率を高めるリリースのひと工夫

大手マンションメーカーで広報担当15年、PR会社経営15年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.「こんなものができました」より「こんなことが起こります」

新商品やサービス発売のプレスリリースで、記者の興味をそそり、記事の扱いを大きくするためには、その機能やスペックの詳細よりも「その商品が世の中に出ることで、誰にどんなことが起こるのか」が求められます。

たとえば、ジャパネットたかたのテレビショッピングでは、プラズマクラスター付きの加湿空気清浄機を紹介するとき「まだ背の低いお子さん、お孫さんにとって、床に近いところで吸う空気はこんなに汚れています。ご両親、おじいちゃんおばあちゃんにとって、子供たちの健康な成長は何よりの宝物ですよね」などのコメントを加えて説明。すると「プラズマクラスター」が家族にとってどれほど大切なものか、受け取る側のメリットのイメージがグッと具体的になるでしょう。

そのように、自社の商品・サービスで、誰にとってどんなことが起こり、社会がどう変化していくのか。そんな未来への期待感を高めるフレーズを考え、盛り込みましょう。

2.「商品単体」と「人が一緒に写っている」写真を

文字だけのプレスリリースと写真付きでは、イメージの伝わり方が大きく変わります。商品でもお店でも、新サービスでも、イメージできる写真を必ず加えましょう

商品の発売を告知するだけの記事では、商品単体の写真でも良いのですが、その商品の開発の苦労話や熱い思いも含めて書いて欲しい時は、開発者や社長がその商品を手に持った写真のほうが、取材したい意欲をかきたてることが多いです。

新しいお店がオープンするとき、通常は店の外観や店内で人のいない写真を使うことが多いですが、プレスリリースでは、オーナーや店長が写っているほうが店の雰囲気がよく伝わります。

いずれにせよ、商品単体の写真と、人が一緒に写っている写真の両方を撮影しておけば、メディアに求められたときすぐに対応できます。写真はライティングと構図に気を配ればスマホのカメラでも十分使えます。

3.問い合わせ先に対応者の携帯番号を明記

記者が翌日の朝刊に載せるための原稿を書くのは、取材から社に戻り、夕方から夜にかけての時間帯が多いです。執筆中に不明点や確認事項があって、会社に電話したら終業後でつながらず、結局記事が出せずにボツになった、という事態が結構起こっているのです。

問い合わせ先には、その件に答えられる責任者、または社長の携帯電話番号とメールアドレスを明記しておくべき。24時間対応ができるのとできないのでは掲載率も変わってきます

4.プレスリリースに小さなオマケをつけておく

プレスリリースを各社に持参したり郵送したり、また記者クラブで配布するときに、小さな商品サンプルを添付しておくのも裏ワザです。新発売のお菓子の小袋や、家庭用品の小さな試供品を1つだけ添付しておくと、読まれる確率も印象に残る度合いもアップします。

例えば郵送では、薄っぺらの封筒は他の書類に紛れたり、そのままゴミ箱に捨てられてしまう恐れがありますが、立体的な小さなものが指にさわると開封せず捨てるわけにいきません。ただ、嵩張るものや高額なものは歓迎されません。チラシについてくるようなクーポン券やティッシュペーパーは問題外。

私共のクライアントで、お香を製造販売するA社の新製品発売のプレスリリースには毎回、お香のサンプルの小袋をリリースの端にホチキスで留めて記者クラブで配布しています。今では「記者クラブの扉を開けたとたん、お香の匂いがしてA社のリリースが棚に入っているのがわかる」と言われるほど、その香りが名物になっています。

ただし、リリースの内容そのものにニュース価値がなければ、いくらサンプルをつけても、記者に迷惑がられるだけ。ネタを練り上げるのが先決です。

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