テレワークでワンチームを実現するコミュニケーションのコツ
長野に拠点を移してフルリモートワークをはじめて8か月ほど経ち、試行錯誤した経験が今後テレワークをはじめる方の何かの役に立てばと思いまとめました。
いろいろな実践者に話を聞き進める中で、個人個人で最適解が違うなぁと実感したのと、気にするポイントもさまざまなので、今回は #コミュニケーション の部分を中心にまとめていければと思います。(経緯が長くなってしまったので、すぐに実践したい方は、●テレワーク開始時に意識したこと3つ からお読みいただくのがおすすめです!)
●急な転勤にふりまわされてテレワーク開始!
私は個人と企業の新しい関係性をつくる「ランサーズ」社員として、長野に住みながら東京の仕事をフルリモートワークしています。フルリモートワークを始めたのは、約1年前の夫の転勤内示がきっかけです。
仕事が面白かったので、最初は夫に単身赴任してもらい、私は東京でワンオペすることを選びました。
ワンオペ数か月の間に、2歳息子の送迎や家事育児すべてをやりながらフルタイムではたらきづづけた結果、家に帰っても気が休まらずに不眠になったり、出張や残業ができずに仕事をセーブしなければいけなくなり、会社と相談をして、長野に家族で引っ越しリモートワークをはじめることになりました。
当時の社内には、育休明けや家族の関係でやむなくリモートワークを選択する人が数名いる状況。全く出社しないはたらき方「フルリモートワーク」はあまり例がなく、チームで一緒に制度を整えながら、新しい働き方にチャレンジさせてもらうことになりました。
●野球をしていたはずが、急にサッカーのルールに変わる?!
テレワークをはじめるときに、経営陣や先輩実践者にかけてもらって、印象に残った言葉が二つありました。
「社内で働くのとリモートワークは野球がサッカーになるくらい変わるよ」
「頑張りすぎてしまいがちだけど、頑張りが評価されづらくなる」
今のはたらき方の延長で、はたらく場所が変わるだけ、という意識ではなく、もっと大きくやり方を変える必要があると考えるようになりました。
・社内にいるのと社外で仕事するのは競技が変わるレベル
・はたらく姿やコミュニケーション+成果で見られていた評価が変わる
なぜそれが起こるのか、については (株)mog代表の稲田さんの記事がわかりやすいので抜粋。
ちなみに「育児中の社員のみテレワーク可能」としている会社も多いのですが、それではテレワークのメリットは半減です。本来の目的である生産性向上のためには、日常的かつ社員全般に使われていることが前提だと思うからです。テレワークと業績向上を両立させるためには、個人の目標を明確にすることや、属人的な仕事の進め方を廃止してシステム化するなど、これまでの日本企業のやり方を根本的に見直す必要があります。それなのに福利厚生的なワーキングマザーの離職率防止、といった狭い目的で使おうとすると、テレワークを使うことで「仕事の成果がよく分からず評価ができない」「周りの社員に負担をかけている」などと言われ、ワーキングマザーが他社員からお荷物扱いされ、結局退職に至るという道をたどることになります。
「出社しなくていい会社」を作った女社長が伝える「テレワーク」のコツ【FRaU】より
●テレワーク開始時に意識したこと3つ
ツールについて、私たちの会社では、コミュニケーションはSLACKとChatwork、テレビ会議はZOOM、カレンダーはgoogleカレンダーを使用しています。
1.見える化の範囲は、いつもより細部まで
これまでは見えるところで仕事をしていたのに、急に姿が見えなくなると周りは不安だと思うので、働いている様子をなるべくイメージしやすいように情報共有をすることにしました。
・朝仕事を始めるときに一日のタスクを共有する
・タスクはおよそ30分程度で終わる業務粒度で記載
・1日で完了できずに、数日継続する業務は進捗・完成度(**%)を記載
・コミュニケーションへの返信は30分以内を目安に早い反応を心掛ける
・カレンダーを見たら何をしているかわかるように、ミーティングや訪問など他者とのスケジュールだけでなく、作業に必要な自分のスケジュールもすべて入れておく。
2.気持ち良いオンラインミーティングの場づくり
苦労したのはミーティング運営。私がテレワークを始めたときは、チームの中にテレワークは一人だけ、ほかのメンバーは会議室に集まっている状態。
場に参加しているメンバーの反応が見えないため、話が冗長になったり、急に場の空気が読めなくなり、意見を言いずらくなったりしました。
いくつか試す中で、場を整える手順を準備してチームで共通意識を持てると進めやすいことが見えてきました。
●事前準備は
・誰のPCでオンタイムでつなげて、誰が資料投影するか事前確認しとく
・事前にアジェンダとゴールを共有しておく
・接続でもたつかないように、3分前には接続して時間通り始める
●ミーティングはじまったら
・音を拾いやすく場の雰囲気を捉えるために進行役のそばにパソコンを置く
・カメラの向きは参加者の顔がすべて見えるようなカメラ位置にする
・映像はオンにし、うなずいたり、なるべくたくさん反応する
・話さないときはミュートにする
これらをチーム参加者同志で協力することで、みんなで心地よく生産性高いミーティング運営ができるようになりました。
3.一緒にいないけど、一緒にいる感じ、を作る
一人でテレワークをはじめた当初は、疎外感をよく感じていました。心理的距離を近く保つために、徐々にちょこちょこライトな共有や雑談をはさむ運用にしていきました。
・チャットの会話の冒頭に最近の自分コメントを追加する
(ほんとちょこっと入れるだけで温度感変わる)
・思いついたことや、興味あるトピックスをちょっと頭出ししていく
(業務に必要かどうか関係なく頭出ししていく)
・ミーティングの冒頭にチェックインをする
(なるべく今の自分を自己開示)
※チェックインとは
一般的なルールとして、話す内容は会議の本題と関係の無いことでOK(例えば、今日は電車が遅刻しました。とか昨日飲み過ぎましたとか)で、話した人に対して基本質問はしない。話し始める順番は自由(年長者から時計回りなど勝手に話す順番を決めない。話したくなった人から話す)というところです。
これをやると、
・参加者の人の状態や興味の矛先がわかる(例えば途中で退席しなくては行けない人がそのことを話したりします)
・最初に全員が口火を切っていることで、その後に発言しやすい雰囲気になる というメリットがあります。 ※「動かす会議」で会社を変えよう より
●出社できる時間をどう活用するか
長野に引っ越してから、本社に出社するのは月2回程。テレワークを始めたばかりの頃は、出社するタイミングに予定を詰め込んで、ミーティングや商談に時間を使っていました。
オンラインミーティングの運営を改善ができたことで、決めることや目的が決まっている場はオンラインのほうが効率的なことがわかってきて、出社している間は、チームや他部署とのふんわりした会話や関係づくりを大切に、その時間を優先して確保するようになりました。
●会社に集まれる時にやること
・アイデアブレスト
・他部署ランチや社外ランチ
・社内をうろうろする
・他部署とのふんわりした会話や相談を確保 など。
心理的関係性を近づける時間を大切に過ごすと、そのあとのオンラインミーティングや仕事を進めやすくなったり、じっくりと中長期の物事を前進させられるようになりました。
●テレワークの一斉推進の流れをチャンスに
クライアントの多くがテレワークをする状態になり、イベントやワークショップも「オンラインでやるには?」という観点での会話が増えて、今までなかなか進まなかったテレワーク導入が一気に進んでいます。
この機会に、テレワークのはたらき方ハックをたくさんの人が蓄積していって、テレワークがスタンダードになり、コロナウイルスの件やオリンピックなどが落ち着いた後も、育児や介護や転勤や、、、ライフイベントを大切にしたり、それぞれの個人にあった新しいはたらき方を選択できる時代になっていったら嬉しいなと思います。
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