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メダイの花椒オイル和え 調味料が縮めるアロマティックなワインとの距離

未利用魚を活用したミールパック、フィシュルから届いたメダイの花椒オイル和えをワインに合わせる。

フィシュルは毎月の定期購入で6つが届くものを選んでいて4,200円(税込み)、送料と合わせて4,750円。カルパッチョなどの食卓が華やぐ、且つお酒に合う一品が、解凍してすぐに出来上がるのでありがたい。

ちなみにメダイは目が大きいので目鯛、というのが名前の由来のよう。生食用の商品で、冷凍庫から取り出し流水で10分少々解凍し盛り付け。冷蔵庫に大葉が残っていたので一緒に。

花椒の華やかでスパイシー刺激に、アプリコットやキンモクセイなどのアロマたっぷりのマルヴァジア品種が合うのではと予想。ちょうどイタリア アブルッツォ州のものがセラーにあった。さらに、南アのスパークリングワイン(シャルドネ品種)、スペインのカヴァ、イタリア サルディーニャ島の白ワイン(ヴェルメンティーノ)にも合わせてみたが、一番の相性はやはりマルヴァジア。

過去にはイタリアのスパークリングワイン プロセッコに鯛のカルパッチョを合わせ好相性だった。ワインの発泡の刺激や香りの奥行きに、添えたナッツが同調した。瓶内二次発酵のカヴァなどのスパークリングワインを合わせる際には砕いたナッツを振るとさらに相性がアップする。

今回のように中華風スパイスが効いているとアロマ豊かなマルヴァジア品種などがよく合う。どんなワインでもトッピングや調味料を調整することで、カルパッチョとの距離を縮められる。ワインの特徴を踏まえて、カルパッチョをハーバルに爽やかにするにはディルやパセリなどの香草(自宅では乾燥タイプで常備できるもので十分)、柑橘で酸味とフルーティさを足すならスダチ、レモン、ライム。和風に寄せるならふりかけのゆかり、塩昆布、出汁醤油。エスニックにスパイシーにするならクミン、ナンプラーなど。カルパッチョの風味の軌道を調味料で少しガイドするだけで、ワインとのシンクロ率が一気に高まる。

カルパッチョは本国イタリアでは生牛肉を使って創作され、日本ではマグロやカツオ、サケなどの刺身を使ってアレンジされた。私の中ではオイルと酸味さえあればカルパッチョ。中華風にするならオリーブオイルをごま油に置き換えよう。花椒オイル和えは中華風カルパッチョ。柔軟な発想で自由に楽しみたい。

さて、メダイのカルパッチョとそれぞれのワインの相性について詳しく。


ファビュラス・フォエミネ, マルヴァジア, イタリア, アブルッツォ州, 2021, 12.5%, 2,266 円
Fabulous Foemine, Malvasia, Abruzzo, Italy

アブルッツォ、マジェッラ国立公園内に拠点を置き、ビオディナミ農法でブドウ栽培を行うワイナリー。国立公園内の標高600m、石灰質土壌の畑にある樹齢20〜25年のブドウを手摘みで収穫。収穫後、大樽で発酵し、アンフォラと木樽で3〜5ヶ月熟成。
エチケットに描かれるのはプレアデス星団(すばる)で、その中のMaja(マイア)星を女神に仕立てた伝説を題材にしたもの。マルヴァジア85%とその他の品種15%。

香りにはアプリコットリキュール、キンモクセイ、アカシア、香木。まるで香水のような華やかで甘美な香り。微かに白コショウのスパイス。ラムネ飲料のような爽やかな甘い香りも。
味わいには瑞々しく溢れるブドウの滋味、上品な甘さとメリハリのある酸味。余韻の微かな渋みとほろ苦さが引き締める。飲みつつも鼻腔をムンムンと甘美な香りが抜けていく。

メダイの花椒オイル和えにワインを合わせる。花椒の華やかでスパイシーなフレーバーが広がるなか、やや硬めのメダイの筋繊維の噛んでいくとまったりと広がる磯の香りやほのかな土っぽいニュアンス。このスパイスとメダイの風味のコンビネーションに、ワインが含むオリエンタルなスパイス、ブドウの滋味が完璧に調和。メダイのさっぱりとした脂もこの滋味が優しく包み込む。相性: ★★★★☆


グラハム ベック, ウルトラブリュット, 南アフリカ シャルドネ, 2016, 12.5%, 3,529円
Graham Beck, Ultra Brut, South Africa

メダイの花椒オイル和えに。白ブドウのシャルドネのみで醸し出されるエレガントな果実味、シャープな酸味が、花椒のスパイス香に引き立てられたメダイの脂に寄り添う。相性: ★★★☆☆


アンヌマリー, コンテッスカヴァ, ブリュット・ナチュレ, レセルヴァ, NV, カステル・ダージュ, スペイン, 12%, 2,266円
Anne Marie, Comtesse, Cava, Brut Nature, Reserva, Castell DAge, Spain

メダイの花椒オイル和えに。カヴァのどこかスパイシーなニュアンスと厚みのある果実味は花椒の香りにも心地よく調和。ケンカせず、スパイスとも調和するが、どうしてもワインの力強い風味が、メダイの風味に勝ってしまう。メダイは若魚のためか脂や風味がさっぱり。相性: ★★★☆☆


シルヴィオ・カルタ, セレナータ, ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ・スーペリオーレDOCG, イタリア, サルディーニャ, 2021, 13.5%, 2,695円
Silvio Carta, Serenata, Vermentino di Gallura, DOCG. Superiore, Sardinia, Italy, 2021, 13.5%

メダイの花椒オイル和えに。甲高い果実味がスパイスに相性良いが、メダイの繊細な風味をやや圧迫。甲高さはあるが全体的にパワフルではなく押し込みがない分、余韻に魚のワイルドな磯の香り、微かだが磯臭さを立ち上げる。相性: ★★★☆☆

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