見出し画像

スズキのカルパッチョ フランケンボトルの繊細で涼やかなミュラー・トゥルガウ

出張から帰国した週末、家族で外食に。
魚介メニューが充実していてワインを置いているカジュアルな割烹を選んだ。ワインはドイツワインを売り出し中のようで、フランケン地方特有の形状のボトルがいくつかおススメに載っている。シルヴァネールやリースリングなどと迷ったが、ミュラー・トゥルガウ品種のものを注文した。
フランケン地方のボトルの形状なのですっかり同地方のものと思っていたが、お隣のバーデン地方に属するタウバーフランケン産のものだった。

日本のワイン業界に携わる女性が評価するサクラ・ワイン・アワード2022でダブル・ゴールド受賞のシールが右肩に

ベックシュタイナー, キリアン, ミュラー・トゥルガウ, トロッケン, キルヒベルグ, タウバーフランケン, バーデン, 5,800円(レストラン提供価格)
Becksteiner, Winzer, Kilian, Muller Thurgau, Trocken, Kirchberg, Tauberfranken, Baden, Germany, 2020, 11.5%
淡めのレモンイエロー。
香りには青リンゴ、ほのかに白桃、さらにグレープフルーツ、ライムのフレッシュな柑橘香が引き締める。ほんのりとフェンネルのハーバルなタッチ。
みずみずしく透明感の高い青リンゴを思わせる果実味、シャープな酸味が印象的、涼やかな余韻。

お通しはサザエ、鴨のハム、茄子の煮浸し。

お出汁の効いた味付けがサザエの旨味を引き立てる。ワインがその旨味に寄り添い、お出汁の味付けにワインの繊細な果実味が反応しサザエ特有の苦みを和らげる。苦みや磯の香りの強い貝類にここまでの包容力を見せるとは驚き。
相性: ★★★☆☆

続いて刺身に進む。鯛、カツオ、イナダの3点盛りだ。

鯛のコリコリとした力強い歯ごたえの奥に上品な旨味が広がる。ワインの涼やかな果実味が心地よく同調。相性: ★★★☆☆
カツオの赤身の力強い風味にもしっかりと寄り添うワインの果実味。繊細なだけでなく、赤身も受け止めるしなやかさをも持つ。相性: ★★★☆☆
イナダ: 血合いは少なめで、脂もやや上品で控えめなさっぱりとした赤身にショウガを添えて。ワインの青リンゴや、ハーバルなニュアンスが薬味の生姜に繋がりつつ心地よく同調。赤身魚にここまで白ワインが寄り添うとは。生姜の仲介を差し引いても懐の広いワインだ。相性: ★★★★☆

刺身の後はカルパッチョに。

葉物野菜の上にイサキとスズキが盛られ、柑橘、オニオン系のドレッシングが振られている。
イサキに。力強い筋繊維の質感と脂も存在感しっかり。繊細なワインはやや圧倒される印象。相性: ★★★☆☆
スズキに。淡白で上品な脂に、爽やかな柑橘やオニオン系のカルパッチョ・ソースが絡み、ワインの涼やかな果実味がみごとに寄り添う。相性: ★★★★☆

刺身、カルパッチョの前菜に続き、白えびの天ぷらを注文。

やや淡白ながら上品な甘みを伴う白エビに、ワインの繊細で涼やかな果実味が心地よく寄り添う。相性: ★★★☆☆

子供は刺身の3点盛りに入っていたカツオが気に入ったようだ。カツオの刺身を追加注文した。

父親の趣味の魚介とワインのお店はお子様向けメニューは多くないので、もっと食べたいという声が嬉しい。写真以外に肉系の料理なども注文したが、カツオが美味しい美味しいと言ってくれていた。

この日のドイツのミュラー・トゥルガウはやや繊細で涼やかな果実味が魅力的で、白身のみならず赤身の魚も包むしなやかさを楽しめて大満足だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?