見出し画像

神戸元町チーニーカリーの海老とレンコンのカレー 垢抜けたトスカーナのヴェルメンティーノとサンジョヴェーゼ

神戸元町のパキスタンレストランのチーニーカリーの味がレトルトで楽しめる。

同店ではエビのキーマカレーとして提供されている味のようだが、こちらのレトルトにはキーマというワードは入っておらず挽肉っぽさはなく、緩めのルーはカリースープに近い印象だ。

ワインは最近の定番、ラ・スピネッタの白(ヴェルメンティーノ品種)と赤(サンジョヴェーゼ品種)に合わせる。
イタリアではヴェルメンティーノ品種はティレニア海沿岸を中心に栽培されている。同じブドウでも潮風をたっぷり吸い込んだサルディーニャ島のものは塩っけが効いていて口内の残り方もグリップが強く、トスカーナのものはその個性が穏やかで上品なスタイルだ。リグーリアのものはその中間を行く。カレーに合わせるにはサルディーニャ島のものが良さそうかなとは思いつつ、トスカーナの上品な味わいとはどういうペアリングを見せてくれるだろうか。

先日、サルディーニャ島のものとカレーを合わせたときの記事はこちら。

まずはグラスに注いだワインの風味を楽しむ。

ラ・スピネッタ, カサノーヴァ, ヴェルメンティーノ, トスカーナ, 2021, 13%, 2,879円
LA SPINETTA CASANOVA, VERMENTINO TOSCANA,
香りには軽やかにグレープフルーツの柑橘香、ナッティなニュアンス、潮風の香りもほんのりと。
香りの上品な様子とはまたうって変わって、ずしりとくる酸味、中盤以降ほろ苦さがしっかり。それでもサルディーニャ島の同じ品種のものより垢抜けた印象だ。

ラ・スピネッタ, カサノーヴァ, ヴェルメンティーノ, トスカーナ, 2021, 13%, 2,879円
LA SPINETTA CASANOVA, VERMENTINO TOSCANA,
サンジョヴェーゼ品種で造られるワイン。香りにはラズベリー、よく熟したプラム、明るいチャーミングな果実香、よくなじんだ樽香、ほのかにカカオのニュアンスも。
チャーミングさも伴う明るくジューシーな果実味、こぎみよい酸味、舌が微かに乾くようなタンニン。

続いてカレーに合わせる。滞在先のホテルの部屋に適当なお皿がなかったので温めた後に紙コップに。

クミン、ガラムマサラなどの刺激的なスパイスが豊かに香る。レンコンをシャキシャキと咀嚼している間、香辛料も口内に留まりジンワリと広がっていく。小ぶりのエビはスパイスの海の中でしっかりと旨味の存在感をアピールしてくる。

ラ・スピネッタの白ワインは酸味はシャープでカレーに一瞬食らいついたが、上品なバランスのワインはすぐになぎ倒される。サルディーニャあたりの磯の香りや塩味のあるヴェルメンティーノに合わせたい。
相性: ★★★☆☆

続いてラ・スピネッタの赤ワインに。果実味とタンニンに一定の力強さあり、きっと良いのではと思いきや、そしてまずまずながら、エビの旨味、カレーの香辛料への寄り添いもあまりなく別々に楽しんでもよいかと。スパイスのヒントを伴うワインだとつながりが良さそう。
相性: ★★★☆☆

今回のカレーはスパイスの刺激が豊かで、ワインも塩っけの強いサルディーニャ島のヴェルメンティーノが合うかと思うが、今回合わせたトスカーナのものは酸味がしっかりと利いていてカレーのスパイスにも負けないワインの個性を見せてくれた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?