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ブランク10年の主婦が、1冊の本に救われて履歴書を送るまで

経験したことのある会社は1社のみ。新卒で入社して約7年間働いていた。

その会社を辞めてから、約10年。
そのうちの4年はフリーランスとしてやってきたけれど、どうしても意識は「ブランク10年の主婦」のまま。

そんな私が、「外でも働こう」と決めました。

理由はいろいろ。
・地域と接点をもって働いている人、チームで働いている人を「いいなぁ」って思い始めたから
・「在宅ワーク」の経験を活かして仕事を得られるのか知りたかったから
・夫が働けなくなったから

まぁ一番大きいのは、夫が働けなくなったから、だよね。
しばらく休職していたんだけど、退職することを決めて一家で地元県にもどってきました。

でね、今回のことがあって一番の気づきは「会社員ってすごい。一家にひとりは会社員が必要だわ」だったの。

だって、働けなくなっても手当でしばらくは暮らしていけるんだよ!?そりゃ現役のときに比べたら減るけれど、こんなのフリーランスでは考えられないもん。

退職したらしたで、退職金に失業保険もある。

知ってたけれど、実際に目の当たりにすると「会社員ってすごい」って本当に思った。

それで、「厚生年金・健康保険・雇用保険が欲しいな」→「外でも働こう」ってなったのでした。
外でも働きつつ、在宅のお仕事も続けたい。そんな野望は果たして叶うのだろうか…!

でも、社会に出るのって怖いじゃん

決めたはいいけど、なんせブランク10年の主婦(意識的には)なもんで、社会に出るのが怖い!

前職のときのことを思い出してみても、ネガティブな気持ちにしかなれなくって。
「がまんして働くのが社会人ってもんでしょ」
「社員のことを考えてくれる会社なんて本当にある?そんなのきれいごとじゃない??」
って思ってたから。

引っ越しの疲れやら寒さやらなんやらでちょこっと寝込んだりもして、ネガティブなトンネルに迷い込んだ私を救ってくれたのが、一冊の本でした。

『幸せな人は「お金」と「働く」を知っている』著・新井和宏

「いい会社」だけに投資をする鎌倉投信の創業者のひとりである著者の新井さんが、「いい会社とはなにか」を語るところから始まるこの本。

十人いれば、十通りのいい会社があるといえるでしょう。
ただし、共通していえることがあります。それは、「これからの社会に必要とされる会社」であるということ。そして「人間としての成長ができる環境を提供してくれる会社」だということです。

幸せな人は「お金」と「働く」を知っている

こんな言葉とともに、「いい会社」の例がいくつも紹介されていく。それを読んでいて、なんか希望が湧いてきたんですよね。

あ、なんだ。
いい会社って存在するんじゃん、って。

それから、「会社は人が財産だ」っていうところも響いたな。会社は人の集合体だから、働いている人たちがその会社の未来を決めていく。失礼な対応をとられたら、その感覚を大事にしてその会社は選ばない方がいいと。

思えば、私が前職に対してネガティブな印象を持っているのって、結局は「人」が理由だった。

複数の店舗で働いたけれど、支店長と呼ばれる人たちのことを人間的に尊敬できなくて。
特に「早く辞めたい!」と思っていたときの支店長は、「自分さえよければ、他の人が損をしてもいい」って思っている人(実際に本人がそう言ってたんだもん。驚くよね)だった。

そんな支店長に数字のことで詰められるのが嫌だったし、こういう人が昇進していく会社なんだなってことにも失望していた。

他の人から見たら違ったのかもしれないけれど、私にとっては「いい会社」ではなかったんだな、って腑に落ちました。

私は唯一無二の存在

「いい会社」が欲しがる人材とはどんな人か、についても語られているのだけど、ここでも勇気づけられた表現がありました。

それは、協調性とか利他の精神とか、人間的な魅力がある人というのはもちろんだけど、「あなたでなくてはならない理由」=個性のある人が求められるのではないか、という文脈で語られた次の言葉です。

個性とは奇をてらうわけではなく、あなた自身の存在意義を示すものです。それはあなたが、過去に経験してきたことを、未来において価値に変えることができる人かどうかを問われているのです。

幸せな人は「お金」と「働く」を知っている

過去の経験を未来の価値に変えられる人……!

フリーランスとしてブログサイト運営やWebライターをやってきたけれど、果たしてこの経験が通用するのだろうかと不安に感じていた私に、「それがあなたなんだから、胸を張っていきなよ!」って言ってくれたように感じて、じーんとしちゃった。

いや、フリーランスの経験だけじゃないよね。
夫の転勤について各地を転々としたことも、子育てに必死になったことも、これまでの全部を未来の価値に変えていけばいいんだよね。

頭ではわかってるんだけど、心の奥底では自分のことを自分で認められずにいる私に、沁みました。

(「私なんて」と自分を認められない無意識の価値観って根が深いよねって話は、転勤族仲間とも先日話題になったの。同じように思っている人、たくさんいるよね、きっと)

これまでの人生、誇っていこう!

文中で紹介されていたホセ・ムヒカ元ウルグアイ大統領の言葉も響いたので、メモ

就活、その後

本に救われて気持ちが前向きになってきた私は、その後、人に相談してさらに勇気をもらい、無事に履歴書送るところまでたどり着きましたー!

とりあえず動いてチャンスをつかんでいく行動力のある人もいるけれど、ぐるぐる考えちゃって勝手に落ち込む私みたいなタイプは、まず本に背中を押してもらうの、ありです!!


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