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#建築 まとめマガジン

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note上の建築系記事をまとめていきます。 #建築 をつけて投稿しよう!
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#本

「建築の見方」を身につけて、前川國男を見に行こう!

こんにちは、ロンロ・ボナペティです。 みなさんは建築を見るとき、どんな見方をしていますか? これまでnoteを通じて、僕が見に行って「いいな!」と思った建築を紹介してきましたが、実は僕も建築の見方を誰かに教わった経験はありません。 大学の授業でも、歴史的に重要な建築作品を学ぶ授業はありましたが、ではそれらの建築が良いのかどうか、というのは教わりませんでした。 授業で習った作品を「あんなものは駄作だ」と言う建築家がいて驚いた経験も多々あります。 では僕がどのように建築を見

それは、からからから……という、朝方、雨戸が開け放たれた時の音、だろうか 評者:中川武

2017年夏に刊行した書籍『国宝・閑谷学校|Timeless Landscapes 1』について、建築史家・中川武氏による書評(約4,200字)を公開します。何かのメディアから依頼があったものではなく、半ば自発的に書かれたものです。本の評に留まらず、建築史家ならではの閑谷学校論にもなっています。 美しい本との出会い 建築が今でも希望であり続けていることを、静かに、過不足なく、しかし、余すところなく、確固として伝えてくれる美しい本に出会った。『国宝・閑谷学校|Timeles

閑谷学校 永遠と現在を行き来する建築 評者:藤原徹平

2017年夏に刊行した書籍『国宝・閑谷学校|Timeless Landscapes 1』について、建築家・藤原徹平氏による書評(約5,600字)を公開します。 『住宅建築』2018年2月号に掲載されたものから、大幅に加筆され、独自の津田永忠論にもなっています。 閑谷学校を造営した津田永忠のことがいつからかずっと気になっている。岡山藩随一の切れ者で、岡山藩200年の歴史のなかでも最も傑出した藩政家だと評される。私としては、日本にもし近世以前の建築家の系譜学というものをつくると

ウェブの時代に建築家が発信することの意味

こんにちは、ロンロ・ボナペティです。 noteをはじめてから、早半年が経過しました。 はじめる前は想像もしていなかった良いことがたくさんあったのですが、ひとつ釈然としないことがあります。 それは…… なんでもっと建築系の書き手が増えないんだろう!? ということです。 これまでの建築とメディアの関わり方の歴史を考えていくと、いまnoteで発信していくことは建築に携わる人にとってすごいチャンスが広がっているんじゃないかと思っていて。 Twitterでこんなつぶやきをした

建築設計における「天才」とは?

先日こちらの記事がtwitterのタイムラインに流れてきて読んでいたのですが、とても面白かったです。 内容に関してはリンク先を読んでいただければと思うのですが、ぼくが専門としている建築設計の分野で「天才」というのは誰なんだろう?そしてどういう存在なんだろう?と車を運転しながらぼんやりと考えていました。 でも、天才とか才能という言葉って、個人的にはあまり好きな言葉ではなくて、その言葉を使用した瞬間に思考停止しているような感覚に陥ってしまうし、学生時代に後輩の建築家を分析した

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芸術と技術を融合するディテールに宿る情熱|関本竜太|【ブックレビュー】

北欧を代表する建築家アルヴァ・アールトの美しく機能的なディテールを集めた作品集『アルヴァ・アールトの建築 エレメント&ディテール』に寄せられた、建築家・関本竜太さんによるレビューです。 アールトの建築はディテールである。逆に言えば、ディテールにこそアールト建築の本質は宿っているといえる。 アールトの建築の魅力は、作品集などからはけっして推し量ることはできない。アールトの建築に触れてみたいと、私がはじめてヘルシンキを訪れたのは1999年のことだ。その時はフィンランディアホー

確実に自分の力にする 情熱的な8つの建築勉強法

大学に一人は存在する、建築に全てを注げた方々の勉強法を紹介します。 建築に入ったけど、どう勉強すればよいか分からない。 そんな悩みの答えを、建築に情熱を捧げる人たちから調査しました。 大まかに説明すると以下の8つ(+2)になります。 ・購入した本は〇〇〇〇と〇〇の嵐 ・図書館の本は参考して、考えを〇〇〇に書く ・本は〇〇みたいに読む ・読んだ本は〇〇と〇〇と何を学んだか書く ・〇〇〇〇と真似 ・建築旅行は修行の旅 〇〇→〇〇→〇〇の反復 ・設計反省文×3 〇〇と〇〇を文章

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【視野を広げる読書本1】陰翳礼讃

こんにちは、高橋向生です。 今日から僕が読んだ本を一週間ごとに紹介していきます。 今回は学生から社会人まで全員に読んでほしい「陰翳礼讃」という本です。 (青空文庫やKindleから無料で読めます) 大まかな内容としては以下の5つで構成します。 ・大まかな概要 ・感想 ・何を学んだか ・まとめ ・商品リンク 大まかな内容実は陰翳礼讃、中公文庫では最初の第一章しか話しておりません。 なので、そこだけ読む場合、全体約200ページの60ページしかありません。 ちなみに、僕が読んだ

沢マン絵本制作レポートを始めます。

こんにちは。学芸出版社編集部の岩切です。 突然ですが現在、高知県にある沢田マンションの絵本『(仮)手づくりマンション』をつくろうという企画を進めています。 屋上まで続く迷路のようなスロープ車路、スケルトンのエレベーター、クレーンが吊られた現在進行形の増築(もとい改修)基地としての屋上工場、一つとして同じ間取りがない住戸。まるで“絵本から飛び出したような”建築・沢田マンションは、形態のインパクトだけでなく、すべては沢田夫婦が手作りでつくりあげた驚異の巨大DIY建築です。

「都市と建築と音楽」─『ジェイン・ジェイコブズ:ニューヨーク都市計画革命』公開記念トークイベント(カズ・ヨネダ× 川﨑昭)レポート

都市は万人に何かを提供できます でもそれは、 万人によってつくられた時だけです ─ジェイン・ジェイコブズ 4/28より都市活動家・作家であるジェイン・ジェイコブズのドキュメンタリー映画『ジェイン・ジェイコブズ —ニューヨーク都市計画革命—』の公開が開始された。著書『アメリカ大都市の死と生』で知られる彼女は、ひとりの市民としてニューヨークの急速な都市開発からコミュニティを守るため奮闘した。本作では、ジェイコブズがどのように活動したかを記録映像や肉声を織り交ぜ、彼女に迫っていく

都市で生きるとは?一一『ひとり空間の都市論』

建築家・伊東豊雄が、1989年に雑誌「新建築」に寄稿した論考「消費の海に浸らずして新しい建築はない」。この時私は生まれてすらいないが、どうやら当時の建築家社会+その界隈に、強烈なインパクトを与えた論考らしい。 たしかに、毎月コンスタントに発刊される雑誌の冒頭たった数ページの論考が、今もなおあらゆる局面で引用されるというのは、情報が横溢するこの時代には少し驚きを覚える。 伊東は「凄まじい勢いで建築が建てられ」と語り始め、高度経済成長期のピークを経て社会が成熟し始めた当時の建築界

ジェイコブズから学ぶ─『ジェイン・ジェイコブズ:ニューヨーク都市計画革命』公開記念トークイベント(五十嵐太郎× 山崎亮)レポート

4/28(土)より公開となった映画『ジェイン・ジェイコブズ:ニューヨーク都市計画革命』。公開を記念して「ジェイコブズの視点から読み解く日本のまちづくりの今とこれから」と題して五十嵐太郎さん(建築史・建築批評家)と山崎亮さん(コミュニティデザイナー)によるトークイベントを行いました。本記事ではその模様をお伝えします。 左:五十嵐太郎氏 右:山崎亮氏 目次 ●ジェイコブズの声、話し方、振る舞い ●時代の要請者、ロバート・モーゼス ●「汚いから取り除いて新しくすればいい」を否定

テクノロジーの今を伝え、隣接分野を巻き込むパイオニア|『建築家のためのウェブ発信講義』【試し読み】

建築系ウェブメディア「アーキテクチャーフォト」編集長の後藤連平さんによる新刊『建築家のためのウェブ発信講義』。 藤村龍至さん(RFA)、連勇太朗さん(モクチン企画)、豊田啓介さん(noiz)など、ウェブを使いこなす建築家たちへの取材を交えながら、SNS時代ならではの新しい「建築家」行動戦略を解説した一冊です。 この記事では、4章「ウェブを使いこなす建築家たち 実践・分析編」で、豊田啓介さんによる情報のキュレーションについて紹介した講「テクノロジーの今を伝え、隣接分野を巻き込

“安全なまち”はいつも個別解。地方が抱えるジレンマ|【イベントレポート】

密集市街地の防災と住環境整備:関西編 セミナーレポート(その3) 密集市街地の防災性と住環境の向上に取り組んできたUR都市機構(以下、UR)の15の事業手法を総覧した書籍『密集市街地の防災と住環境整備』の出版を記念して2017年11月21日に行われた東京・密集市街地再生フォーラムに続き、「密集市街地の防災と住環境整備:関西編」と題した出版記念セミナーを2018年2月9日、大阪にて開催しました。 このイベントレポートを3回に分けてお送りしています。 最終回の今回は、大野さんか