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#建築 まとめマガジン

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2019年9月の記事一覧

建築の3次元デジタルアーカイブの未来はどこへ?─『旧都城市民会館』3DDAトークセッションレポート

菊竹建築設計事務所によって設計され,1966年に竣工した都城市民会館. 変わらない部分と社会の変化や技術の発展によって変わっていく設備などの部分を分け,屋根は部品化された部材を用いて,交換可能なものとして設計されたメタボリズムの思想が取り込まれた建築である. 鉄筋コンクリートの基壇の上に鉄骨屋根架構が載る特徴的な形態を持ち,まるで昆虫のような独特な姿が印象的だ. 旧都城市民会館の「残る部分」 竣工してすぐに掲載された建築専門誌『新建築』の解説で,菊竹氏は「残る部分」につ

「消費者」から「所有者」へ──なぜいま「修理する権利」が重要なのか

先週wiredでも記事が出ましたが、ついにアップルが(部分的にですが)折れました。最近よく耳にする「修理する権利」の話です。 個人的に「修理する権利」に注目しはじめて約一年、その重要性への確信は日ごとに高まっています。今回はこの記念すべき(?)イベントを祝して、なぜいま「修理する権利」が重要なのかを考えてみたいと思います。 Appleはどのように修理を「拒んで」きたか手元にiPhoneがある方は、底面の充電ジャックの両脇にある小さなビスをよく観察してみてください。ビスの穴

フランク・ロイド・ライト「入門」 (その①)

先日、落水荘に行ってきた。おそらく世界で一番有名な住宅。言うまでもなく、建築家フランク・ロイド・ライトの代表作だ。ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外の、自然に囲まれた山中にある。 張り出したテラスの下に滝が落ちる、幾度となく本や雑誌で見てきた外観。実物はまさにそのままの姿で、なんか「問答無用」って感じの威厳があった。 外観のフォトジェニック具合とはある意味対照的に、一度建物の敷居を跨ぐと、この住宅を印象づけるのは「音」だった。そう、滝の音。よくよく考えたら、滝の上に住宅を作

2011 May, Monterey_San Francisco_Napa

2011年春、何度目かの北カリフォルニアへの旅の出るのですが、今回は1960年代にチャールス・ムーア達、MLTWがデザインしたシーランチ・コンドミニアムに宿泊できることがわかりまずは泊まらなくては、と決めてサンフランシスコから車で北を目指すことにしたのです。 でも、せっかくサンフランシスコに行くのなら好きな街であるモンタレーに寄ろう、あの桟橋のクラムチャウダーを食べに行こう、それにナパまで足を伸ばそうかと考えたところ、友人のUCBの先生、デイナ・バントロックに相談したら、それ

建築事務所のいろいろ_廃棄物発電所の屋根にスキー場

建築は実際に訪れてみなけてばならない。本当に意図していることが分かるからだ。 昨年、BIGの同僚たちとデンマークの建築めぐりの旅にでた。正直に言うと、それまでに実際に見たBIGのプロジェクトはマンハッタンにあるVIAと、あと1つ。そして更に正直に言うと、私はBIGの建築に共感したから入社した訳ではない。長年スティーブン・ホール事務所にいた私は、BIGの建築に対して「ダウト」すら抱いていたのだから。 だからこの同僚との旅は、自分たちが創り出している建築がどういうものかを理解