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#建築 まとめマガジン

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2018年5月の記事一覧

再録「建築家は何を想い,何を未来へ託そうとしたのか─藤森照信氏が語る『丹下健三』の記憶」

2002年に,新建築社より限定2,500部で刊行し,長らく品切れとなっていた『丹下健三』(著:丹下健三,藤森照信)をこの度,デジタル版として2017年9月4日より配信を開始しました. デジタル版配信にあたり,著者である藤森照信氏に当時のエピソードを伺い,Facebookで公開していたものを転載します. 2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会を控え,2020年とその後の社会についてさまざまな議論が交わされています.こうした中,改めて前回(1964年)の東京大会を振

美術館・ギャラリーマップその1:銀座

銀座 はいい街だ。 なんていったって、入場料なしに見れる小さめのギャラリーが街のいたるところにある。 学生時代にそれに気づき、それからというもの、「今日は、ここと、そこと、あそこと」みたいな1日銀座ギャラリー巡りを時々やっている。 ここでは私が定期的にチェックしているギャラリーをいくつか紹介する。 もちろんこれら以外にもたくさんあるので、銀座巡りが気に入ったら探してみてほしい。 お品書きはこんな感じ 1. アド ミュージアム 東京 2. クリエイションギャラリーG8

修繕行為の創意工夫─特集:アクティベートの手法─『新建築』2018年4月号月評

「月評」は『新建築』の掲載プロジェクト・論文(時には編集のあり方)をさまざまな評者がさまざまな視点から批評する名物企画です.「月評出張版」では,本誌記事をnoteをご覧の皆様にお届けします! 新建築2018年4月号(Amazonはこちら) 新建築2018年5月号(Amazonはこちら) 評者:深尾精一 目次 ●アクティベートの手法 ●「リビング・ヘリテージ」─意欲的なリノベーション・コンバージョン─港区立郷土歴史館等複合施設(ゆかしの杜) ●「リビング・ヘリテージ」─人

想像力ー自らのイマジネーションを駆使して思い描くこと

「私の失敗」は建築家自身が自分たちの失敗を赤裸々に語るコラムです。建築家たちはさまざまな失敗を重ね、そこから学び、常に自分たちを研鑽しています。そんな建築家たちの試行をご覧ください! 執筆者:古谷誠章(NASCA) 目次 ●建築を巡る失敗について ●「魔が差し」てしまう ●想像を尽くすこと 建築を巡る失敗について仕事の経験もそれなりに長くなってくると、建築を巡る失敗は実はたくさんあって、ディテールをしくじってのっけから手直しをしたり、竣工時には気付かなくても年月と共に不

そして「白」問題/白い壁紙の選び方

壁紙を選ぶことが多く、「色」好きな私ですが、いつもカラフルな壁紙ばかりを選んでいるわけでもありません。 「白い」壁紙を選ぶこと。 これも実はとても奥深い!「白」問題。みなさんの考える「白い壁紙」ってどんなですか?どんな「白具合」でしょうか?それぞれに思い描く「白」色って、実は結構違うんですよね。一見同じように見えていても、微妙にベースの色が違っていて、大きくは「ベージュ系ベースの白色」と「グレー系ベースの白色」。 全体の色味のバランスの中で方向性が決まることもあれば、ク

門脇邸見学|田中義久×中山英之対談

一昨日の午前、少し雨雲が漂う中、最近できた門脇耕三さんの自邸に伺った。 初めてこのプロジェクトを知ったのは、二年前のちょうど今頃だった。私の卒業制作を話をする機会があり、そこに門脇さんも同席されていて、自邸のプロジェクトと、私が描いていたアクソメ図と近いものを感じ、話をしていただいたことを覚えている。 しかし、こんな建物がどのようにして現実にできるのか、想像が及ばない。いつかきっと見てみたいと思っていたプロジェクトだった。 そんな中、門脇邸に知人が訪れるというので、勢いで

「都市と建築と音楽」─『ジェイン・ジェイコブズ:ニューヨーク都市計画革命』公開記念トークイベント(カズ・ヨネダ× 川﨑昭)レポート

都市は万人に何かを提供できます でもそれは、 万人によってつくられた時だけです ─ジェイン・ジェイコブズ 4/28より都市活動家・作家であるジェイン・ジェイコブズのドキュメンタリー映画『ジェイン・ジェイコブズ —ニューヨーク都市計画革命—』の公開が開始された。著書『アメリカ大都市の死と生』で知られる彼女は、ひとりの市民としてニューヨークの急速な都市開発からコミュニティを守るため奮闘した。本作では、ジェイコブズがどのように活動したかを記録映像や肉声を織り交ぜ、彼女に迫っていく

時代の空気をまとうことと、建築の作法でつくることは矛盾しないーー谷尻誠+吉田愛 / SUPPOSE DESIGN OFFICEによる「猿田彦珈琲 調布焙煎ホール」

こんにちは。 アーキテクチャーフォトの後藤です。 今日は、先日訪問した、調布市にある谷尻誠+吉田愛 / SUPPOSE DESIGN OFFICEが設計した「猿田彦珈琲 調布焙煎ホール」について書いてみたいと思います。 (内部の写真はこちらのページで見ることができますのでまずご覧ください) お店に入っての第一印象は、「居心地の良さ」です。明るさが抑えられていて、昼間ですが、落ち着いた雰囲気があり、また、カーペット床の柔らかい感触が心地よいです。 お店に入り自分で席を探

絵を描くのが好きな人は建築を目指そう

 建築ほど面白い仕事はない。  自分が描いた絵が、実物となって建ち上がるのだから。  細かい部分まで丁寧に描けば、細かい部分まで丁寧に建ててくれるし、  情熱をもって描けば、職人さんたちも情熱をもって応えてくれる。  だから #建築 ほど面白い仕事はない。 写実的に描く必要はない、若いころ勘違いしてた。 重要なのは熱量。 人を動かすのは熱だから。 25/5/2018

めたもるセブン,懐かしい未来,太陽の塔,文化,─『新建築』2018年4月号月評

「月評」は『新建築』の掲載プロジェクト・論文(時には編集のあり方)をさまざまな評者がさまざまな視点から批評する名物企画です.「月評出張版」では,本誌記事をnoteをご覧の皆様にお届けします! 新建築2018年4月号(Amazonはこちら) 新建築2018年5月号(Amazonはこちら) 評者:中山英之(建築家) 目次 ●いわく言い難い感情の芯─けもの「めたもるセブン」 ●始まりの季節から─リノベーション特集 ●「懐かしさ」とは未来に開かれた感情である ●「懐かしい未来」

都市で生きるとは?一一『ひとり空間の都市論』

建築家・伊東豊雄が、1989年に雑誌「新建築」に寄稿した論考「消費の海に浸らずして新しい建築はない」。この時私は生まれてすらいないが、どうやら当時の建築家社会+その界隈に、強烈なインパクトを与えた論考らしい。 たしかに、毎月コンスタントに発刊される雑誌の冒頭たった数ページの論考が、今もなおあらゆる局面で引用されるというのは、情報が横溢するこの時代には少し驚きを覚える。 伊東は「凄まじい勢いで建築が建てられ」と語り始め、高度経済成長期のピークを経て社会が成熟し始めた当時の建築界

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折り紙建築 - 鏡の城

世界の,意味の,想像の幅が広がること─『フラジャイル・コンセプト』

この写真は明らかにおかしい. まず,煉瓦の塊が浮いている(ように見える).これは明らかに重力に反している.下から上へ積まれて構造をつくり上げていくのが煉瓦造だが,その土台となる「下」が何もない. もうひとつ,ポツリと開けられたアーチ窓もおかしい.煉瓦造でアーチ窓をつくるためには煉瓦がアーチ状に積み上げられていなければいけない.にも関わらず,ここでは唐突としてアーチの開口が設けられている. じゃあ,なぜこのようなことが起きているのかというと,答えはこうだ. この建物

吉本孝臣建築と中山英之レクチャーを経て

19日(Sat)は建築dayでした。 天気はあいにくにも雨&曇りでしたが、 めちゃめちゃ充実した1日でした。 札幌駅でレンタカーを借りて、まず最初に向かったのは吉本孝臣さんが手がけたオープンハウス。 over view オーナー : 夫婦(2人) 所在地 : 札幌市東区 立地 : 菜園の前には住宅が無く、眺望〇 構造 : 木造(新築)、総二階建 今回の設計のキーワードとなった、 "菜園"、"カーポート"、"シンプルな空間"