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#建築 まとめマガジン

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2018年3月の記事一覧

日建設計「荒川ビル」

日建設計が西新橋でつくった荒川ビルを見学させて頂いた。プロジェクトの担当者で、現在は東京大学特任助教である谷口景一朗さんにご案内していただく。オーナー会社のフロアが3層、オーナー住居、その他は貸し床の800平米程のビルである。日建的には小規模なプロジェクトで、その分若手のチームで自由にやった雰囲気もある建築だった。角地の2面に避難用階段を表出させ、そのぶん室内のコアをコンパクトにして、実際通常のつくり方よりも床面積を広くとれる構成になっている。 まず外階段が複雑に絡んでる外

あの名建築に会いに行こう!——大分県中津市「風の丘葬祭場」編

こんにちは、ロンロ・ボナペティです。 突然ですが皆さんには、「いつかあの建築を訪れてみたい!」という建築はあるでしょうか? 瞬時に頭の中にいくつもの建築が浮かんでくる方、2つ3つは浮かんだよ、という方、パッと思い浮かぶものはないなぁ、という方、それぞれだと思います。 定番の名建築でいえば、国内なら京都・奈良の有名なお寺や神社、伊勢神宮や出雲大社、嚴島神宮……。 海外だとローマの教会建築、パリのエッフェル塔やルーブル美術館、ロンドンの国会議事堂などなど。 どれも旅行ガイドブック

バリアフリーという失敗

「私の失敗」は建築家自身が自分たちの失敗を赤裸々に語るコラムです。建築家たちはさまざまな失敗を重ね、そこから学び、常に自分たちを研鑽しています。そんな建築家たちの試行をご覧ください! 建築家の失敗は、あまり表沙汰にならないことが多い。 私が坂倉準三建築研究所にいた時代、建設会社の優秀な技術者が、怪しいディテールを施工図段階で修正してくれたり、失敗もカバーしてくれるケースも多かった。最近は、施工図を他の設計事務所に外注したり、技術的なチェックがなされず施工されたりして、「困

デベロッパーの視点から見る─『新建築』2018年1月号月評

今月から隔月で月評を担当させていただく.私の役割としては,デベロッパーのインハウスアーキテクトとして,さまざまなプロジェクトに関わってきた立場からの率直な意見を述べることと考えている. 具体的には「利用者の視点」,「都市的な視野」,「時間軸の視座」という3つの切り口に沿って眺めていきたい. どれも都市開発事業にとっての基本的な評価軸であると同時に,今後の「建築」を語る上でも設計者が意識すべき重要なテーマだと感じているからである. 「手続きの創造性」1月号でまず興味を持っ

なぜオーストリアの地方都市で行われるアートフェスティバルに、 世界中から人々が集まるのか|【試し読み】

人口20万人のオーストリアの町リンツは、市民を巻き込みながら最先端のメディアアート・フェスティバルや国際コンペを開催したり、教育拠点のミュージアムや産業創出拠点のラボを設立したりして、衰退した工業都市を創造都市へ変貌させてきました。 『アルスエレクトロニカの挑戦』は、2014年にリンツに拠点を置く世界最高峰のクリエイティブ・文化機関「アルスエレクトロニカ」と博報堂との共同プロジェクトを立ち上げ、プロジェクトリーダーを務めてきたクリエイティブ・プロデューサー、鷲尾和彦さん

建築とWeb ー モダニズムとフラットデザイン

建築とWebは似ていると思います。(2回目) モダニズムとフラットデザインというムーブメント19世紀の終わりから20世紀初頭にかけて建築界ではモダニズムという運動が起こっていました。詳しい話は諸先輩方に譲るとして、簡単に言うと、それまでの様式に則ったデザインではなく、機能に基づいたデザインを目指すものでした。 無駄な装飾を廃し、機能性を考えたシンプルで合理的な設計がモダニズムです。今日のオフィスビルに凝った彫り物や円柱がない(中にはあるでしょうけど)のもこのモダニズムの影

オンドル式空調の無垢のベイマツ幅広フローリング

「私の失敗」は建築家自身が自分たちの失敗を赤裸々に語るコラムです。建築家たちはさまざまな失敗を重ね、そこから学び、常に自分たちを研鑽しています。そんな建築家たちの試行をご覧ください! 私の失敗を書けという実に困った宿題がきた。 ネタがないということではない。失敗なら山ほどある。われわれの作品はすべて一品生産であるから、それぞれの作品すべてについて大なり小なり失敗が付録のように付いている。ただ、施主側にとっては笑ってすまされる事項ではなく、われわれの方としても施主に気付かれ

Apple Michigan Avenue, Chicago: 川のほとりのランドスケープと一体化した Apple Store

Appleが2017年10月にオープンしたシカゴの新しいフラッグシップストア、Apple Michigan Avenue。人がつながる空間を目指した店舗は3層構造になっており、川に向かって設置された大画面が拡がるフォーラムが印象的です。 そのフォーラムを2階部分のソファから見下ろすと、背後には行き交う黄色い水上タクシーと、ミシガン・アベニューに架かる橋の風景が拡がり、河岸のランドスケープと一体化されたダイナミックな風景が目に飛び込んできます。 まずは簡単な、ビデオクリップ

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生物建築舎 藤野高志さん review

−木が死んでからが建材ではない。 生物建築学舎の主宰である藤野高志さんは言った。 今までになかった考え…。 私は新たな衝撃を覚えた。これまで製材された木材を当然のように学び、この目で見てきたからだ。 だが藤野さんはこう考えている。 棒グラフ状にはめられたガラスの内側に、樹木を一本植えるとそれはドアの働きをすると。 樹木の活用例を挙げると、生物建築舎のアトリエである『天神山のアトリエ』は、中央に樹木が植えられているのだが、その樹木は庇の役目を担ったりする。そんな代表作の一

「建築」と「建築家」をサポートするために| 『建築家のためのウェブ発信講義』【試し読み】

2018年4月初旬発売の新刊『建築家のためのウェブ発信講義』。 建築系ウェブメディア「アーキテクチャーフォト」編集長の後藤連平さんが、藤村龍至さん(RFA)、連勇太朗さん(モクチン企画)、豊田啓介さん(noiz)など、ウェブを使いこなす建築家たちへの取材を交えながら、SNS時代ならではの新しい「建築家」行動戦略を解説した一冊です。 この記事では、あとがき「『建築』と『建築家』をサポートするために」を全文公開します。 書籍Amazonページ|https://goo.gl/r

「建築家」のあり方,市民社会の象徴としての建築のつくられ方─『新建築』2018年1月号月評

「建築家」という職能システム連 槇文彦さんによる建築論壇:変貌する建築家の生態(『新建築』2017年11月号掲載),そして1月号の建築論壇:建築の設計とこれからでは非常に重要な問題提起がされています. 発注の仕組みについては,建築界全体が団結して,継続的に議論していくべき重要なことです.ここ数年,新国立競技場問題をはじめ,日本において建築家という職能に基礎となるフレームが制度の面で根付いていなかったということが,さまざまなかたちで顕在化しています. 「建築家」という職能

建築家がウェブで発信することの可能性| 『建築家のためのウェブ発信講義』【試し読み】

2018年4月初旬発売の新刊『建築家のためのウェブ発信講義』。 建築系ウェブメディア「アーキテクチャーフォト」編集長の後藤連平さんが、藤村龍至さん(RFA)、連勇太朗さん(モクチン企画)、豊田啓介さん(noiz)など、ウェブを使いこなす建築家たちへの取材を交えながら、SNS時代ならではの新しい「建築家」行動戦略を解説した一冊です。 この記事では、まえがき「建築家がウェブで発信することの可能性」を全文公開します。 書籍Amazonページ|https://goo.gl/qFB

「武蔵野プレイス」はひとつの風景をつくりだしたのか─背景が語ることはなんなのだろうか3

「ランドマーク」は物語を生む. グーグルで「東京タワー 映画」と検索してみる リリー・フランキーの『東京タワー』が登場する.また右側には江國香織による恋愛小説が検索結果として出てくる.言うまでもなく東京タワーは多くの物語のモチーフとなってきた. 次は「おばけ煙突 映画」で検索してみる 見たことはないがアニメ作品とおばけ煙突を中心とした物語「煙突の見える場所」という作品が出てくる.またおばけ煙突をご存知ない方はこち亀の「おばけ煙突が消えた日」を読まれるといいだろう.昭

新しいビジネスを成立させるには、「誰もやっていないこと」と「慣習化されたこと」を組み合わせる

こんにちは。 アーキテクチャーフォトの後藤です。 今日は、ビジネス的な話で少し書いてみたいと思います。 ********** この記事は単体販売もしておりますが、定期購読頂いた方がお得です! 是非、ご検討ください。 ********** アーキテクチャーフォトは、基本的に無料で閲覧ができるサイトですが、関連サイトである、「アーキテクチャーフォトブックス」、「アーキテクチャーフォトジョブボード」と連携をとることで、ビジネスとしても成り立っています。 アーキテクチャー

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