叶えたかった作新学院を倒しての甲子園出場(佐野日大高校OB 佐藤浩之インタビュー)
作新学院を倒したいという思いからの進学
――野球を始めたきっかけについて教えてください
自分は三兄弟の次男で、父がかつて野球をやっていて、兄も野球を始めたことで自分も野球をやりたいと思うようになりました。小学2年生から学校の野球チームに入団しました。
――高校を選んだ決め手は何でしたか?
栃木県の高校野球で有名な高校だと作新学院さんの名前が挙がると思うのですが、自分の中でその作新学院さんを倒して甲子園に行きたいという思いがありました。その中で栃木県のどこの学校なら作新学院さんを倒せるかと考えた時に、佐野日大が一番良いのではないかと考えて進学しました。
普段の練習から打倒作新学院を意識して
――ここからは高校に入学してからのお話に移っていきたいと思います。甲子園を目標としていた当時の思いや練習への姿勢について教えてください
自分の兄は県内の別の高校に進学していたのですが、兄の知人で作新学院に進学した方からお話を聞く機会がありました。その中で勝つためにはどういう練習、環境が必要かということをよく考えて練習に取り組んでいるという話がありました。
作新学院さんは厳しい練習や長時間の練習があるということで、そのようなチームを倒すためにどれだけ効率よく練習ができるのかということを考えていました。また厳しい練習だけが必要ではないということも思ったりしながら練習に取り組んでいました。
――今練習についてのお話がありましたが、印象に残る練習メニューなどはありましたか?
実戦形式の守備練習ですかね。メンバーが守備に就いて、メンバー外の選手がランナーをやってもらい、実際の場面を想定した練習でした。
――そういった練習の中でどういったことを意識されていましたか?
実戦に近い練習が必要だと思っていたので、実戦形式の守備練習に関しては決められたチームのサインや方式、ルールをミスなく徹底して行うことを意識していました。野球は9イニングで27個のアウトが必要なので、それをどれだけ確実に取れるのかということを考えながら練習に取り組んでいました。
――佐藤さんは1年生の秋からスタメンで出場されていたとのことですが、当時のことについて印象に残るお話などあれば教えてください
1年生の秋から出させていただいて先輩とのポジション争いもあったのですが、その先輩が中学時代から同じチームだった先輩ということで複雑な気持ちもありながらも、出させていただいている以上は全力を尽くさないとという思いでした。
印象に残っている試合としては秋の関東大会1回戦、東農大三高さんとの試合です。自分が逆転タイムリーを打って勝ったのですが、その試合が印象に残っています。
胸に響いた監督からの言葉
――甲子園中止の第一報を知った時はどういった感情でしたか?
率直な感想ですと「残念」という感じですね。なんとなく分かっていた気もするし、でも信じたくなかった、そう思いたくなかった自分もいたので、受け止めきれなかったですし、現実じゃないような感じがしました。認めたくなかったというか、正直になれなかったという思いでした。
――当時監督からのお話で印象に残っている言葉はありますか?
甲子園がなくなったという思いは自分たちにしか分からないことであって、監督コーチや他の先輩後輩が分かるような気持ちじゃないからそこは何も言えないけど、今までやってきたものは間違いなく今後の人生にも生きてくるし自分のためにもなるというお話がありました。そのお話を聞いたときはどこか胸にグッとくるものがありました。
両親の観戦や応援も力に変えて
――そんな中各地で代替大会の開催が発表され、栃木県では交流試合の開催が発表されましたが、発表を聞いたときはどんな心境でしたか?
栃木県は交流試合で決勝戦まではやらずにベスト8まで決めてそこで終わるということで、試合ができるという喜びもありましたが、最後までやり切って自分たちの代の中で1位はどこだったのかを決めたかったという悔しさというか残念な思いもありました。
――打倒作新学院というお話もありましたが、交流試合では別ブロックだったということで、そのことに関してはどのような思いがありましたか?
秋は先輩の代も自分たちの代も勝っていたものの、先輩の代は夏に作新学院に負けていて、夏に勝ちたかったという思いはありました。
――ブロック優勝まで合計3試合戦われたと思いますが、印象に残った試合はありましたか?
最後の矢板中央高校さんとの試合ですね。3試合の交流戦相手校で矢板中央さんが唯一の私立高校でした。チームの目標で「圧倒的に勝つ」という目標を決めていて、県立高校さんに勝つことはもちろんですが、私立の高校と最後にやれれば自分たちがどれだけの力を付けてきたのか分かる気がしました。
最後の試合に駆ける思いは全力でやるというものでしたし、自分だけでなくチーム全員がその試合に懸ける思いはより一層強かったと思います。
――そういった強い思いがあった中で、チームメイトと掛け合った言葉などはありましたか?
やっぱり大事な試合ですが、最後の試合で勝っても負けても終わりなので、ミスを恐れず今まで練習してきたものや自分の力を付けてきたものをパフォーマンスとして出せればというようなことを試合前に話して、試合に臨みました。
――佐藤さんは交流試合で優秀選手に選ばれましたが、個人成績を振り返るとどうでしたか?
大会で結果を残すということが高校野球全体を通してあまりできなかったので、お父さんお母さんが観に来ていた中で最後にいいところを見せることができました。結果として甲子園に連れていくということはできませんでしたが、県内で優秀選手を貰えるという結果を1つ残すことができたと思います。
――ご両親のお話がありましたが、交流試合などについてお話ししたことはありましたか?
兄弟3人いるので、3人のうち誰かが甲子園に行ければという思いがお父さんお母さんにもあったと思うのですが、そのチャンスが1つなくなってしまい残念だなという話をしましたし、最後に交流試合があるということで最後までやり切ろうという話もしました。交流試合については最後まで応援してくれると言ってくれて、自分としても甲子園がなくても最後までやり切ろうという思いが強くなりました。
進む道は違っても当時の仲間と楽しんで
――この「あの夏を取り戻せ」というプロジェクトについて聞いたときはどう思いましたか?
少し形は違いますがもう一度チャンスがあるということを知って、すぐチームメイトに「エントリーしてみるのはどうだ?」と連絡しました。
――当時のチームメイトの皆さんはこのプロジェクトの話を聞いてどういった反応でしたか?
すぐに返事も返ってきて、全員賛成してくれました。それぞれ予定や都合もあり来れる来れないはありましたが、もう一度チャンスがあるのなら全員で出たいという話になりました。
――このプロジェクトでの目標について教えてください
野球を今は続けていない人もいますし、もちろん今でも現役の人もいますし、色々と進む道や目標にしているものは違いますが、高校野球を3年間一緒にやった仲間ですし、一番は全員で楽しく皆で野球をやるというのが目標です。そして、その中で勝てればいいなと思います。
自分たちは思い出が作れなかったというのがあるので、それを取り戻せるよう皆で楽しもうということは話しました。
――最後に応援してくださってる方々へ意気込みをお願いします
今回こういうチャンスをもらったので、それぞれやっていることは違いますが全員で全力で楽しむということを1つ目標としてやっていきたいと思います。
頑張ります!
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