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「壮一を胴上げしよう」がチームの合言葉(高川学園高校OB 植村太陽インタビュー)

元気の良さと強さを感じて高川学園へ

――野球を始めたきっかけについて教えてください
 野球を始めたきっかけは、小学校3年生のときに仲が良かった友達が野球を始めて、その影響で自分も野球をやろうと思い地域の少年野球チームに入団しました。

――高校を選んだきっかけなどはありましたか?
 中学3年生のときに秋の大会を観に行ったのですが、その時に高川学園さんが元気よくやっていて、強いチームだと感じました。自分も甲子園を目指して高校野球をやりたいと思っていたので、高川学園への入学を決意しました。

部員数の多さが刺激に

――ここからは高校に入学してからのお話に移っていきたいと思います。甲子園を目標としていた当時の思いや、練習に対する姿勢を教えてください
 自分たちは8割くらいの部員が寮生活でした。県外から入学してきた人もいれば、高川学園中学校から内部進学してきた人、県内から進学してきた人など様々で、色々な人がいる中で切磋琢磨しながら頑張ってきました。部員数が多いので、学生コーチなどのメンバーを助ける存在に転向する人が出てくるんですが、「そういった仲間たちのためにも頑張ろう」というのが僕たちの合言葉でした。
 徳原壮一という子が学生コーチだったのですが、チームメイトと「壮一を胴上げするために皆で練習しよう」という思いをずっと語っていました。

――部員数が多かったとのお話がありましたが、どれくらいの部員数だったのですか?
 自分たちの代が30人程で、3学年全体で7,80人くらいの部員数だったと思います。

――そのように部員数が多い環境では、ライバルの存在も刺激になりましたか?
 そうですね。人数が多かったためAチーム、Bチームという制度があり入れ替えも多かったので、Aチームで試合に出るために頑張ろうとみんなが思っていたと思います。

――2019年、当時2年生だった頃に監督が交代されたと伺いましたが、そういったことで何か心境の変化などはありましたか?
 実は自分たちは監督が3回交代しているんです。2019年の12月に松本監督が就任したのですが、松本監督は寮生である自分たちと共に寮に住んでおられました。また1年生の時の授業でもお世話になり、優しい方という印象を抱いていました。監督に就任してからは、野球だけでなく私生活などでも色々と気付かれたことを指摘してくださったので、期待に応えようとみんなが頑張っていたと思います。

ーー松本監督は30代ということで高校野球の監督としては比較的お若い方だと思うのですが、コミュニケーションのとりやすさなどはありましたか?
 高川学園のスタッフ全体として若い方が多いので、コミュニケーションはとりやすかったです。また自分たちに任せてもらえることも多かったので、自分たちでミーティングをしてどうやったらチームが強くなるか、どうやったら寮生活がもっとよくなるかといったことを自分たちで考えさせてもらうことが増えました。そういった意味では、自主性などが身に付いたのではないかと思います。

ーー冬場に1日1000スイング行ったという話を伺ったのですが、何か冬場の練習で印象に残っているものはありますか?
 自分たちは外野も含めたグラウンドを1周する「1周走」というメニューがありました。勝ち抜け方式となっていて、10人くらいのグループで1周終わるごとにその時点での1位が抜けていくというシステムでした。何周目で力を入れるかなど戦略もあり、キツかったのですが冬でも頭を使うメニューが多かったなと思います。

ーー米を1日5,6合食べたというお話も伺いましたが、食事面で何かエピソードなどありますか?
 自分は寮長だったのですが、コロナが流行してから寮生はしっかりご飯を食べようということになりました。みんな本当に食べたがらないのですが、無理やり食べさせたり、みんなが食べるまで自分も練習に行けなかったので、そこも大変だったなと思います。

そして実現した徳原学生コーチの胴上げ

――甲子園中止の第一報を知った時はどういった感情でしたか?
 甲子園がなくなったと聞いたときに、自分たちは「何のために練習してきたんだ」と思う人が多かったです。そんな中でも、さっきお話した「学生コーチである壮一を胴上げしよう」という合言葉があったので、それはみんなが達成したいと思い頑張ってきました。

――監督とのお話で印象に残っている言葉などはありましたか?
 優勝した日のミーティングで「甲子園でやりたかったな」という言葉をかけられて、その言葉がとても印象に残っています。松本先生も「独自大会優勝しよう、優勝しよう」と言っていて結果として優勝したんですが、そこで終わりじゃなくて松本先生はどうにか僕たちを甲子園に連れていってあげられないかと考えてくださっていました。そのことが今でも印象に残っています。

――代替大会で優勝して実際に学生コーチの徳原さんを胴上げされたとのことですが、何か徳原さんとのやり取りで印象に残っていることはありますか?
 彼は常に自分のことではなくチームのことを考えて行動していました。自分はクラスが同じだったのですが、クラスの中でも休み時間は野球部で集まって「昨日の紅白戦はこれがよかったんじゃないか」とか「もっと練習でこうした方が上手くなるんじゃないか」といったことを話したりと、常に野球のことを考える環境を作ってくれました。そのことも独自大会優勝に繋がっているのではないかと思います。

どこまで勝ち進めるかチャレンジしたい

――この「あの夏を取り戻せ」というプロジェクトについて聞いたときはどう思いましたか?
 もしかしたら甲子園で試合ができるかもしれないと聞いて素直に嬉しかったですし、自分たちが甲子園で戦ったときにどのぐらいまで勝ち進めるのかも気になっていたので、そこもチャレンジしてみたいと思っています。とにかく、このプロジェクトが開催されることには、とても嬉しく思っています。

――このプロジェクトでの目標について教えてください
 自分たちは独自大会でも勝ちにこだわってきたので、このプロジェクトでは交流戦になるかトーナメントになるか分かりませんが、自分たちが出る試合は選手全員で団結して勝ちにこだわりたいと思います。

――最後に応援してくださってる方々へ意気込みをお願いします
 高川学園がこのプロジェクトをしっかり盛り上げていきたいと思います。
 頑張ります!


プロジェクト公式サイト:https://www.re2020.jp/
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