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夢をかなえる拳王〜待ちわびた1,588日について〜
はじめに
約4年4ヶ月。
日数にして、1,588日。
これは、拳王がGHCヘビー級王座再戴冠に要した期間である。
(2018.3.11〜2022.7.16)
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この期間を長いと見るかどうか…。
私は、それほど長さを感じなかった印象だ。
それはきっと、GHCヘビーから遠ざかっていた期間中に、拳王が積み上げたものが大きかったからだと思う。
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この間、GHCナショナル王座を2度戴冠。
どちらも、初防衛戦でGHCヘビー級王座とのダブルタイトルマッチを敢行し、歴史に残る名勝負を展開した。
(結果はどちらも60分フルタイムドロー。)
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2020年春の新型コロナウイルス蔓延後に強いられた無観客試合期間中は、『歩みを止めない』というNOAHのスタンスを見事に体現しただけでなく、新日本プロレスやDDTプロレスリングとの対抗戦でも先頭に立ってNOAHを牽引するなど、団体の顔としての役割を果たしてきた。
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そんな拳王が、予予口にし続けてきたワードがある。
『日本武道館』だ。
2017年の"日本武道館"宣言
拳王が日本武道館の存在を公言したと思われる瞬間は、2017年11月まで遡る。
『GLOBAL LEAGUE』優勝決定戦・『潮崎豪vs拳王』
当時、エディ・エドワーズの下に流出していたGHCヘビー級王座奪還に向け、次期挑戦者決定戦の意味合いも強かったシングルリーグ戦。
この年、ジュニアからヘビーに転向していた拳王は、リーグ戦初出場にして、優勝決定戦の舞台へと上り詰めていた。
対戦相手はGHCヘビー級王座を3度戴冠している潮崎だったが、ダイビングフットスタンプを突き刺した拳王が勝利し、リーグ戦制覇。
激闘直後のリング上で、拳王がコメントを残した。
「テメエらクソ野郎どもを武道館まで連れていってやるからな」
その後のGHCヘビー級王座奪取もあり、拳王の"日本武道館"発言は、NOAHにおける新たな変化を予感させた。
当時のNOAHは、団体最大規模のビッグマッチで言うと、年2回の横浜文化体育館が主体。
日本武道館はおろか、両国国技館やエディオンアリーナ大阪第1競技場といった規模のビッグマッチも考えられない状況だった。
それだけに、NOAHにとって長らく遠ざかっていた日本武道館というワードを、ハッキリ言葉にしてきた拳王の存在は、NOAHやファンにとって非常に頼もしく感じられた。
私も実際、日本武道館というワードを生で聞いた瞬間、鳥肌が立った様を昨日の事のように思い出せる。
挫折を経て…
しかし、拳王のGHCヘビー級王座時代は長く続かなかった。
2018年3月、横浜文化体育館で行われた防衛戦で杉浦貴に敗れ、防衛2回で王座陥落…。
その後、清宮海斗(2019年)、潮崎豪(2020年)、中嶋勝彦(2021年)と至宝に3度挑戦する機会が訪れるも、いずれもベルト奪取には至らず。
この間、NOAHの親会社もリデットエンターテインメント、サイバーエージェントと変わるに従い、NOAHのビッグマッチの回数も増加。
両国国技館やエディオンアリーナ大阪第1競技場で開催したNOAHは、2021年2月に日本武道館大会の開催を発表。
拳王が唱え続けた日本武道館帰還という悲願が、ようやく実現することになった。
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しかし、この時メインの舞台に立ったのは、潮崎豪と武藤敬司。
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2022年元日に行われた日本武道館大会でも、拳王はメインイベンターの座は掴めず…。
(両大会とも、セミファイナルでの出場)
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団体内での発言権は増していたものの、中々届かない最高峰への道と、日本武道館メイン。
その道が開かれたのは、2022年6月だった。
『サイバーファイトフェスティバル2022』のメインイベントで、小島聡(新日本プロレス)の下に流出したGHCヘビー級王座。
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至宝奪還に向けて真っ先に名乗りを上げた拳王は、かくして、最高峰奪還の舞台と日本武道館メインを掴むこととなった…。
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前哨戦から話題性を積み重ねていく先導力。
初防衛戦に名乗りを上げる積極性。
繰り出される、激しくも重い蹴りの数々。
GHCヘビー級王者時代から変わらずブレない信念は、vs小島戦にもハッキリと投影されていた。
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小島の全てを受け止めつつも、強烈な攻撃を浴びせる拳王の姿は、初防衛戦のチャレンジャーであることが俄かに信じ難い程であった。
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そして、遂に掴んだ勝利…!
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拳王が勝った瞬間、私は思わず拳を握り、「よしっ!」という言葉を口にしていた。
それは、日本武道館発言から約4年8ヶ月にもわたるストーリー第1章が、拳王のGHCヘビー級王座戴冠という最高の形で果たされた事への喜びでもあった。
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まとめ〜ようやく、時を動かすタイミングが来た〜
「俺はやっと日本武道館のメインに立った。だが、これで満足していないぞ。そして、プロレスリング・ノアも、今日の日本武道館の風景を見ると、まだまだ満足してはいけないだろ?」
「俺も、プロレスリング・ノアもまだまだ発展途上だ。おい、武道館のクソヤロー共、もっといい景色を、日本一の景色を、俺が見せてやるから。これからもなあ、プロレスリング・ノア、そして、俺から目を離すなよ。」
「プロレスは、長く見続けていると良い事がある。」
プロレスを好きでいると、そんな言葉を耳にする機会がある。
今回の拳王戴冠は正にそうで、幾星霜に積み重なった挫折が結実する、人間ドラマそのものだった。
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「俺がGHCヘビー級王者になって、『ノア=拳王』の時代を創ってやるよ」
拳王「俺がGHCヘビー級王者になって、『ノア=拳王』の時代を作ってやるよ!」
— レンブラント🍻🤼🎸🍴🍹 (@rembrandt_kbs) November 19, 2017
「てめえらクソヤローを…、武道館まで連れていってやるからな!」
いやあ、このマイクは痺れた!
感動です😭#noah_ghc pic.twitter.com/9cLkwAkgYu
2017年11月に発されるも、戴冠から僅か3ヶ月で終焉してしまった、1度目の拳王政権。
あれから1,588日後に巻いた、2度目のGHCヘビー級王座。
拳王は、NOAH或いは時代の中心に立てるのか…。
その行方が、今から楽しみでなりません!
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