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変態プロレス放談

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しがない変態プロレスファンが、プロレスを中心に気付いたこと・感じたことを徒然なるままに書いてみました。 ひとつよしなに…!🙇🙇🙇
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#見返したい名試合

"真ん中"と"横道"のジャンクション~2022.10.12『樋口和貞vs青木真也』~

はじめに 上述のやり取りは、2022年8月にDDTプロレスリングで行われた『樋口和貞vs遠藤哲哉』を前に、青木真也のインタビューで生まれたものである。 2022年6月、サイバーファイトフェスティバル2022で起きた、KO-D無差別級王者・遠藤哲哉の失神KO。 遠藤の返上により空位となった無差別級王座を、自らの手で掴み取った樋口和貞。 そんな一連の流れに対して、フリー参戦中の立場から青木がコメントしたのが、冒頭のインタビューである。 質問にある「俺たちのDDTを見せよう

"声援"という名のラストピース~2022.10.9『中島翔子vs坂崎ユカ』~

はじめに私は、「声援無しでもプロレスは面白いし、楽しい」と思っているタイプだ。 私自身、元々積極的に声出ししながら試合を見る人では無かったので、2022年頃より各団体で声出し応援が再開され始めた辺りから出てきた、「声援が無いと面白くない」という価値観を強調してくる風潮に対し、どこか違和感を拭えずにいた。 きっと、そうした風潮への反発に似た気持ちも、上述した理由に含まれているのかもしれない。 そんな私が、素直に「声援があったからこそ、素晴らしい試合になった」と感じられた試合

高速的八分間~2022.9.24『AZM vs葉月vsフキゲンです★』~

はじめにスターダムで毎年恒例のリーグ戦・『5☆STAR GP』 7月末から始まり、10.1に最終戦を迎える長いリーグ戦の期間中には、公式戦と並行してタイトルマッチも幾つか組まれた。 (スターダムでは、こうした事が結構ある印象だ) そのうちの1つが、ハイスピード王座戦だ。 現在、ハイスピード王座を保持しているのはAZM。 フキゲンです★、葉月の両選手が挑戦する3WAYマッチは、リーグ戦最終盤の9.24ベルサール高田馬場大会で実現した。 この日の公式戦では『上谷沙弥vs

"看板持ち"が"狙われる男"になった日~2022.9.4 『河上隆一&KAZMA SAKAMOTO vs 田村ハヤト&チェック島谷』~

2022.9.4、梅田ステラホールにてGLEATの興行が行われた。 この日の大阪は、日中に大日本プロレス、アイスリボン、道頓堀プロレスなどが被る大興行戦争だったのだが、GLEATは満員御礼。 新型コロナウイルスの影響で欠場者は出たものの、全6試合が大満足の内容であった。 そんなこの日のメインカードで組まれたのが、G-INFINITY王座戦。 今年8月に初代王者チームが決まったばかりの新設タッグ王座。 その初防衛戦は、GLEATのユニット・『バルクオーケストラ』による

年齢は、ただの数字である~2022.8.11『杉浦貴vs小島聡』~

はじめに2022.8.11より開幕した、プロレスリング・ノアのシングルリーグ戦『N-1 VICTORY』。 約1ヶ月間にわたり、列島各地で激闘が展開されるリーグ戦の開幕戦で、個人的に興味深いカードが組まれた。 そのカードとは、セミファイナルで行われた『杉浦貴vs小島聡』。 2015年以来、7年振りに実現した一騎打ちであるが、1970年生まれの2人は今年で52歳。 シビアな言い方かもしれないが、この手のシングルリーグでは、ベテラン選手ほど出場機会が減っていく傾向にある。

武器はたゆまぬK.U.F.U.~2022.8.5『稲村愛輝vs岡田欣也』~

はじめにこれは、RHYMESTERの『K.U.F.U.』という曲の最後に登場する一節である。 私は、工夫する大切さを歌うこの曲の事が大好きなのだが、実は、上記の一節は歌詞カードに載っていない。 それでも、宇多丸が放つフレーズの説得力が、私の脳裏に焼き付いて離れないのである。 最近、この曲の一節を、ふと思い浮かぶようなシチュエーションに出くわした。 2022.8.5にプロレスリング・ノアで行われた、『稲村愛輝vs岡田欣也』である。 2018年デビューの同期同士によるシング

他人の人生観を変えてしまう情念について~2022.6.28『中野たむvsなつぽい』~

はじめに 私はプロレスを観るようになってから、何度となく、記憶に残る素晴らしい試合に出会ってきた。 ただ単に"素晴らしい"といっても、どちらが勝つか分からないハラハラ感だったり、ドラマチックな展開だったり、会場の盛り上がりの凄まじさだったり、その内容は様々だ。 最近、運が良い事に、私はまた一つ素晴らしい試合に出会う事が出来た。 ただ、その試合は、今までに体験した事のないような、迫りくるものを感じ取れたのだ…。 それは、人の人生観すらも変えてしまうような、情念の塊…。