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放送大学大学院博士後期課程:1期生の立場から

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放送大学大学医博士後期課程は、2014年10月に1期生が入学しました.募集定員10人、受験者260人、合格者12人。3年後の学位取得者4人。私はそのなかの1人でした。放送大学博士… もっと読む
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放送大学大学院博士後期課程:1期生の立場から(最終回)真理への愛と世界美化の実践

放送大学大学院で一から学び直そうと考えたきっかけが、2011年3月11日の東日本大震災と東京電…

神谷光信
5年前
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放送大学大学院博士後期課程:1期生の立場から(17)組み込まれた体制の周縁部を生き…

中心と周縁という分析概念は、文化人類学者の山口昌男さんが広めたものです。排除されるものと…

神谷光信
5年前
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放送大学大学院博士後期課程:1期生の立場から(16)時間管理の方法など

社会人が大学院博士課程で学ぶことは、短からぬ人生の旅路に組み込まれた数年間なので、我々の…

神谷光信
5年前
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放送大学大学院博士後期課程:1期生の立場から(15)修士論文の公刊

前回は、博士論文を、関西学院大学出版会から公刊したことについて書きました。今回は、修士論…

神谷光信
5年前
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放送大学博士後期課程:1期生の立場から(14)口頭試問と博士論文の公刊

私の博士学位請求論文「ポストコロニアル的視座より見た遠藤周作文学の研究:村松剛、辻邦生と…

神谷光信
5年前
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放送大学大学院博士後期課程:1期生の立場から(13)メンターについて

今回は、社会に出てからの私のメンター、わかりやすくいえば、理想の兄のような存在だった方々…

神谷光信
5年前
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放送大学大学院博士後期課程:1期生の立場から(12)キリスト教と文化研究所

人生には「仕事」と「愛」が必要だと、精神科医のフロイトがどこかで書いていました。これは、若い人であったら、恋人と勉強(勤労)と言い換えることができるかもしれません。家庭と会社という人もいるでしょう。私の場合は、仕事場としての学校と、妻子のいる家庭でした。ささやかな自分の人生をふりかえるとき、フロイトのこの言葉は真理だと思います。 しかし、私には、家庭と職場のほかに、第三の場所が人生には必要であるという気がします。人生という大がかりな建造物は、やはり2本脚よりも3本脚の方が安

放送大学大学院博士後期課程:1期生の立場から(11)県立高等学校の再編統合

文化庁長官官房総務課文化政策室に1年いて、その後の2年間は、神奈川県教育委員会に勤務しま…

神谷光信
5年前
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放送大学大学院博士後期課程:1期生の立場から(10)文化庁長官官房文化政策室

ここで少し、本務である高等学校教師としての経歴と、そのかたわら細々と続けていた文筆活動に…

神谷光信
5年前
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放送大学大学院博士後期課程:1期生の立場から(9)国際日本文化研究センター特別共…

京都にある国際日本文化研究センターに、特別共同利用研究員という制度があることを、あるとき…

神谷光信
5年前
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放送大学大学院博士後期課程:1期生の立場から(8)生涯学習開発財団による助成

放送大学大学院博士後期課程は、3年間の学費が約140万円です。国立大学ならば、約190万円です…

神谷光信
5年前
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放送大学大学院博士後期課程:1期生の立場から(7)芸術学と政治学

博士後期課程に入学して、修士課程のときの指導教授に引き続き指導を仰ぐことになりました。放…

神谷光信
5年前
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放送大学大学院博士後期課程:1期生の立場から(6)博士後期課程の学生受け入れ開始

修士課程を修了したのが2014年3月ですが、2014年度から博士後期課程が開学し、10月から学生受…

神谷光信
5年前
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放送大学大学院博士後期課程:1期生の立場から(5)修士論文と国際日本文学研究集会での発表

修士課程の1年目はさまざまな書籍を読みました。学会に入り直すことで、日本文学研究の現在に関する知識を得ることができましたが、私がショックを受けたのは、私が学校の仕事に忙殺されていた間に、国文学研究の手法が大きく多様化していたことです。浦島太郎になった気がしました。 私は、文学研究科で近現代文学を専攻している教授の指導を受けたわけではありません。美学芸術学の教授から指導を受けたのです。指導教授は東京大学で今道友信教授から指導を受けた方ですが、私は今道教授の『美について』『愛に