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母親という一人の人間について

「母」という存在は、どの形であっても特殊で身近なものだと考える。

ネグレクト、虐待、執着、嫁姑問題に夫の不倫…。

周囲に振り回され振り回し、家の中ではある意味傍若無人とさえ思える態度をとることもまま、ある。
それでもどの人にとっても「母」は特別な存在といえる。

「母」の立ち位置の一人の人間に焦点を当てた短編の小説がぎっしり詰まった一冊。病院の待ち時間や電車の中でも気軽に読みやすい。

が、
父親にはない、じっとりとした薄暗い独特の雰囲気がどの話であっても絡みつくのは、母親が女性だというのをまざまざと感じさせると思う。

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