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営業DXを踏まえた事業戦略策定のポイント①検討すべき項目と部門間連携の重要性

グローバルインサイトの水嶋です。普段は営業やインサイドセールスのコンサルティングや研修等を行っています。

近年、営業DX(デジタルトランスフォーメーション)が、現代のビジネス環境において重要な取り組みになってきています。営業活動をデジタル化し、効率化や顧客体験の向上を目指すことで、企業の競争力を高める重要性が増しているとも言えるでしょう。

しかし、営業DXの成否は単にデジタル技術の導入やツール選びだけでは決まりません。むしろ、それらを適切に活用できる事業戦略が成功の鍵となります。

本記事では、営業DXを成功に導くための事業戦略に焦点を当て、その策定方法や重要なポイントを解説していきます。

事業戦略策定で検討すべき項目

本記事で言う「事業戦略」は、「ある事業の業績を向上させるための方策や社内外で利用できる資源の配分をまとめたもの」を指します。

まず、営業デジタルシフトの実施状況に関わらず、一般に事業戦略には次の内容が挙げられます。

〈事業戦略の主な項目〉
● ミッション
● 事業を通じて顧客へ提供する価値
● 事業の目的
● 売上、粗利益、事業損益、マーケットシェアなどの事業達成目標数値の
年度別推移
● STP(セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニング)
分析
● SWOTなどの自社分析
● 製品・サービスの開発、製造にかかわる資源配分
● 製品・サービス開発、製造、デリバリー計画(物の場合は流通計画)
● 事業にかかわる複数の組織の年度別人員構成

これらに加えて、本記事で述べる営業DXに対応した事業戦略には営業計画とマーケティング計画も含まれます。

〈営業計画の主な項目〉
販売店モデルの場合
● 販社計画
● 販社ごとのリベート施策と担当配置
● 目標値
直販モデルの場合
● 人員計画と各担当
● 部署の目標値
モデル共通
● インサイドセールスとフィールドセールスの役割ごとの、人員計画、ゴール、KPI
〈マーケティング計画〉
● マーケティング投資計画
●ブランド、製品、サービス認知施策
●デマンドジェネレーション施策の設定
  □リードジェネレーション
  □リードナーチャリング
  □リードクオリフィケーション

部門間連携の重要性

これらの項目を検討する際に重要なのは営業やマーケティングなどといった部門間の連携です。

ではなぜそれが重要なのでしょうか。

まず、連携を伴わない個別の戦略は、部分最適化された目標や戦略になりやすく、全体視点が欠けやすいことが挙げられます。

よく見られるのは、営業部門がマーケティング活動と無関係に独立した目標を設定するケース。しかし顧客が自ら情報収集する現代では、この方法では売上が伸び悩み、営業の業績への貢献度も低下します。

また、マーケティングがリード数等を目標設定する際に、自部門の視点だけで検討すると、リードの質を求めるインサイドセールスやフィールドセールスとの間に利害のズレが生じるケースもよくあります。

特に日本では営業が主体の企業が多く、マーケティングは従属的な立場になりがちですが、営業DXを進める際には、それぞれの業務を理解し、対等な関係で活動を行うことが求められます。

営業DXの推進においては、戦略策定の段階から部門間の連携を目指すことが重要です。関連部門が共同で事業戦略を策定することで、部門間の連携が実現し、事業全体の目標から各部門の実行計画まで一貫性が保たれます。

以上を踏まえると、戦略策定チームには各部門から人が参加するのが望ましいでしょう。営業企画や営業部門、インサイドセールス部門、マーケティング部門の責任者、また事業によっては製品開発部門の責任者も参加すべきケースも考えられます。

本記事では営業DXを踏まえた事業戦略策定において検討すべき項目と、部門間連携の重要性について述べました。次回の記事では具体的な検討ステップについて考えていきたいと思います。

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