【新書】金融排除
こんにちは、ヤモリです。
今回は『金融排除』という新書について書きます。
2年くらい前に、会社の上司に勧められて買いました。
端的に言うと、沢山のプロジェクトXが一冊に詰まっている感じです。
内容がとても濃いし、著者や登場する人たちの情熱を感じます。
誤解を恐れず大雑把に言うと、金融排除とは、本当にお金が必要な中小企業が、金融機関からお金を借りることができない状態を指します。
たとえ借りられても返済が難しくなり、金融機関が顧客を見捨てれば、これも金融排除です。
これまでの金融機関は、担保と保証があって格付が良い顧客しか相手にしていませんでした。
そんな優良顧客の数は少ないので、多数の金融機関がそれを取り合う状態になってしまいます。
金融機関は貸し出す先が無いと言い、中小企業は金融機関が貸してくれないという、そんな状態です。
金融機関とひと口に言っても、メガバンク、地銀、信用金庫、信用組合と沢山あります。
メガバンクですら厳しい状況で、金融機関はどのようにして生き残るのか、そして社会的役割をどのように果たすのかについて、色々なケースが紹介されています。
最初に『奇跡のリンゴ』という本の著者の木村秋則さんという方が紹介されています。
木村さんが銀行について言った言葉があります。
「農薬ってのはよ、銀行にとっての担保や保証だよね。なぜかと言えばよ、農家は農薬があれば、農作物のこと、土のことを深く考えなくなるからだよ。担保や保証に頼りすぎるから、銀行は事業者のことが分からなくなるんだよ。そして農薬が農作物、農家、そして農業そのものを弱くするのさ。担保や保証が、事業者、銀行、そして金融を弱くするんだよ。農業も銀行もおんなじだよ。」
金融機関は、ただ担保や保証でお金を貸すのではなく、事業そのものを評価し、その未来に投資して、融資後も寄り添っていく。
こんな話が沢山出てきます。
生活や人生をかけてビジネスをしている人たちと、その熱意を信じて支える人たち。
久しぶりにこの本を手に取ったら、端が折れているページにこんな言葉が書いてありました。
「雨の日に傘が差せる地域金融機関になりたい」
悩める日の方が多いですが、私は仕事が好きです。
この本を読んで、情熱をもって仕事をしたいと心から思いました。
(私がnoteに書くことは、本当に好きなものだけです。今のところ(笑)。なんと、二宮金次郎の素顔も分かります。だから、この本もぜひ手に取ってみて下さい。)
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