【だから僕たちは、組織を変えていける】本当に「変えたい」のは組織なのか、自分自身なのか?。そもそも「変えたい」という思いに気がついているだろうか。


「だから僕たちは、組織を変えていける」(斉藤徹・著)は、 現代において、どのような「組織」が求められているか。また、組織を引っ張っていくリーダーは、どのようなことを重視していけばいいのか。 などをまとめた1冊だ。

過去の研究などで示された概念やキーワードの紹介が多いので、 この本にざっと目を通して、気になったキーワードを拾っておき、 次に、そのキーワードについて書かれた本を読みこんでいくのがよさそうだ。 組織やリーダーの在り方について学びたい人のためのガイド本、入門書として位置づけられるかもしれない。

私が、この本の中で一番、興味を持ったのは、組織に所属する人の「関係」について書かれた章だ。
特に、成功は、組織に所属する「メンバー」ではなく、「場の状態」で決まる という項で記載されている「心理的安全性」は、今、とても注目されているキーワードの一つだと思う。他の人の評価を気にすることなく、自分の意見や考えを言えるような(心理的に安全だと思える)場を つくれているかどうかが、組織の生産性に影響を与えるといわれている。

しかし、上司・部下、先輩・後輩、男性・女性などの関係性がある中で、 その関係性を取っ払って、モノを言える場をどう創れるのか。 心理的安全性がある場が創れたらいいなとは思うけれど、 現実的にはなかなか難しいだろうと思いながら読んだ。

個人的には、 「他人」と「組織」は変えるのは難しいと思っている。
変えることができるのは、 自分自身が「他人」や「組織」をどう位置付けるかだろう。
そして、理想的な場・関係性を創るために、 まず、自分ができることは何なのかを考え、 日々の振舞いを変えていくことだと思う。

「組織」という大きな枠組みで捉えると、「どうせ、私が何を言っても変わらない」と不満に思うことが多いかもしれない。
ただ、本当に嫌なのは、「何も言っても変わらない」という言葉を言い訳にして、 何もしないで諦めている自分自身かもしれない。
「何か変わるかもしれない」という希望を抱くことができ、 小さなことでも取り組み続けることができるなら、 職場にいるのが苦痛ではないだろうし、個人のモチベーションは高まっているだろう。その時点で個人の生産性は高まっている。

本当に変えたいのは、組織ではなく、自分自身なのかもしれない。

https://amzn.to/3K0mwnr


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?