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御伽の森 ②




―――あの少年を助けなさい



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プロローグ
神隠し ―――今回はここ
憂鬱退屈夢うつつ
北極星を見つける旅へ

御伽の森Ⅰ
御伽の森Ⅱ
御伽の森Ⅲ
御伽の森Ⅳ
エピローグ

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『神隠し』


「歪んだ心の隙間に、神が入ってくる」


 ある青年が忽然と姿を消した。彼は自身が長年追いかけてきた夢を諦めて、路頭に迷っていた。

  しかし、自ら命を絶つような人間ではない。

 彼の母や近所の住民がその夜必死に探し回ったが、彼が見つかることはなかった。ただ、彼の所有物が近所の神社の中で見つかったのみだ。

  太古昔から人々は突然子供や村の住人などがいなくなる怪奇現象を経験し、それを神や天狗の仕業だと言って恐れた。

  神隠しに合うのは子供のことが多いが、妊娠中の女性や病弱な人など精神的に不安定な人がよく失踪してはふらっと戻ってくることが多いという。

  そして大抵の場合、失踪していた2,3日の記憶は曖昧で自分が何をしていたのか、どこへ行っていたのかさえも覚えていないことがほとんどだ。

  彼らはどこへ行っていたのだろうか。

  果たして、失踪していた間に起きていた出来事は何だったのだろうか。

  不思議な出来事だ。2,3日失踪していたのにその間の記憶が全くないなんて。

  これが神隠しだとしたら、この間に何が起きていたのだろうか。一体何の目的で、誰が人をさらってこの世界へ帰してきたのだろうか。

  追い詰められた人達が、ふらっと消えてふらっと帰ってくる。この期間に起きていた出来事を覚えている人は、誰一人としていない。

  まるで追い詰められた人達の心の歪みを神が感知して、その人達をさらって何かしていたみたいだ。

  神隠しの正体は、いったい何なのだろうか。
  そしてその青年は、どこへ行ったのだろうか。





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