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承認欲求を否定する

承認欲求を否定する。
アドラー心理学でお馴染みの著書『嫌われる勇気』に書いてある言葉です。なかなか強烈です。

誰かから承認されることは嬉しいことだけど、承認されることが目的になってしまうと、他者の人生を生きることになってしまうというわけです。

誰かからの承認を求めてしまうのは、多くの場合、賞罰教育の影響なのだそうです。適切な行動をしたら褒めてもらえ、不適切な行動をしたら罰せられる。

一見正しい行動のように思えますが、その先にあるのは、褒めてくれる人がいなければ適切な行動はしない、罰する人がいなければ不適切な行動もとるという、生き方なんだとか。目的が適切な行動をすることではなく、褒められることになってしまうからです。

おもしろいのは、他者から承認されるのは嬉しいことと認めているところです。嬉しいけど承認を求めてはいけないと言っているんですね。

承認欲求を満たすこと、誰かに褒められることが目的になってしまうと、他者の視線が気になり、他者からどう見られているのかが気になってしまいます。

僕たちは誰かの期待を満たすために生きているわけではないし、他者もまた、あなたの期待を満たすために生きているわけではないということです。

では、どうしたらいいのか?

ここで出てくるのが「課題の分離」です。課題の分離というのは、「これは誰の課題なのか?」という視点で考え、自分の課題と相手の課題を分離するという考え方です。

そして、相手の課題には踏み込まず、自分の課題には踏み込ませないようにします。あらゆる人間関係のトラブルは課題の分離ができていないことによって引き起こされるのだそうです。

誰かから承認されるのは嬉しいというのは自分の課題だけど、相手が承認してくれるかどうかは相手の課題というわけです。承認欲求を求めるというのは、相手の課題に踏み込んだことになるんです。

自分を変えることができるのは、自分しかいないというのも、課題の分離がベースになっています。結局のところ、他人は変えられません。他人を変えようとするのも、課題の分離ができていないために起こることです。

それでも他人にどう思われるかが気になるのが人間ってものかもしれません。だからこそ「自由とは、他者から嫌われることである」という結論になり、『嫌われる勇気』というタイトルにつながってくるんですね。



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