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大相撲の観客層があまりにも多様性に富んでいるのはなぜか?

大相撲観戦で両国国技館を訪れましたが、観客数の上限が緩和されたこともあり、昨年に比べるとだいぶ賑わいを取り戻してきました。

私が両国国技館に行くようになったのは一昨年の11月からですが、現地で観戦するたびに感じるのが観客層があまりにも多様性に富んでいるということです。

大相撲というとシニアが多いというイメージはあるものの、実際は若い女性のグループも目立ち、幅広い年齢層のお客さんが国技館に居ます。
また、今場所は入国制限が緩和された影響か外国人(欧米人)の方も数多く見かけました。

観客の属性も実に多様です。

  • 子連れファミリー

  • 夫婦

  • 若いカップル

  • グループ

  • 力士の地元の人たち

  • 怪しい関係の男女?

  • お一人様

  • 芸能人(高○クリニックの院長さまはよくいらっしゃいます)

  • 政治家

  • お金持ち(国技館の外によく高級車が並んでいます)

これだけなら別に珍しくもないような気もしますが、大相撲ならではの特徴が観客の中には相撲に興味がない客も相当数いるということです。

例えばプロ野球やJリーグなら観客は属性は別々でも「野球好き」か「サッカー好き」という共通点があり、ほとんどが贔屓のチームを熱心に応援していますが、大相撲の場合は相撲そっちのけで盛り上がっているグループが居たり、何が何だかよくわからないままとりあえず見ているような人もいます。

野球やサッカーは基本的に試合の開始前に球場にやってきて試合終了まで見ていきますが、大相撲の場合は何時に来て何時に帰るかも人によって異なります。(朝8時30分から入場でき、午後6時に終了です)

朝9時の序ノ口の取り組みから見る相撲マニアもいれば、終了30分前に来るような人もいます。15時ぐらいに来て終了まで居る人が多いのですが、中には肝心な大関横綱の取組を見ないで帰る人もいます。

そんな感じで「大相撲の観客層の特徴を挙げろ」と言われても共通点が無さ過ぎて何もありません。

なぜこんなに多様性に富んでいるのかは謎ですが、私の仮説は「新参者、初心者、にわかファン大歓迎」の姿勢を貫いたことだと考えています。

国技館に行くと入口で観戦案内のパンフレットをもらうのですが、これが完全に「大相撲を全く知らない人」向けに書かれています。

国技館内のアナウンスも「初めて来場した人」に伝えるような調子なので、相撲に全く知らない人でもそんなに困りません。

相撲を楽しめるかどうかは人それぞれではありますが、少なくとも初心者や相撲に興味がない人が「疎外感」を感じないようにはなっているので、友人や会社の付き合いで観戦に来た人も嫌な思いはしません。

そのうえで相撲に興味を持ってくれればOKで、「興味が持てなくても別に気にしませんよ」というのが一貫したスタンスなので、長い歴史の中で新しいファン層を開拓し続けることができるのではないかと思います。

そんなわけでちょっと強引なこじつけかもしれませんが、多様性に富んだ組織を作ろうと思ったら古参メンバーを後回しにしてでも新参者歓迎の姿勢を打ち出すのが良いかもしれません。

やはり新参者(にわかファン)にとって一番の壁は「古参メンバーに気を遣うこと(熱心なファンに配慮すること)」なので、そこを取り払うことが組織が生き残るコツだと思います。

まあ大相撲そのものが持つ魅力が一番の要因のような気もしますが…

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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