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同調圧力は「他人と同調したい人」にしか効きません

今日も報道番組で「いつになったらマスクを外せるのか」の特集をやっていました。

番組では「日本はそもそもマスク着用の義務はない」とはっきり伝えたうえで、現実は同調圧力によって屋外でもほぼ100%の人がマスクを着用していると言っていましたが、ここで一つ気になることがあります。

それは意地でもマスクをしたくない人に対しても同調圧力は効くのかという疑問です。

例えば外国から観光客を迎え入れることがそろそろ可能になりますが、マスクをしない国からやってきた人は「日本にはマスク着用義務がない」と聞けば絶対にマスクをしないと思います。

仮に周囲の人がみんなで睨みつけて同調圧力をかけようとしてもおそらく相手は「別に違法じゃないでしょ?」でスルーされて終わりです。

これは外国人でなくても同じことが言えます。

国内在住の日本人でも「絶対にマスクしたくない」と考えている人は一定数居ます。中には人目が気になるから仕方なくマスクするという人もいますが、「他人の目など知ったことじゃない」という猛者は周囲がどんな態度を取ってもガン無視して自分の道を貫きます。
(もし他人が物理的な力でマスク着用を強要したらそっちが捕まります)

そういうわけで、もし同調圧力を使って他人の行動を変えようと思った場合、少なくとも相手が以下のような人である必要があると言えます。

  • 他人と違うことをしたくない

  • 他人と違うことをしている自分に罪悪感を感じる

  • 他人と違うことをする人が許せない

逆に、他人と同じことをしたくない、他人を違うことをしている自分が大好き、みんな違うことをして何が悪い、という人には同調圧力は全く効きません。

他人の目などそもそも眼中にないので、おそらく「圧力」すら感じてくれないと思います。

人を指導する場面で「みんながやっているから、あなたもやりなさい」「何でみんながやっているのに、あなたはやらないのか?」という言い方で相手の行動を直そうとすることがありますが、これはまさしく相手に同調圧力をかけているやり方です。

しかし、このやり方は相手が「他人と同調したい」と思っている人でない限りうまくいきません。

もし「みんなが~」を連呼しても全く響かない場合、相手は「他人は他人、自分は自分」という人かもしれません。そのような相手に対しては同調圧力ではなく全く別のやり方を取る必要があります。

有名なエスニックジョークの一つに、沈みかかっている船で乗客を海に飛び込ませたいときに国民性によって言い方を変えるというのがあります。

  • ドイツ人には「ルールだから飛び込んでください」

  • アメリカ人には「飛び込んだらヒーローになれます」

  • フランス人には「飛び込まないでください」

  • 日本人には「みんな飛び込みましたよ」

という具合に日本人は同調圧力に弱いことを揶揄したものですが、実際に人を動かそうと思ったら相手が何人であろうと、考えられる方法を全種類試すしかありません。

「みんなが~」と言ってきかなければ「これはルールです」と言い換え、それでもダメなら「やると良いことがあるよ」という感じでどんどん言い方を変えていきます。

たまたま日本では「他人と同調したい人」の割合が未だに高いのでつい同調圧力は万人に効くと錯覚してしまいますが、今後そのような人は減っていくことが予想されるので、人を動かそうと思ったらバリエーションを増やす必要があると思います。

結局のところ、何が効くかは言ってみないと分からないので・・・

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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