自分たちが思っているほど、お客さまはお店の「汚れ」を気にしていなかった
今日外出先で通りかかったマクドナルドで昼食を取ったのですが、お店の「汚れ」がちょっと気になりました。
私がマクドナルドを辞めてからもうすぐ20年経ちますが、いまでも当時のクセでお店に入るとつい細かいところに目が行ってしまいます。
一例を挙げるとこんな感じです。
自動ドアのレールの溝のゴミ
階段の立ち上がり部分の黒ずみ
椅子やテーブルを支える金属の支柱の汚れ
エアコンの吹き出し口付近の汚れ
客席の隅っこに溜まった塵や埃…などなど
他にも何十項目もチェックポイントはあるのですが、とりあえずどこかが汚れていると嫌でも目に入ってきます。(職業病かもしれません)
そして今日入ったお店もそうですが、他の店も汚れているところが目立ち、全体的に前よりも汚くなった印象を受けました。
言葉を選ばずに言えば、お店の清掃レベルは中国のマクドナルドと同レベルになったと思います。
ただこれが悪いことか?問われると個人的にはちょっと違う見方をしています。
というのも、私がマクドナルドで働いていたころは上司からお店の清掃レベルを厳しくチェックされるので、営業中も閉店後も清掃作業にかなりの労力を注ぎましたが、当然清掃作業にかかるコストは「タダ」ではありません。
営業中はたくさんのお客様が来店されますので放っておくとどんどん汚れていきますが、こまめに清掃しようとするとその分スタッフを多く配置する必要があります。また、閉店後の清掃作業も細かいところまでやろうとするとその分の夜勤スタッフを投入する必要があります。
当時を思い出すと私もよく徹夜で清掃作業をしたことがありますが、逆に言えばそれぐらいのことをしないとお店を清潔な状態に保てません。
ではそこまでする必要が果たして本当にあったのか?
もちろんお店の隅から隅までピカピカになっているのは良いことですが、マクドナルドに来店されるお客様がそこまでの清掃レベルを求めていたのかどうか考えると疑問が残ります。
実際に私が「マクドナルドのお店の清掃レベルが中国並みになった」と感じているにも関わらず、マクドナルドの業績は伸びています。
もし清掃レベルがお客様の期待を下回るものであれば客足は遠のくはずですが、実際はそうなっていないところを見るとお客様は自分たちが思っていたほどお店の「汚れ」を気にしていなかったのかもしれません。
今思えば当時徹夜で懸命に清掃作業を行ったのは翌日に会社の偉い人が視察に来るのに備えるためであり、本当の意味でお客様のためではありませんでした。
もしかしたら今のマクドナルドはそういう「上を見て内向きに仕事する」文化が無くなり、お客様が本当に求めているものに注力するようになったのが業績好調の秘訣のような気がします。
たぶん今日も私が気にしているような「汚れ」を他のお客様は全然気にしていなかったことでしょう。
もちろんピカピカのお店は快適ですが、そういうお店に行きたい人はもっと
高いお金を払ってマクドナルドではないところに行くので、マクドナルドとしては今ぐらいの清掃レベルでも問題ないということかもしれません。
ここまでの話はあくまで私の勝手な推測に過ぎませんが、内向きの視点で問題と思ったことが外から見ると問題ではなく、その逆もあることを改めて感じた次第です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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