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仕事を辞められないので誰にも言わず退職届を本社に送りつけた


前の職場の人が見ているであろうnoteでこんなこと書くのは正直気がひけるし、でも私の過去だからここに残したい。気分を悪くしたらごめんなさい。


私からすると営業として入社した会社は「とんでもない」ところだった。我慢ができなかった私は周りから「とんでもない」と言われる辞め方をしてきた。


正しくはない。キレイでもない。私はヤバイやつだ。それだけは間違いない。でも、自分の気持ちは明らかに晴れたので私目線での話を聞いてほしい。

4500文字になっちゃいました。どうぞ。


人の感情が気になる

いつからか、私は人の気持ちを気にしながら生きていた。目の前の人がどんな感情なのかアンテナを無意識に張っていたような気がする。


声をかけた時の反応で違和感を感じれば気になってしまうし、できれば周りの人には健やかな精神状態でいてほしいと思っている。そしてもちろん私自身もそうでありたい。



どんな職場?



私が元いた職場は朝は拠点長の朝礼で始まる。

100何十人って人が集まるだけで正直気が滅入るんだけど、そこにいる人たちは口を開けば会社の愚痴が勝手に出てきてしまうような、それが自然なコミュニケーションだった。


そんな雰囲気なので拠点長の話なんて興味はなくみんな下を向いて話を聞いていた。拠点長は社員の不満の標的だ。いい大人たちがあからさまな態度を示すのは非常に気まずく感じていた。


けど、この拠点長もちょっとクセ強(くせつよ)だった。大企業で生きてきたからか、個人の気持ちなんて無かったことにしてしまうのだ。


辞めたい、という先輩たちが何人もいた。けれど上司に言うと止められ、結局辞められなくてキツイなんて話を聞いたのは一度や二度ではない。


「辞めたくなったらやめればいいよ、お試しで働いてみたらいいからさぁ!」と誘ってくれた先輩が入社後に「辞めれないんだよねこの会社…。私も騙されて働いちゃったの…泣」と手のひらをヒョイっと返してきたときのことは忘れられない。


辞められないし仕事を楽しんでる人なんてごく一部しかいない。


ちなみに仕事を楽しんでる人は基本的に新人とは関わらないので新人の周りの空気は重かった。


営業の仕事だったんだけど、成績が取れないことよりも社内の人間関係の方がよっぽどしんどかった。私からすると空気が明らかに悪かった。


誰でも働けます!がウリの会社だった。騙されてはいけない。誰でも働けるとは、何も考えずに話してもいいと認識する人が出てくる。


人は何も考えずに話すとネガティブなことが多くなってしまう。同じことを何度も言っていることに気付かない。「同じことを言うのは自分だけじゃない」感覚が思考を麻痺させてしまうのかもしれない。


最初はアパレル、次の事務はIT関連会社のおしゃれな空気漂うオフィスで働いていた。そんな私が昭和の会社へタイムスリップしてしまったようだった。わお。


とにかく染まりたくなかった。「1年経ったら絶対やめよう」と心に決めた。


しかし辞められない、で有名なのだ。"辞め待ち"という言葉が生まれるほどに。月に辞める人数は限られていて、拠点長の承認が必要だった。


あるとき先輩が体調が悪くなってきたから仕事を辞めたい、と上司に申し出た。


上司は「体調悪かったら無理しなくていいから!」と彼女を引き止めた。彼女の気持ちは"辞めたい"から変わらなかった。


何度上司を突いても退職日が決まらない。引き継ぎのあるような仕事でも、最低限人数が必要な仕事でもない。チームでもない。基本は個人プレーだ。


次第に上司は機嫌を悪く返事をするようになる。「今その話やめてくれる?聞きたくないんだけど…」と圧をかけていた。先輩とは言えど20代前半のぴちぴちギャルだ。


困った先輩は周りに相談するが答えが出ない。拠点長に直接言えばいいのかと思えばそうではない。上司から伝えてもらう必要があるらしかった。上司が許さなかった。


この月に辞めたいです、と伝えて数ヶ月後にようやく仕事を辞めることができた。その頃にはぴちぴちギャルだった彼女は元気をなくしていた。


"辞めたら元気になれる"なんてジンクスがあったんだけど、先輩も辞めたら本当に元気になっていたので異常な空気を感じ取ってもらいたい。



私、辞めます

そんなこんなで私も待ちに待った1年がもうすぐ目の前だった。


私にはお世話になったスーパー奥さんがいる。70代を超えてバリバリ働き、ヒールで歩く。とても前向きで若者の私が逆に活力をもらうくらいだった。この人と仕事をさせてもらうときは背筋が伸びて、その感覚が一層仕事への意欲を高めた。


けどそんな前向きな時ばかりではなく、染まりたくないと思っていた私も会社の愚痴がいつの間にか口から出るようになっていた。なりたくない姿に私は見事に重なってしまった。


愚痴を言うために仕事をしていたわけじゃない。

子どもを1人で育てる力がほしくて
営業の経験と経済力を手に入れたかったはず。

けど、今の自分はどうだ。
願っていた姿だろうか。

気づいてからは心が苦しくなった。どんな環境でも結果を出す人はいる。自分の道を一心不乱に進めばいいだけだから。


けど私にはそれができなかった。他人の感情に、空気に、簡単に流されてしまう弱い人間だ。


辞めたいです、とスーパー奥さんに最初に伝えた。1番お世話になったからだ。けど聞き入れてもらえなかった。


次に上司に伝えた。スーパー奥さんには先に伝えたことも含めて。やはり聞き入れてもらえなかった。


次に会社の男性に伝えた。えぇ〜?と言いながらにやにやしていた。きっしょ、と思ったがやはり聞き入れてもらえなかった。


どうしたら私の話を会社の人は聞いてくれるの?分からなかった。答えは誰も見つけてなかった。



辞められると思うなよ


もやもやしながら過ごしていたある日、いつもは会社の男性が新人の研修をしてくれるのだけど特別講師としてクセ強拠点長が登場した。


クセ強拠点長は昔話の栄光営業伝説を延々と話していた。いつものことだ。パワハラの雰囲気がむんむんである。


そして誰も話を聞いてない空気を感じたのか、笑いながら「新人さんさぁ!辞められると思ってるでしょ?辞められないからね。」と言った。


冗談でしょ、普通だよ、なんて全然思えなかった。離職防止方法が昭和すぎたんだけど先輩たちの空気を見てると本気にしか思えなかった。


今すぐここを辞めなければ…。研修中に具合が悪くなったので早く帰ることにした。



どうやったら辞められるの?

同じような違和感を感じていた同期がいた。今度一緒に労基に相談に行こうね〜と冗談混じりに話していたがこの一件ですぐ相談に向かった。


なんでも、2週間前に本社の人事部に退職届を送れば法的には離職ができるらしい。いや、総務の仕事もしてたから本当は知っていた。


けど本当にこの方法で辞められるのなら、もうみんな辞めてるのでは…?と不安が残った。けど、やってみるしかない。


恩はあるし本当にお世話にはなったのは間違いない。けど、この頃行った飲み会でどちゃくそに泣き腫らすくらいには精神的にやられていた。自分を守るための選択だ、と言い聞かせた。


初めて私が強く誰かに反発した瞬間だった。厳密にいえば感情で話すと誰にも勝てない(実績が負け戦しかない)のは分かっていたので、誰にも言わずに退職届を速攻で本社に送った。速達と特定記録をつけて。



自分が何したか分かってる?

初めて社会に反抗したので怖くて次の日には自分から言いふらした。スーパー奥さんには恩があるのでごめんなさい、と添えて伝えた。


本社に退職届が届いてから知った上司と拠点長は心中穏やかではなかったかもしれない。


上司は散々不機嫌で新人に圧をかけてたけど「何をしでかすか分からないやつ」になった私には腫れ物を扱うように距離を取った。前代未聞だよ、ありえない…くらいは文句を言われた。


不思議な偶然はあるもので、拠点長と直接電話で話す機会があった。


退職届が届いたことは知らされてるはずなので、ここは負け戦組として「退職届を送りつけました。勝手なことをして申し訳ありません」と丁重に謝った。強く出ることができれば私は勝ち戦組だが、素質がない。


それを聞いた拠点長は声を荒げて「そりゃそうだよ!俺の会社で勝手なことするな!俺の判断なしに!明日辞めるか?明日やめてもいいんだぞ!」と捲し立ててきた。


あなたの判断で即日辞めれるだなんて。あの先輩たちの苦悩はなんだったんだろう。と悔しくなったけど、今月までは仕事があるので最終日まで働かせてくださいと伝えて会話は終わった。


スッキリできる話じゃなくて申し訳ない。私のリアルな過去だ。もう少し、付き合ってほしい。



辞めないって言ったじゃない


退職日を強引に決めることができた私は一安心した。上司が言ったように前代未聞だったらしく同期の中ではスターだけど先輩からは白い目で見られた。


スーパー奥さんにもごめんなさいごめんなさい、最終日まではお仕事させてもらうんで…!とできる限りの仕事は同行した。


有給を全て消化できなかった。仕事をどんどん入れられて、これが私にできる償いなんだと言い聞かせた。


ある日交渉をされた。「あと数ヶ月、あなたは仕事をしなくていい。しなくていいから、在籍だけしておきなさい」と言われた。それほど私は気に入られていた。


私からするとおいしすぎる話だったし気持ちが動いたのも嘘ではない。しかしうまく生きられない私は頑なに"NO"を貫いた。時間の浪費は自分の目的に沿わない。自分がダメと言ったらもうダメだった。


そして残り数日となった頃だった。「あなた、辞めないのよね?」と確認された。ん?私は辞めますよ、と伝えたら「そんなの聞いてないわよ!あなた嘘ついてたのね?!」


嘘なんかついた記憶は一つもない。もう何度同じ会話を繰り返したのか分からない。


信じてもらうこと、自分を分かってもらおうとすることがこんなに難しいことだとは知らなかった。


正直に生きてたって嘘をついていたって目の前の人は変えられない。この人には誠実でありたかった。諦めるしかできなかった。


結局、出勤最終日まで顔を合わせることも理解し合うこともできなかった。「期待に応えられず本当に申し訳ありません」と手紙とお菓子を置いて、私は職場を立ち去った。



周りの目と自分の気持ち、どちらが大事なんだろう


私は会社のルールに従えない非常識者として仕事を辞めた。
後輩が私のやり方(退職届を本社に送りつける)だけはやるなって言われているらしいし、余程なことをしてしまった自覚はある。


けどそれを言われたらこちらだって余程なことをされている。会社的には間違いだけど、私の気持ちとしてはこの選択は間違っていなかった。


心を殺してまで働く職場があってはならない。心は殺せば殺すほど感性を失ってしまうのだから。取り戻すまでには倍の時間がかかる。


退職を悩んでいるあなたがもしいるなら、周りの誰も理解しなくても進んでいい道があることだけは知っておいてほしい。


なぜならあなたがその道を正解にすればいいのだから。私は今自分の道を正解にするために日々模索しているよ。


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