日本の象徴
明後日の選挙前に、自分なりに「日本」を考えてみた。
舞妓さんの告発を真似するわけではないが、
どこにも「グレーゾーン」は存在する。
私は今いる職場に数か月前、派遣社員として入社した、
日本を代表するエネルギー系の超大手企業。
ここは「公」なのか、「民」なのか、という感じ。
仕事をほとんどしなくても「給料」がもらえる。
まさに、大半の人にとっては「天国」のような場所。
比較論にはなるが、それなりの給与が頂ける。
私自身は様々な職種を経験してきたが、このような場所は初体験。
少なくとも給与の一部に「血税」が流れているにも関わらず、
そんな感覚を持っている人は皆無。
「なるほど、ここを知れば、日本の負の原因を知ることができるかもしれない」
私も甘い汁を吸ってばかりはいられない、仕事がないなら作ればいい!
このままではあかん!と思いながら、今これを記している。
「ここの常識は世間の非常識」
と言われているらしいが、まさにその通りと思うことが多々あった。
細かい点を個々にあげていてはキリがないので、
大きく3つの点に絞って、私なりの分析結果をここに示したい。
何度も上司等に進言、提言はしてきたが、
派遣社員の意見など聞く耳持たず。
日本経済全体の根幹を支える大企業、
ここがこんなことでは日本は変われない、
そんな想いを抱きつつ以下に記していきたい。
① センスがない
センスは「感覚」と訳してもらってもかまわない。
この会社、日本全体の「負」の側面を一言で表すなら、
これに尽きるのかなと思っている。
「頭が悪い」のではない。
センスがない、どこもかしこも。鈍感というよりも、
感じることすらできなくなってしまっている。
そのため、1番問題なのは自分たちも気づかない?
気付いているけど変える気がない「大いなる無駄」。
大きすぎる組織のせいなのか、どこにどのようなお金が流れ、
どのように使われているかなど誰も把握していない。
多くの関連企業や一般社団法人等、
中の人間ですら、すべてを把握することは至難の業。
また、多くの「部」と「室」が混在していて、
複雑極まりかねない大規模な組織となっている。
(そのために、組織の統率がとりにくくなっている)
相手を思いやって「簡素に」「シンプルに」
「わかりやすく」という精神がないので、
政府系省庁と同じように、パワポを使った醜い資料の乱立。
仕事がなく、やることがないから、
わざわざ無駄な仕事を増やすことが得意。
しかも、人員(予算)合わせも好きなので、
私のような派遣社員の増員も欠かさず行う。
(飼い殺しではあるが)
セミナー、研修、会議が大好きで、
大半のスケジュールはそれで埋まり、
「仕事してるぜ!」感が満載である。
机には「紙」の書類を積み上げ、
お客様対応に奮闘している姿を見せる。
残業なんかは当たり前で、定時に帰る人は1割に満たない。
「勘違い」と「思い込み」が激しく、
不効率な作業をすることで自ら忙しくしている。
「働かないおじさん」が一時話題になったが、
ここにもたくさんいる、というか「働かない」ではなく、
「一生懸命働いているつもりおじさん」の方が名称としては正しいかもしれない。
「暗い」「汚い」「ダサい」が当たり前で、
誰もそんなことを気にすることもなく見過ごしている。
「危機感」など微塵も感じない絶対に潰れない「安心」組織に守られ、
自分たちの既得権益を大切にすることに長けている。
国民に迷惑をかけているという「加害者」意識は薄く、
むしろ、私たちは「被害者」という思い違いがある。
給与が上がらず不満をあげる人もいるが、だったら、転職すればいいと思う。
私は「営業」職についたのだが、
まだ1度も「営業」してない。
というか、しなくていいらしい。
数値目標も何もないのだから。
以前は完全独占だったため、「営業」の必要がなかった。
だから、ここには「営業」というのがない、わからないらしい。
② リーダーがいない
現在の岸田総理に期待と希望を抱いている日本人がほとんどいないように、
ここにも本気で変革を起こそうとする「リーダー」が不在。
今だけではなく、長い間、ずーっとそうなのかもしれない。
そのため、「変えられない」というか、「変える気」がない。
会社という組織の中で、一応、立場上「社長」や「取締役」といたポジションはあるが、
そこの人たちが自分の身を危険にさらしてまで、本気で改革に取り組むわけがない。
だから、ずーっと「組織文化」「企業風土」というのは変えられず、
現状維持の保守を継続してしまう。
そのせいで、この企業の大きな「アキレス腱」となっている
「隠蔽体質」という性格は変わることがない。
言い換えるならば「見て見ぬふり」が横行しており、
みんな「知ってるけど、やらない」という人が大半。
見たくないものは見ない、見せない。
メリットしか言わない、デメリットは隠す。
オープンがなく、クローズばかり。
書籍化されたものや、ネットの情報が全部正しいとは思わない。
それでも、これだけの不祥事や過ちの繰り返しをしていて、
まさに「不適切事例のオンパレード」にも関わらず、その根本的な原因に気付かずにいる。
DXをせずに、ヒューマンエラーを繰り返し、会社に何百万、何千万の被害が出ようが、
その負担は国民全体に強いればいいだけのこと。自分たちは何の痛みも感じない。
昔から続く軍隊式の新人研修などは、
まさに戦時中の日本を見ているようで勉強になる(笑)。
さきほども話したように、会議や研修が大好きで、
それに加え、問題を起こし、それを分析し、反省することも大好き。
そして、その不名誉を時間がたつと栄光に変更し、
表彰したり、発表したり、自慢することも大好き。
自らたちの「過ち」や「非」を認めることよりも、
人のせいにすることが習慣となっている。
大事でバレたことは公表するけど、小さなこと、
バレていないことは内々のこととして揉み消す傾向がある。
ある学校で救急車呼ぶのが遅いということがニュースとなっていたが、
ここでも似たような熱中症で倒れた人の対応がある。
「隠蔽」の他にも「言行不一致」という風土も度々見られる。
事細かに1つ1つあげていけば、それだけでも原稿用紙3枚ぐらいになりそうな量
私が一番気になるのは、理念にも掲げている「お客様のために」というのが、
本当に口先だけで、まったくそんなこと考えていない行動が多くあること。
見せかけだけの企業理念に何の意味があるのか。
周囲の雑音に耳を傾けず、同調圧力に屈することなく、
変革を実行にうつす人が、今の日本には必要と感じる。
マニュアル通りのことしかできず、
臨機応変に対応できる人がいないと、
また重大なことが起きてしまう。
「みんなが主役」という言葉をよく聞くが、
全くそんなことを感じない言行不一致感には笑いが止まらない。
③ 愛がない
これは致し方ないことなのかもしれない。
同じ組織、環境に何十年も属していると、自然と身についてしまうこと。
「マニュアル人間」「ロボット化」「マシーン作業」
自ら感じ、思考し、主体的に動くということができない人だらけ。
そもそも肉体生命を守ることに主眼を置き、
生活、暮らしに余裕があるわけでもなく、
「安全第一」という強烈なワードによって縛られてしまっている。
「人間らしさ」「感情」「思いやりや配慮」
「繋がり」「勇気と希望」「仲間意識」
文明社会を手に入れたことにより、
人間1人1人の内面(心)の損害は恐るべきことと感じている。
これはここだけの問題ではないが、ここにいると、これをすごく強く感じる。
負の面だけでなく、どんな企業にも「正」の面はある。
でないと、企業が存続できないから。
ここの一番いいところは、最初に話した「天国」というのもあるが、
とにかく、「人」がいい。
「いい」という感覚も人それぞれだし、
「愛がない」と反することだが、
ブラック企業でないことは間違いない。
また過剰とも言えるぐらい、
人を大切にしようとするイベントがある。
(私は若干上辺だけだと感じているが)
「本音と建て前」の「建て前」が本当に得意であり、
世間の目を気にして「やってますよ~」アピールだけは、
私もビックリするほど行われている。
毎月行われる神前儀式もきちんと行い、
「安全決起集会」など、非常に面白い集まりが多くある。
退職時も花々しいセレモニーが行われる。
言葉遣いも丁寧で、敬語をしっかりと話し、
難しい用語もたくさん知っている。
「がんばりました」「がんばってます」
という雰囲気は十分に伝わってきて、
頭がいい人が多いからか、本気で仕事をしている。
「上辺」と感じる付き合いもないよりはいい?
そして、何よりも一番素晴らしいなと感じるのは、
一部ではあるが、本当に尊敬できる人がいる。
「この人がいなかったら日本は破滅していた」
というような方々もわずかだが、いるのは事実。
そういう方々には本当に頭が下がるし、
自らの命を懸けて周りの人々を守ろうとする、
「犠牲の精神」は日本人の誇るべき強みかと思う。
「鬼滅の刃」の映画に描かれていたのも正にこれであり、
本当に美しく、強く、潔く、素晴らしく感じる。
最後に、おまけ。
今まで大手含め、正社員からアルバイト、個人事業主など、
様々な形態で私は仕事をしてきたが、
ここまで「選挙」に対して如実な組織は初めて。
いわゆるこれが「組織票」というやつで、
半強制的に「この人」に「この党」に投票入れろと言われているようなもの。
まさに宗教の教祖が信者に「信じなさい」と言っている感じ。
このように個人の自由を奪い、組織の色に染めさせ、
見えない権威、権力で統制をとろうとする姿は、
戦前から戦後も変わらず日本の汚点として残っている。
これを変えるのには何が必要か?
一気に変えることは難しい。
でも1人1人の意識に変革を起こすことで、
少しずつ地道に変化の兆しはみえてくるかと信じている。
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