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素敵なタイトルにはギャップがある。

――「豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえ事件」とか、「時給300円の死神」とか。どちらのタイトルにもギャップを感じますよね。


人生は物語。
どうも横山黎です。


今回は「素敵なタイトルにはギャップがある」というテーマで話していこうと思います。


タイトル


昨日、僕のサークルでトーク会をしました。テーマは「タイトル論」。いつ作品にタイトルをつけているか、どんなタイトルが良いと思うか。タイトルにまつわるあれこれを語り合いました。


僕自身、タイトルにはめちゃくちゃこだわる人なので、いろんな人の意見を聞いてみたいものです。


ということで、今回は昨日のトーク会をふまえて、素敵なタイトルってなんなんだろう?という疑問と向き合っていこうと思います。



☆ギャップって大事


もちろん、メンバーそれぞれで良いタイトルの条件は多かれ少なかれ異なっていましたが、共通してうなづけたのが、「ギャップ」って大事だよねってこと。


僕がよくタイトル論を語る上で引き合いに出す『君の膵臓を食べたい』もそうです。このタイトルの要素は3つです。

「君」
「膵臓」
「食べたい」


「君」と「食べたい」の取り合わせは探せば結構あるのではないでしょうか?「君」というと恋愛もののイメージがあります。恋愛は「欲」が要ですから、「〇〇たい」という願望の表現と相性がいいわけです。


しかし。


「君」と「膵臓」、「膵臓」と「食べたい」の取り合わせはどちらにもショックがあります。心臓でも肝臓でも腎臓でもなく、膵臓。その選択にまずギャップがあります。


そして、恋愛イメージの「君」と医療イメージの「膵臓」。この両者にギャップがあります。


さらに、「膵臓」を「食べたい」という表現にギャップがあります。ぐろいホラー系の話かな?と疑いますが、「君」と取り合わせているので断言できません。ちなみに、表紙は美しい桜の下の男女を描いているので、ホラーとは程遠いイメージを持ちます。



このように、「君の膵臓を食べたい」というタイトルの中にはいくつものギャップが含まれているわけです。


そのうえ、「君」「たい」=恋愛イメージ、「膵臓」=医療イメージが含まれているので、「病気をテーマにした青春純愛小説」という物語に寄り添っているんですよね。


このあたりが秀逸だなあと思うわけです。



トーク会の中で話題に上がったのは、「豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえ事件」とか、「時給300円の死神」とか。どちらのタイトルにもギャップを感じますよね。



☆素敵なタイトル


もちろん、「ギャップ」が全てじゃありませんが、それがあると読者の目を惹くよね、という話でした。



自分の作品を引き合いに出しますが、『メッセージ』というタイトルってギャップも何もないじゃないですか。そもそも1単語だし。


だからって、僕はこのタイトルを気に入っていないわけじゃなくて、「この作品はこれしかない!」という覚悟のもと決めたんですよね。


作品の内容をもう少し匂わせる『20年分のメッセージ』とか『110~20年分のメッセージ~』とかいろいろ考えはしたんですけど、シンプルに『メッセージ』でいこうと決めたんです。


ギャップも、奇をてらうことも必要ない。ストレートに行く!と決めました。


このあたりのことは、明日の記事で。


昨日のトーク会のせいで、タイトルについて熱くなっちゃっているので、しばらく「タイトル論」について記事にしようかなと思います。


是非、みなさんの「良いタイトル」「タイトルの付け方」などなど、お聞かせくださればなと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


【#285】20220411 横山黎


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