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7日間ブックカバーチャレンジを終えて

①本の紹介文を別途つける。
②著者や出版年代、ジャンルなどがなるべく偏らないように本を選ぶ。
③なるべく廉価(〜2,000円程度)で手に入れやすく読みやすい本を選ぶ。

 チャレンジに挑戦する前、以上のようなマイルールを設けた(詳しくは「ブックカバーチャレンジを始める前に」を参照)。7日間このルールで続けてみた感想を記す。


①本の紹介文を別途つける。

 本の紹介文を書こうとすると、自然と読書に身が入るようになるものだ。紹介文をつける試みは、チャレンジを続けるための動機づけとしてかなり効果があった。また、一度読んだことがある本でも、もう一度精読することで新しい発見があったのは大きな収穫だった。

 実は紹介文を書くうえで心がけたことがある。必ず本文からの引用を紹介するというものだ。過去の評者を援用し、一読者としての自らの主観のみを記述することもできるが、著者の思考に寄り添うには本文に触れてみるのが一番だ。本を紹介する立場として、著者が紡いだ言葉を引かずにその本を語ることはできないだろう。

 紹介する7冊の著作と順番は事前に決めていたのだが、当初とは違う本を紹介することにしたり、順番を入れ替えたりという変更があった。まだ読んだことのない人を念頭に置いて紹介する本を読み直してみて、これを読む前にあれを読めばもっと理解が深まりそう、という別の本が思い浮かんだりしたためである。紹介したい相手のことを想像すると、さらに良い励みになった。


②著者や出版年代、ジャンルなどがなるべく偏らないように本を選ぶ。

 選書にあたり参考にしたのは、松岡正剛の千夜千冊 709夜『読みなおす一冊』である。7日間どころでなく数年にわたって毎日執筆し、一度完結した後、ペースを落として現在もなお続けているという途方もないチャレンジに取り組む氏が、古今東西の数多の本からどのように選んでいるのかということを知りたかったからだ。結局『読みなおす一冊』のリストから選んだのはDAY 5『風姿花伝』のみであったが、著者や出版年代などの重複を避けるというアイデアを得ることができた。

 また、自室の本棚を整理する良い機会になった。チャレンジへの参加が、積読している本をパラパラとめくってみたり、新たに欲しい本が出てきて買い求めてみたりという副次的な行動にもつながった。


③なるべく廉価(〜2,000円程度)で手に入れやすく読みやすい本を選ぶ。

 どの程度「読書文化の普及に貢献」できたかどうかわからないが、本の価値は決して値段では測れないということは示したつもりだ。表紙の見た目はもちろんのこと、価格でさえその本の価値を表しているとは限らない。エッセンスはその中身にこそある。

 教育学者の齋藤孝氏は著書『読書力』の中で、4年間で文庫100冊、新書50冊を読むことが読書力の基準であると述べている。1冊1,000〜2,000円としても、1日あたり100〜200円程度で読書力がつくのであればもうけものだろう。


 結論を述べると、このチャレンジはとても実り多きものであった。これほど充実した読書ができたのは久しぶりである。ただし、やはり費やした時間を考えると、今だからこそできたことなのだろう。いずれにせよ、読書の楽しみを再発見できたのはこのチャレンジにおける何よりの成果だといえる。


<チャレンジ記事一覧>
ブックカバーチャレンジを始める前に
7日間ブックカバーチャレンジ DAY 1
7日間ブックカバーチャレンジ DAY 2
7日間ブックカバーチャレンジ DAY 3
7日間ブックカバーチャレンジ DAY 4
7日間ブックカバーチャレンジ DAY 5
7日間ブックカバーチャレンジ DAY 6
7日間ブックカバーチャレンジ DAY 7

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