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本の感想①「訪問リハのためのルールブック」

こんにちわ、作業療法士のざきさんです。

本のレビューをしてみたいと思います。
第一弾はリハウルフこと杉浦良介さん監修!
訪問リハビリをしている療法士全員におススメの書「訪問リハのためのルールブック」です。


介護保険下など生活期でのリハビリを行っている人はほとんどがチェックしているのではないでしょうか、リハウルフの名前でお馴染み杉浦良介さんの本です。
内容は訪問リハビリについて非常に基本的な内容になっており、これから訪問リハビリをする人や新人さんが読んで勉強や、ベテランの人が仕事内容を改めて確認する感じに仕上がっております。

4部構成になっており『1:訪問のお作法 2:知っておくべき制度 3:他のサービスとの制度 4:事例紹介』 となっています。
まず「お作法」から入るところがとても素敵だなと感じました。というのも、大抵の教科書だと最初に制度の歴史から始まってヤヤコシイ制度の話をされて、モチベーションをグイグイ削ってきていから最後にチョコンと接遇の話が載っていることがよくあるからです。
しかし重要なのは必要なのは現場でどう立ち振る舞うか?だと思うのです。そういう意味でも最初に作法を持ってきた杉浦氏の監修力はさすがだと感じました。

内容ですが、制度のことは基本的かつ調べればいくらでも出てくるので置いといて…(いやもちろん重要なんですけどね)
やはり上記の通り作法の部分でとても共感した部分を紹介していきたいと思います。

ホウレンソウの重要性、訪問リハビリは悩みを抱え込みやすいこと。
これは本当にそうですね、どうしても単独行動になるので情報が閉鎖的になりがちです。いかに今どんな状況なのか問題点は何か等の情報を共有するためのシステムや相談しやすい雰囲気づくりなどを工夫しないといけません。担当療法士が一人で悩んでいても問題だし、悩まずに「こんなリハビリでいいやー」と漫然と何年も続けてしまうのも問題ですね。

組織については「タックマンモデル」というのが紹介されていました。組織が成熟していくまでの過程を4つのパターンで現したもので、初めて見るものだったので勉強になりました。これはさらに調べてみたいところです。いま自分が働いている組織がどの段階にいるのかを考えてみるのも面白いですね。

もう一つ面白かったのは営業の作法の項にあった「ケアマネージャの第一相談者になる」です。これは僕自身も常に意識していることであったので首がもげる程頷いた内容でした。介護保険下のリハビリを行う時に仕事を依頼してくださるのはケアマネさんです。ケアマネさんがいなければ仕事は一切無いのです!!!
ケアマネさんは沢山のケースを抱えており、それぞれに沢山の悩みがあります。そしてケアマネさんに「リハビリ必要だな」と思ってもらう必要があり、 さ ら に 「じゃあ療法士の〇〇さんに相談してみようかしら」と最初に自分の顔が浮かんでもらう必要があります。ここでケアマネさんにリハビリの選択肢が浮かばなかったり、他事業所に相談が行ったりすれば自分のところに仕事はありません。
この本では、さらにザイアンス効果という目にする頻度が高いと好意を持ちやすいという心理効果が紹介されておりました。

僕としては、大切なこととしてケアマネさんが「依頼して嬉しい事業所」になることが重要かと考えています。
嬉しい事業所とは一言で言うならば「まるっと任せて安心!」な事業所です。ケアマネさんは何も問題なければ要介護で月イチ程度、要支援でしたら3か月に一回の訪問になっています。毎週訪問する我々療法士より、圧倒的に機会が少ないのです。だからケアマネさんは訪問リハなどサービス提供者を“自分の第2の目”として期待しています。「あの事業所の療法士さんは私の欲しい情報をくれる、任せて安心だわ」と思ってもらい、必要に合わせてすぐに動く。まさにケアマネさんにとって痒いところに手が届く!を実践できる事業所です。
もちろんその信頼を得るのは簡単ではないと思います。しかし目指すイメージがあると頑張れるかなと思います。

最後に本の内容で面白かった事例の話を書いて終わります。
事例紹介の中で「カタテバル」の事例がもう涙が出るほどオモシロイ!と感じました。
片麻痺のシェフが料理を作る店で他のスタッフ(片麻痺でなくても)も片手で作業する、さらに運ばれてきた料理を食べるお客さんも非利き手の片手で食べる。こんな体験面白すぎるでしょう!読みながら「あぁ僕もこんなことやってみたい」と思いました(どこかで企画しようかな?)なんだかワクワクしてしまいました。

さて、そろそろまとめに入ります。
「訪問リハのためのルールブック」とても素敵な本でした。基本を踏まえつつ訪問リハビリに関わる全ての人が読んでいて面白いと思える本です。この感じは杉浦良介さんの人柄でしょうか(お会いしたことないですが…)

せっかくなので商品リンクを張りたいところですが…やりかたが分かりません!
そんなわけで、気になった方はアマゾンで「訪問リハのためのルールブック」で検索を!
と、紹介したところで今回の記事を終わります。

ありがとうございました。


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