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「風通しの良い会社」にご注意を!

いきなりトゲのあるタイトルですみません。
私は人材系の会社で採用コンサルタントをしているものです。

仕事上、多くの求人広告や
人材紹介の紹介文を目にする機会が多いのですが、
この「風通しの良い会社」という記載をよく見ます。

これ自体は別にマイナスではありません。
むしろ、「風通しの良い会社」は上下関係が厳しくなく、
円滑なコミュニケーションが社内で醸成されているということなので、
素晴らしいことだと思います。

ただし、要注意なのは
この「謳い文句」がトップに来ている企業です。

求人広告や人材紹介の企業紹介文には
基本的に文字数制限があります。

また、キャッチとなる原稿トップには
その企業にとって一番のメリットが来るはずです。

そんな大切なところに
「風通しの良い会社」が来ているということは、
それ以上のメリットがその会社には無いということです。

仮に年間休日が130日以上あり、
有給消化率が80%を超えるような企業で
かつ、風通しの良い会社であれば、どうでしょうか。

トップには「風通しの良い会社」ではなく、
年間休日や有休消化率の方がメリットとして
求職者に対してキャッチになるはずです。

また、「風通しの良い会社」には根拠がいりません。
年間休日や有休消化率、ボーナスなどは根拠となる数字があり、
それと事実が異なっている場合、
入社後、企業側が不利になってしまいます。
一方で根拠の必要ない表現の場合、どんな企業でも言えてしまいます。

この前見た飲食店の求人広告では
「風通しの良い職場です」
「【新店】7月オープニング募集!」
と書いてありました。

おいおい!まだオープンしてないんかい!
と思わず突っ込みたくなりましたが、
このように、「風通しの良い」詐欺が蔓延している状態です。

一方で企業側からしてみれば
「本当に風通しが良いのが一番のメリットで、この雰囲気を味わってほしい」
というケースも中にはあると思います。

ではそういう企業の場合はどうすればいいのでしょう。

答えは
解像度を上げて「風通しの良さ」を見せる
です。

どういうことかと申しますと、
そもそも、「風通しが良い」という言葉自体がファジーで
要領を得ないのです。

ですので、
「風通しの良さ」を具体的なエピソードに落とし込んで
いくつか例をあげてください。

例えば
社内のコミュニケーションが円滑であるメリットの一つに
「社長との距離が近く、従業員の意見を常に拾い上げてくれる」
というポイントがあったとしましょう。

その場合、そのポイントをさらに深堀していきます。
例えば、「従業員が社長に提案したことで社内にカフェスペースができた」
というような話です。

その際のキャッチコピーは
「社長、カフェスペース用にテーブルを搬入」
「経理の私、社内にカフェスペースを立ち上げる」
というようなコピーを作ることができます。

いかがでしょうか。
「風通しの良い会社」
「社長、カフェスペース用にテーブルを搬入」
・「経理の私、社内にカフェスペースを立ち上げる」

どのキャッチが目を引くでしょうか。

私としては下の2つです。
そして、キャッチで目を引いたら
その詳細を求人の本文で細かく書いてあげればいいのです。
・なぜカフェスペースが必要だったのか
・社長にどういう経緯で提案したのか
・提案から採用まではどれくらいかかったのか
など。

そうすることで、
より具体的なイメージを求職者に持っていただくことが可能になります。

この「解像度を上げる」
・若いうちから成長できる
・やりがいのある仕事です
のようなどうしても表現として曖昧になってしまう
多くのシーンで応用が可能ですので、
今後、求人を立ち上げる際には参考にしていただけますと幸いです。

以上になります。
少しでも今後の就職活動・採用活動の参考になれば幸いです。

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