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#297:・・・で、食物繊維って何?

よく『食物繊維は便秘にいい!』などといわれますが、そもそも食物繊維って何でしょう。
食物繊維は野菜や果物などに多く含まれますが(動物性も少しはある)、その定義としては、『人の消化酵素では消化・分解されない成分』ということです。
『繊維』というくらいなので、布みたいなイメージがありますが、顕微鏡で見ると布っぽい形状の他にも、ハチの巣的な(あるいはヘチマのたわしのような)穴がひらいた感じのものも多く存在します。
一昔前まで食物繊維は、消化されない(故にカロリーがほぼない)から、『栄養的には無用なもの』と考えられてきましたが、昨今の研究により別の働き(便秘を防ぎ、腸内環境を整える、その他)があることが分かり見直されるようになってきました。

ところで、食物繊維は大きく二つに分けられます。(大体両方とも含んでいますが、食物によって多い少ないがある。)
まず一つは、水に溶ける「水溶性食物繊維」(多く含むのは海藻類やキノコ類、その他)。
水に溶けてゲル状になり、体内の毒素や老廃物が吸収されないように、便を柔らかくして排便を促します。他にも糖やコレステロールの吸収を抑え、腸の善玉菌のエサとなり数を増やしたりします。
そしてもう一つは水に溶けない「不溶性食物繊維」(多く含むのは豆類等)。
食べ物のカスを絡め取り、水を含んで膨張して便の量を増やし、腸を刺激して排便を促します。不溶性食物繊維を多く含む食品は、歯応えがあるものが多いので、早食いを抑えて満腹感を与えてくれるのでダイエット効果もあり、また水溶性に比べて消化しづらいので腹持ちもよいという利点もあります。

二つとも働きの得手不得手があり、どのくらいずつ摂ればよいのかと神経質になる必要はありませんが、自分のお腹の調子と相談しながら、バランスよく摂っていくのが大切となります。
一応の目安で、水溶性1に対し、不溶性2~3がよいという説があります。

古賀 直樹
▼中野坂上治療院のウェブサイト
http://www.nakanosakaueseitai.com

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