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奥さん!ヤバいです!!って言われたときこそ思い出したいハナシ


『奥さん、雨漏りしていませんか?』

そんな一見すると親切そうな声掛けから始まる詐欺があります。

屋根に上がり、点検後に不安を煽り、高額な屋根修理工事を契約させる。

そんな悪質かつ違法な点検商法の話は、昔からよく聞くものでした。しかし、最近では、特にその声が大きくなっています。

ただし、本当に善意の気持ちで、「屋根の一部が浮いているから、前に頼んだ工務店さんに聞いてみてください」と言う親切な職人もいます。

しかし、残念ながら、「あそこで工事している親方に言われてきました!雨漏りしてるんです」というパターンや、「ちょうど、この先で工事の予定があり、挨拶に回っています。屋根の一部が剥がれていますよ?今なら無料でいいですから点検させてください」というウソの口実で、平然と嘘をついて人を騙し、リフォーム工事を契約させる詐欺集団が、実は存在するのです。

では、なぜ人は詐欺師を信用してしまうのでしょうか?

ここでは、詐欺師が人を信用させる2つのテクニックを紹介します。なぜ紹介するのか?それは、これらのテクニックを知ることで、詐欺師を見破ることができます。まずは敵の罠を知り、見抜く力を鍛えましょう。

目次

  1. 爽やかで真面目そうな見た目

  2. 嘘90%&事実10%のブレンド

  3. サギの被害事例

1. 爽やかで真面目そうな見た目

これは営業マンの常識ですが、詐欺師の場合でも同じです。

結婚詐欺師が美男美女であるわけでもなく、人は優しそうで、悪いことをしなそうな見た目に騙されがちです。

それは、服装だったり、口調だったり、言動などで相手の感情をコントロールできるからです。そう、相手は人を騙すプロフェッショナルなのです。

では、どうやって見極めるのでしょうか?

実は、それは意外と簡単で、多くの詐欺師は口先だけで、底が浅いです。

まず、名刺をもらってください。
意外と名刺を渡したがらないみたいですが、インターホン越しにポストに入れておいてと頼み事がオススメです。
とりあえず適当に、必要があれば連絡するとか伝えて、追い払ったあとで、会社名や住所をインターネットで検索すると、悪い口コミや、怪しい情報などのボロが、ボロボロと出てくることがあります。

そもそも、名刺が無い、渡せないと言われた場合には、身分が分からない人は怖いと伝えて、帰ってもらいましょう。
会社名と住所だけ聞いてもよいのですが、とりあえず近い距離で話すことは避けましょう。
メモを投函してもらう、窓や庭から話す、絶対に家には入れない。
電話が掛かってきた、病院に行く時間、とりあえず手が離せない、時間が無いと話は最低限にしてください。

また、詳しく話を聞いていくと、シドロモドロになりがちなパターンもあります。
どこから来たの?どこで工事しているの?どういう工事をするのか?この仕事を始めて何年か?どこの職人さんが入るのか?職人さんの名前は?上司の名前は?会社の社長の名前は?

と聞いてみると、詐欺師は論破されて諦めるかもしれません。

でも、論破して変な恨みを買うのは御免なので、消費者センターへ会社名を相談する方が良いでしょう。
相談件数が多い会社であれば、「あっそこね、やばいですね!」ということを教えてくれる可能性も高いです。

2. 嘘90%&事実10%のブレンド

嘘90%&事実10%のブレンドとは、こんな感じです。「雨漏りしてますよ」(嘘)、「これはヤバいです!」(嘘)、「釘が浮いている」(本当)、「もう工事の時期です」(ちょっと本当)。

詐欺師は、些細な劣化を大袈裟に表現して、高額な契約を迫ってきます。
中には、100%嘘なのに、屋根に上がって瓦をめくったり、釘を抜いたりして、10%の真実を創り出す魔法使いのような詐欺業者もいます。

もう、口八丁手八丁の世界で、まったく別の家の写真を使って、「ここが割れてますよ」という話もあるから、面白いくらいに何でもありの世界です!

また、詐欺師は、数撃ちゃ当たる大作戦を常に実行しています。

世の中、90%の嘘で突撃してくる詐欺師を、多くの家はブロックします。

しかし、オレオレ詐欺というか、振り込め詐欺が横行して被害額が年々減らないように、10%の捻じ曲げられた真実が、100%の本当だと思い込む人が、残念ながら存在しています。

詐欺師は、そこを目掛けて突撃してきます。

では、その訪問してきた相手が、詐欺師か、親切な人なのか、どうやって調べるのか?

これを見抜く方法は意外と簡単で、セカンドオピニオンとして、信頼できる他社の意見を聞くことが、超重要で超絶有効です。

防衛策の基本は、繰り返しになりますが、名前も知らないし、聞いたこともないような会社の人は、家の中には入れない、屋根に上らせない。

もしもそれが、親切な人であっても、お礼を言って家を建てたハウスメーカーや、地元のリフォーム会社に、いつも頼んでいますと話して断りましょう。

なんかその人に悪い気がする?イヤイヤ、それであれば、その後に、他社にも見てもらってから、再度声を掛ければいいだけの話です。
焦ったり、不安に負けたりしてはいけません。

そして、不安を煽って焦らせて判断力を低下させるという、常套手段には要注意!!

以上、詐欺師に気をつけましょうという話しでした。
次は、実際に詐欺に遭うと、どうなってしまうのか、それを簡単に説明していきます。

3. サギの被害事例

悪質な点検商法の事例と予防策

悪質な点検商法は、消費者の不安を煽り、高額な商品やサービスを売りつける詐欺行為です。
ここでは、その具体的な事例と自治体が提案する予防策を詳しく紹介します。

悪質な点検商法の具体的な事例

  • 排水管清掃を装った詐欺: 業者が自宅を訪問し、排水管清掃を提案。1万円で清掃を行った後、「法改正で住宅の点検が義務化された」と説明し、床下の点検を行う。その結果、「このままでは湿気で家がダメになる」と言われ、100万円以上の床下換気扇工事を即日行い、代金を全額現金で支払った事例があるそうです。

  • 屋根修理の偽装: 屋根の無料点検を名目に訪問し、「瓦が傾いていてこのままにしておくと雨漏りになり、崩れる危険がある」と不安を煽り、高額な屋根修理工事を契約させる。後に、工事の内容の割に費用が高すぎることが判明する事例もあります。

  • 疑わしい給湯器の交換: 給湯器の点検を装い、訪問した業者が「古くて危険な状態だ」と不安を煽り、不必要に高額な給湯器への交換を迫る事例があります。

地方自治体の予防策とアドバイス

  • 不安を煽る業者に注意: 業者が不安を煽るような発言をしたり、契約を急がせたりする場合は、すぐに契約せず、信頼できる業者や知り合いの業者に相談し、本当に危険な状態かどうかを確認しましょう。

  • クーリングオフ制度の活用: 訪問販売の場合、契約書面を交わしてから8日間はクーリングオフが可能です。たとえ工事が完了していても、8日間以内であれば無条件で契約解除ができます。

悪質な点検商法に遭遇した場合は、消費者センターや地方自治体に相談することが重要です。
不審な訪問や提案には十分注意し、安易に契約しないようにしましょう。
悪質な点検商法に遭遇した場合は、消費者センターや地方自治体に相談することが重要です。

ここまで、悪質でかつ違法な点検商法を行う詐欺師の話しをしてきました。
世間には、訪問販売を行う普通の会社もありますが、点検商法という詐欺被害も実際にあり、なかなかニュース報道では目立ちません。
少しでも被害を少なくしたい。本当にそう想って、この文章を書きました。

以上、建設業界を応援するホームページ[建設のススメ]の管理者としては、読者の皆様と、少しでも、この想いと考えを共有できれば幸いです。

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