この料理家のレシピが天才すぎる➄長谷川あかりさん編/高山惠
私はフリーライターとして仕事をするかたわら、夫、中学生、小学生の子どもとともに生活しています。ありがたいことに原稿などの締め切りに追われる毎日ですが、夜になるととりあえず仕事を切り上げ、台所に立って夕食をつくっています。
その際に私が気を配るのは、育ち盛りである小学校低学年の次男に夜更かしをさせないこと。しっかり睡眠をとれる時間を逆算して夕食をつくらなくてはいけないので、とにかく短時間で準備することが重要になります。そうなると、料理の彩りとか映えに構っている暇はありません。
もはや料理に〝映え〟は重要ではないのかも
そんな自分にとって日々助けになっているのが、SNSなどでみかける「誰かが作った美味しそうなレシピ」。簡単で美味しそうなレシピをみつけては「いいね」を押して、いつでも確認できるようにするのがライフワークとなっています。私がいいねを押したり、ブックマークをするのはとにかく簡単に作れるレシピ。オシャレとか彩りとか映えは二の次なのですが、最近ふと気が付いたことがあります。
「最近バズっているレシピって、あんまり映えていないような気が……」
あくまでも肌感な意見で恐縮なのですが、茶色ばっかりのいわゆる“地味ごはん”が、よくバズっている気がしたのです。日々SNSでレシピを探している人の多くは、料理で映えている暇などないのかもしれません。
この夏から二週に1回ペースで作っている麻婆豆腐
今回はそんな私がこの夏にTwitterで見かけて以来、数えきれないほど作り続けているレシピをご紹介します。
こちらです(↓)。
https://twitter.com/akari_hasegawa/status/1541991435435917312
「ふわふわ鶏塩麻婆豆腐」のレシピがツイートされたのは2022年6月29日。ツイート主は料理家・長谷川あかりさんです。
麻婆豆腐は私も家族も大好きなメニューなのですが、1から作るとなるとかなり面倒。レシピにもよりますが、豆板醤に甜面醤、みそ、しょうゆ、鶏ガラスープの素など、けっこうな種類の調味料が必要となります。しかし長谷川あかりさんの「ふわふわ鶏塩麻婆豆腐」に必要な調味料は豆板醤、塩、料理酒のみ! あとは豆腐と鶏ひき肉、ニンニクと生姜、仕上げの水溶き片栗粉があればできちゃうし、作り方もめちゃめちゃ簡単です。豆板醤と塩と料理酒だけで、なぜこんなに美味しいのでしょうか?
実は私、一度料理酒が材料の半分くらいの量しかストックがなく、苦肉の策として水で薄めた料理酒を入れてつくったことがあります。食べたみた感想としては「思ったよりも悪くはないけど、やっぱり物足りない」。シンプルな材料だからこそ、1つ1つが担う役割がとても大きいのでしょう。また鶏ひき肉ではなく、家にストックがあった豚ひき肉や合いびき肉でも試したことがありますが、これは美味しかったです。でも長谷川さんが目指すやさしい上品な味わいを作るには、やはり鶏ひき肉がベストなのは間違いありません。
「ふわふわ鶏塩麻婆豆腐」以外でも長谷川さんレシピにはたくさんのお気に入りがあるのですが、どれも肩ひじ張らずに作ることができるし、ものすごく美味しい。等身大で映えにこだわっている感じがまったくないので、すぐ作りたくなってしまうのです。
長谷川あかりさんのツイートに華がある理由
その当時は長谷川あかりさんという料理家を知らなかったのですが、実は料理家としてTwitterやInstagramにレシピを投稿しはじめたのは、今年4月からだそう。現在ご結婚されてお子さんもいらっしゃるそうですが、3月までは大学で栄養学を勉強していたそうです。
また、もしかしたら、そのお名前にピンとくる方もいるかもしれません。長谷川さんは10代のころ芸能活動をしており、当時はNHK Eテレ『天才てれびくんMAX』で、てれび戦士として活躍されていました。長谷川さんのレシピは地味目なものが多いですが、ご本人のツイートを拝見すると、やはりそういったバックグラウンドによる華を感じます。ちなみに現在26歳、とてもお若い!
11月29日に自身初となる料理本『クタクタな心と体をおいしく満たす いたわりごはん』(KADOKAWA)が発売されるそうです。もちろん私は予約していますが、そういった自分が「すごい!」と思った方がしっかり活躍されている姿をみると、私自身もとても嬉しい気持ちになるのです。
今夜、あなたの家でも 「ふわふわ鶏塩麻婆豆腐」、よかったらぜひ!
(つづく)
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