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真田広之さんがあんなにカッコイイのはなぜだ!/真野愛子

米テレビ界最高の栄誉とされる第76回エミー賞で、日本の戦国時代を描いた米配信ドラマ『SHOGUN 将軍』が連続ドラマ部門の18冠に輝きました。
主演の真田広之さんは主演男優賞、さらにプロデューサーとして作品賞も獲得しました。
スゴイっ!!!!!

じつはわたし、以前のnoteの記事で真田広之さんについて書いています。
たった一行ですけど、「真田広之さんもそうですが、米国は俳優さんが映画づくりに積極的に関わってますよね」と。以下の記事です。

ずっと真田さんの裏方としての動きが気になっていました。
これはとんでもない過酷なチャレンジをしているんだろうな、と。
渡辺謙さんや役所広司さんのように俳優として海外で活躍されている方はいますが、真田さんは「どうやら別の動きもしているらしい」と昔、聞いたことがあり、さらに「アイツは全然日本に帰って来ない」と、ある俳優さんが言っていたのも耳にしたことがあります。
どうやら作品をコントロールする立場にならないと変革は起きないと考えていたのだと思います。

真田さんがトム・クルーズ主演の映画『ラストサムライ』で、日本人から見たらヘンな部分を指摘し、修正するために、ずっと撮影現場に張りついていたのは有名な話です。
誰からも頼まれていないのにそれをやるのは、かなり勇気のいることでしょう。

しかし同時に真田さんは自分がやるべき課題を見つけた。
日本の時代劇の魅力を違和感なく全世界に届ける、と。
そして20年、主演とプロデュースを兼ねた『SHOGUN 将軍』でエミー賞を獲得!

なんてイケメンなのでしょう!!!!!

▲10年ほど前の真田さん。
今も昔も、そしてこの先もずっと素敵なのが確定のイケメンですね!

なぜ真田さんはこんなスゴイことができたのか?
わたしなりに考えてみました。
まず、この人の存在が大きいと思います。

▲俳優・千葉真一

以前にドラマプロデューサーの方から「千葉真一さんがいかにブッ飛んでるのか?」という話を聞いたことがあります。
その時、千葉さんはある武将を演じており、討ち死にするシーンを撮影したそうです。
無事に撮影が終わり、お疲れ様でした! となったところで突然、千葉さんが、

「いや、俺はまだ死んでないと思う。俺が演じた武将はあんなんじゃ死なない」

と言い出し、次のシーンでまた出ると言い出したそうです。
で、実際に出ているそうです(笑)。
結局、プロデューサーや監督で話し合って、ちゃんと死んでもらうシーンを追加撮影して事なきを得たそうですが、もはや異次元の思考とパワフルさ!
正直言うと、ムチャクチャですwwwwww

そんな千葉さんの主宰する『ジャパンアクションクラブ』に真田さんは10代の頃から在籍していました。
それはもう無理難題、不条理、理不尽、理解不能の中で、なんでもおやりになったのではないかと想像します。

わたしは真田さんのお若い頃の映画にハマっていたことがあり、千葉さん主演の映画『戦国自衛隊』を観ていた時にとても驚いたことがありました。

▲監督 斎藤光正、脚本 鎌田敏夫(1979年)
真田さんも出演しています

戦国武将を演じる真田さんが、疾走する馬からトォーーッ! とジャンピングしてそのまま斬りつけるアクションをするのです。
文字で書くと、なんとも思わないかもしれませんが、思わず、

「怖っ!!!!!!」


と声に出してしまいました。
こんな危険なことを生身でやってるのか。真田さん、根性ハンパないな……とア然となりました。
現代のアクションはカットを重ねることでエキサイティングなシーンを作り出すことが主流だと思いますが、これは生身の真田さんがやっているので、カット割りはなく、「あっ、真田さんがホントにやってる」とか「えっ、真田さんがホントに飛び込んだ」という驚きのシーンが観られます。

きっと千葉さんから、
「真田くん、できるよな?」
と目ヂカラたっぷりに言われ、
「ハイ!」
と答えたのではないかと想像しています(笑)。


また、喜劇作家の三谷幸喜さんのエッセイを読んでいた時に、真田さんに関するこのような記述を見たことがありました。

「真田さんはテンションの高い人。演劇の公演中でキャストやスタッフの誕生日があればサプライズなど率先してやろうとする盛り上げ役」

だいたいこんな感じのことが書いてありました。
意外にも、真田さんはイベント好きなパワフル野郎のようです。


さらに、ハリウッドを拠点にし始めた頃のインタビューで真田さんご本人がこんなことを言っていらっしゃいます。

「手柄は人にあげればいい」

出演した映画『ラストサムライ』で日本人から見たらヘンな部分を修正するために撮影現場に張りついた真田さんですが、それ以降の作品でもずっとそんなことをやり続けていたわけです。特に頼まれてもいないのに。

ハリウッドなんて「俺を見ろ!」「私を見て!」と自分のことしか考えていない連中ばかりでしょう(苦笑)。
そんな中で、いちいち手柄を欲しがっていたら先に進めないと考えていたのか、真田さんは作品をよくするために主演俳優や監督やプロデューサーにアイデアを提供しまくっていたと思われます。
そしてやっとめぐりきた、自身の主演作をプロデュースできるチャンス!

日本人俳優でこの発想を持つ人は少ないと思われます。
第一、ハリウッドのビジネスなんて恐ろしすぎてビビります。
しかし真田さんは自分には引っくり返せるものがあると確信していた。
このチャレンジは果てしないが、やりがいがある……そう胸に刻んだのでしょう。

以下の人たちはアメリカのショービジネスの素晴らしさと闇を知っているのではないでしょうか。

サニー千葉
かわいい!
かわいい!
この人のクレバーさだとエンタメ界も理解してるはず
日本が誇る美女
椎名林檎さんの影響を受けているとか
この人は知ってて当然ですね(笑)

真田さんもマイケル・ジャクソンのように幼少期からいろいろと仕込まれてきたかただと思います。
子どもの頃からギュウギュウ詰めでエンタメ界をまい進してきた。
そして、どんなムチャぶりもクリア。
常識外れな環境下であっても、おかしくならずに前へ進める。
こんな人でなきゃ、この域には到達しないのでしょう。
真田広之さん、現在63歳です。

そういえば、映画『侍タイムスリッパー』がヒットしていますが、時代劇が寂れていくことを嘆いているシーンが何度も出てきます。
けど、もしかしたら時代劇は日本を飛び出して、海外を活躍の場としていくのが今後かもしれません。
これ、真田さんのおかげかも。

▲監督・脚本 安田淳一(2024年)大ヒット中です

俳優さんで裏方も兼ねて作品を世界に送りたい!――そんな人たちも今後はかなりやりやすくなるのでは。
これも真田さんのおかげですよね。

▲賀来賢人さん
ドラマ『忍びの家 House of Ninjas』では原案も

あ、そうそう。
北野武さんが昔、真田広之さんのファンでサインをもらったことがあるそうで。
あのたけしさんが、まだ若手アクション俳優だった真田さんに、ですよ。
見る目ありますよねぇー!!

▲世界の北野武監督

もうこうなったら、欧州の北野武と米国の真田広之でドリームタッグを組んで、あっと言わせるジャパン・エンターテイメントを世界にブッ放してほしいと個人的には思っています。

どなたか、ふたりをまとめる大プロデューサーいないかなぁ……!?

【真野愛子 プロフィール】
フリーライター。『アンポータリズム』などにコラム掲載。超インドアですが、運動神経はよい方だと思ってる妙齢の女。猫とバイクが好き。将来の夢は、お嫁さんw


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