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レギュラー満タン!

曇天とガソリンスタンド

昨日車にガソリンを入れた。車を使いだしてまだ間もないから、操作は少しぎこちない。それでもスタンドは料金の安いセルフを使う。タッチパネルを操作しながら、私は迷わずレギュラー満タンを選ぶ。どうせ入れるなら満タン一択だ。

レバーを引くと、待ってましたと言わんばかりに勢いよくメーターが増える。料金を示す方のメーターは、増えるな、増えるなと心の中で唱える。その一方でリッターを示す方のメーターに対してはもっと入れ、もっと入れと、ちょっぴりわがままな気持ちを抱く。両者は比例の関係だから、おかしな話なんだけれど。

入れ終わってエンジンをかけると、底をつきかけていたガソリンメーターが勢いよく上まで上がる。当たり前だけど、車が最も距離を走れる瞬間はまさにその瞬間だ。そんなエネルギーに満ち溢れ、リフレッシュした車に乗る私も、少し気分が上がる。そして車を家路にのせる。今にも雨が落ちてきそうな曇天も、何のことはなかった。

ニンゲンにとってのエネルギー

車はガソリンで走るからわかり易い。でも人間は難しい。走ること、前進すること自体が、きっととてつもなく難しいいきものだ。そのための糧、エネルギーも人によって十人十色。ガソリンスタンドにあるハイオク、レギュラー、軽油みたいな色分けでは到底まかなえない。

同じ人だって、体調、身体や心の成長によっても変わる。エネルギーは言葉通りカロリー、すなわち食べ物でもあるし、喜びや悲しみといった感情、人との関わりといった環境、あらゆる要因が人間にとってのエネルギーとなりうる。そしてそれらが複雑に絡み合い、良いバランスをとって初めて人間は前に進める。きっとそんなものだ。

そんな風に考えていったら、人間なんてちゃんと前に進めなくて元々かもしれない。だからちゃんと前に進めた日は、自分であろうと人であろうと、ちゃんと認められるような人間になりたい。大きくなると褒められないことの方がたくさんで、そんな環境が当たり前になってくる。せめて自分は自分を認めてあげること。きっとこれだって立派なエネルギーだ。私は実は得意じゃないから、ここは頑張りたいところでもある。

自分にとっての最適なエネルギーのバランスなんてきっと、一生をかけて探っていくものなんだろう。一日一日、確実に人は齢をとる。それだけ「自分」との付き合いは長くなる。その中で少しずつ、見えてくるもの。

今日のご飯も風呂も睡眠も

別に自己肯定とか、人間関係とか、そんな大きなことだけがエネルギーになるわけではない。今日食べるご飯が美味しかった。風呂に入って気分が晴れた。良く寝ることで疲れが取れた。これらを「しっかり」やることもエネルギーになる。

ありがたいことに美味しいご飯を食べることが出来た私は、これから熱めの風呂にゆっくり入って、ぐっすり眠る。寝る前にはいつも思わないけれど、今日一日ちゃんと進んだ、よく頑張ったと心で唱えてみようか。明日へのエネルギーの補給。もちろんレギュラー満タンで!




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