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【読書感想文】君の話

挨拶

 読者諸君、ご機嫌よう。最近は、会社で新しい仕事を覚え続け、帰ったら新しい小説を読んでまとめ、朝起きたら英語を勉強し、ひたすらに自分と向き合う時間を積んでいる。いや、むしろ今までろくに勉強して来なかった自分から逃げているのかもしれない。人生の怠惰から生まれたツケを、齢25にして払っている私だ。

今回は小説の感想

 今回は小説の感想のみになる。読了したのは、三秋縋(みあき すがる)先生の『君の話』だ。儚く切ない印象の物語だが、内容は骨のある構造になっていた。諸君らへの詳しい紹介はまた違う機会にみっちりと行おう。小説に感化され、興が乗った私の感想文をぜひ読みたまえ。

感想

 君の話をしたい。空虚な寂しさを埋めてくれた君の。もしくは、絶望の怯えから救い出してくれた君の。大事な君は、思い出の中で隣にいてくれるだけで記憶に花が咲くから。

 想像力に正直でいれば、その話はどこまでも優しくなる。自らの納得いかない運命を哀れんで、捏造した理想の虚構が君。人生が辛いとき、人生に何か足りないとき、君がいれば全て違ったのに。そう思いながら、一つずつ荒んだ思い出に新しく君を重ねていく。

 諦めないきれない理想は、言ってしまえば紛い物で、改竄する記憶は美しければ美しいほど虚しい。それらをただの偽りと吐き捨ててもいい。しかし
最良の可能性は、受け入れる事で現実を変える指針になる。

 たった一つの愛情の有無で不幸と幸福は逆転する。叶えたい偽りと目を背けたい真実は紙一重。

 ヒロインの存在、ヒーローの登場を信じれば、人はいつか理想の君と出会い、その見つけ出した愛情で、運命を変えるのかもしれない。

 出会いを果たせるかは分からない。ただ出会うべき相手は必ずいる。もし、心の中のヒロイン、ヒーローを信じることが出来たなら、奇跡を起こすための一歩が踏み出せる。そして、この世に生まれてきた意味を知る。

 願いは一つ。他の誰でもない君と、君の話がしたい。

終わりに

 出会うべき相手か。私のような唾棄すべきモサモサ男にもいるのだろうか。ちなみに、私は出来るなら内田有紀と話がしたい。
 ではまた。


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