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地方から転職して東京に来た話

25歳のとき、転職をきっかけに長野から東京へ引っ越してきた。

それまで東京で暮らしたことがなかった僕にとって、転職も含めたこの決断は大きなものだったが、結果として良い選択だったように思う。

僕は地元の高校を卒業した後、長野市内の短大へ入学し、「綿半ホームエイド」という長野県のホームセンターに新卒で入社した。

東京へは就職活動のときによく行き来していたが、社会人になってからは出張で行く程度だった。

学生の頃から、東京で働くことへの漠然とした憧れは持ち続けていた。ビジネスの機会が今より多い環境であることは間違いないし、東京で働く友人と話したときに感じる“環境がもたらす機会の多さ”には魅力を感じていた。

「いつかは東京に」という思いは「東京に出る」という目的に変わり、転職における「志望動機」になっていた。その当時の仕事がマンネリだったことも当時の転職活動を後押しした。

東京のきれいなオフィスや優秀な人と話すことにわくわくしながら面接に臨んでいたが、転職理由が曖昧かつ何の実績もない僕が採用されるはずもなく、ただひたすらお祈りされる日々が続いた。

当時は転職活動に慣れていないこともあって、会社を休んで東京で転職活動をすることに罪悪感を感じたり、最終面接で落ちるたびに有休と交通費を無駄にした感覚になり「一体、自分は何をやっているんだろう...」と自己嫌悪に陥ることもあった。

「もはや無理に東京に出る必要はないんじゃないか...?」と思い始めた時には、転職サイトの検索項目にある勤務地を「長野県」のみにして検索している自分がいた。

「このまま、長野で一生を終えるのもアリかもしれない。でも、東京で働いたらもっとおもしろい機会に出会えるかもしれない...」

そんな堂々巡りの日々に突然、終止符が打たれた。

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