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【備えは大切】災害で「水道」が止まったらどうする?

普段、当たり前のように使っている水道・電気・ガスなどのライフライン。大規模災害が起こるなどして、これらが止まったら、たちまち不便な生活を強いられてしまいます。ライフラインが止まってしまったときにどのような対応をすればいいのか、また普段から備えておくべきことはどんなことか、などについて考えてみましょう。

■1日に必要な1人当たりの水の量は?

地震や台風の発生時、地盤の緩みによる水道管の破損、取水施設や送水ポンプの損傷、浄水処理場の停電など、水が止まる要因はさまざまにあります。水道管は地中に埋まっているため、壊れた箇所の特定に時間が必要になるなど、復旧までに時間がかかることが多く、最大3カ月に及ぶこともあるといわれていますので、いざというときのためにシミュレーションして備えておくことが大切です。
では、私たちは普段、どれくらいの量の水を使っているのでしょうか。まずは、1日に必要な1人当たりの水の量を見てみましょう。
【1日に必要な1人当たりの水の量】
飲用水(調理含む):3L
トイレ    :バケツ1杯(3~4L)×男性5回~/女性8回~
洗顔・歯磨き :500ml
洗濯(水洗い) :4L
シャワー(5分) :32.5L
こちらは1人分の量ですので、家族で暮らしている方は家族の人数分が必要となります。私たちは知らず知らずのうちに、毎日これだけの水を使っているので、急に水が止まると、たった1日でも大変困ることになります。
【水道が止まって困ったこと】
・トイレの水を流せない
・飲料水が足りない
・調理用の水が足りない
・食器・調理器具・食材が洗えない
・洗濯ができない
・入浴できない
・シャワーが使えない
・歯を磨けない etc
災害などの有事の際は不安感を強く感じるものですが、それに加え、普段当たり前に行っていることができなくなると、心のバランスも崩しがちになります。また、節水するあまりに水を飲むのを我慢して、脱水症状やエコノミークラス症候群を引き起こす人も増えるようです。水は体と心を支える大切な命綱。備蓄はしっかりしておきたいものです。

■一番困るのはトイレ!

なかでも、被災者の方々が最も困ったことの第1位は「トイレ」でした。地震の衝撃などで配管が壊れているのに流してしまった場合、特に集合住宅では階下に水漏れしてしまうことがあるので、配管のチェックが済むまでは水を流してはいけません。
 災害時、自治体により仮設トイレが設置されますが、数が不足しているうえ、汲み取りの頻度も低く、排泄物がどんどん蓄積され、即満杯に。多くの人がトイレを我慢しなければならず、その結果、エコノミー症候群を発症して体調を崩すなどの健康被害も過去には発生しました。
 家庭内でできる対策としては、水を使わないで排泄処理ができるものとして「非常用トイレセット」があります。既存のトイレに被せて使うタイプや、段ボールでできた簡易トイレなどがあります。
 ただ、災害発生直後のごみの収集は一時的に停止する場合がほとんどで、長期間、汚物の入った袋を家に置いておかなければいけません。携帯トイレを選ぶ際は、匂いや雑菌などの対策がきちんとされた携帯トイレを選んだり、また保管する袋は破けて中身が漏れてないよう、丈夫な材質のものを選ぶなど、「トイレごみ」の問題も気にしておかなければなりません。

■水が止まったときにやることは?

それでは、水道が止まってしまった場合、まず何から行動したらいいのでしょうか。優先順にお伝えします。
①最も身近なコミュニティに情報を取りに行く
 災害時の情報収集というと、真っ先にインターネットを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、断水における被害状況は地域やエリアで細かく分かれるため、自治体などの大きな単位で伝えられるインターネットの情報は、当てはまらないことも多くあります。そのため、情報源は小さなコミュニティであるほど正確といえます。所属する町内会、マンション管理組合などから情報を収集するのが最も有益です。
②備蓄品をチェックし、不足しているものをコンビニやスーパーなどに買いに行く
 断水になったら速やかに、現在ある備蓄品(※下部参照)をチェックし、不足しているものをコンビニやスーパー、ドラッグストアなどに買いに行きましょう。ただし、災害後は、コンビニやスーパーには長蛇の列ができたり、「水は1人当たり○本まで」といった数量制限が発生することが多いです。また、ニーズの高いものは一気になくなるので、災害直後に手に入れようと思ってもなかなか難しいものです。普段からの備蓄を心掛け、必要なものに絞って買い出しに行くようにしましょう。
③給水所に水をもらいに行く
 長期にわたる断水では、水道局からの給水を受けもらいに行くことが必要になります。まず、水道局のホームページなどで給水に関する情報を確認し、近隣の給水所の場所をチェックしておきましょう。
 給水時にはポリタンクを利用するイメージを持たれている方が多いですが、実は、ポリタンクは重くて運ぶのが大変。ペットボトルに水を入れてリュックなどで運べば悪路にも対応しやすくなります。また、防災グッズとしてリュック型の給水袋なども市販されているのでそういったものを利用するのもおすすめです。

■事前に備蓄しておくことの大切さ

 給水支援やライフラインの回復を待つだけではなく、自分たちの力で生活できるよう普段から備蓄しておくことが大切です。飲料水、生活用水ともに、家族分×7日分用意しておくことが望ましいです。ただ、それらをしっかり備蓄するとしたら、大変な量になってしまいます(家族4人の場合:1日1人3L、3L×4人(12L)×7日分=84Lが必要。2Lのペットボトル6本入りの箱が7箱にもなります)。一般の家庭では置き場に困ることもあると思いますので、難しい場合は、少なくとも3日分を準備。生活用水については、「衛生用品」グッズなどを上手に活用して、できるだけ水を節約できる方法を考えましょう。

■まとめ

水は生存するために最も必要なものです。飲料・生活用水の備蓄に加え、トイレや衛生用品などの水を使わないでも対応できるアイテムがあることを平時の今から知って備えておきましょう。また、いざという時に適切な情報を収集できるように、普段から身近なコミュニティに関わっておくこともとても大切です。
 過去の大規模な災害時には、公的な支援がなかなか届かないことがありました。自分と大切な家族を守るためにも、普段から災害が起きた場合のシミュレーションや、やるべきことを話し合って、十分な備えをしておきましょう。


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