センターのB型支援の説明に行った時の話
ハローワークの職業訓練が受けられないし、なかなか採用にはならないしで、でも家の外に出かけたいしで、診察の時に、「B型支援に行ってみたい」と言いました。
ドクターは明らかに顔を曇らせ、
「レコルトさん、あのですね…」
と慎重に言葉を選んで、何回もためらいながら
「B型支援はですね…、あの…、お仕事がレコルトさんに向いていない可能性があるんですよ…」
と言いました。私が苦手な仕事らしいです。
それでも、と主治医の思いやりも知らず、診察から帰るとセンターに電話を入れ、予約を取りました。センターは、家と駅から近い場所にしました。
当日、ドアを開けると、職員さんたちは狭いところに向かい合わせに静かに座って仕事をしていました。若い男性の職員さんが、着慣れないようなスーツを着て、個別ブースで私に説明をし始めました。
45分間くらいの説明だと言われました(長い…)。
パラパラっと資料を見ると
「ご家庭の収入がA 円以上の方は、当センターに通うためにB円かかります」
との記載。(収入ごとに利用料金の表がありました)
職員さんの話をさえぎり、そのことについて確認しました。
(じゃぁ、ダメだ。私がここに通うと我が家の総収入が減ってしまう)
説明はほとんど上の空でそう思いました。
「センターの様子をご覧になりますか?」
と職員さんが言ったので、そちらに目をやりました。同じ空間だったので移動しなくても様子が見れました。狭い机と机の間で利用者さんが座り、ホワイトボードを持った別の職員さんが、
「これはー、あれでー、こうでー」
とPCの使い方か何かを説明しているようでした。
苦手な風景でした。トラウマがキシキシ言っているのが分かりました。
丁寧な対応でした。不快な言動はひとつもありませんでした。
(2回ほど、後から電話をかけてきたこと以外は。電話はかけないでと言ってあったのに。)
それで、それきり、B型支援には行っていません。
もともと病院のドクターは、私が元職業に戻ることをぼんやりとほのめかしてくれていました。
そんなことを後から思い出しました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?