CS担当者必見!SaaSの利用定着の1番大きな壁と、その乗り越え方
コロナ禍によりSaaSの導入が進み、この2年間で1企業あたりの導入サービス数は2件以上増加しました。その一方で、導入企業の多くは導入価値を実感できていません。
導入した後にユーザーの利用定着を課題に感じる企業は73%、機能が活用できていないと感じる企業は62%もあり、サービスを使っていただける状況を作ることが、カスタマーサクセスの大きな課題となっています。
そして、Layer X社の調査によれば利用定着までの最大の壁は機能のわかりづらさです。この記事では、カスタマーサクセスとしてお客様の操作・活用方法の理解の壁を突破し、SaaS導入後の利用定着を実現する方法を紹介します。
最大の壁: 機能・操作が分からない
SaaS導入後の課題として、46.6%もの人が「ソフトの利用方法がわかりにくい/使いづらい」ことを挙げています。
SaaS業界で働くCS担当にとっては意外なことかもしれませんが、LINEを筆頭として日常的にチャットを使っていても、業務用のビジネスチャットを45%弱の人が「使いこなせない」とのアンケート結果もあります。
日常的に使うサービスに似ているSaaSでさえ操作・活用が難しい状況があるため、ましてその他のサービスでは操作自体が大きな壁になることは、想像に難くありません。
操作理解が難しいと言われる背景は何か?
SaaS導入後のオンボーディングは利用継続・解約を左右するもっとも重要なフェーズで、かつお客様・CS担当がともに一番苦労するタイミングです。
既存業務がSaaSに置き換わるため、お客様は業務フローの変化への対応と、合わせてサービスの機能・操作理解を同時に行う必要があります。
こうしたお客様のオンボーディング負荷を軽減できるよう、CSは導入説明会、ステップメール配信、ヘルプサイト提供から問い合わせ対応までを通じて、日々利用者がサービスをスムーズに使えるようサポートしています。
さらに、CS担当のオンボーディング対応に加え、多くの企業がSaaS導入後に社内マニュアルの整備や社内講習、そして社内ヘルプデスクの設置を行なっています。しかし、7割程度の企業は、そうした取り組みの「成果が出ていない」と述べているとのリサーチもあり、こうした各種の取り組みにかかわらず、操作理解が課題になっていると言えます。
操作につまづいた顧客は、そのトラブルに対処できているのか?
サービス活用の中で疑問・不満を抱えるユーザーの中でも、カスタマーサポートに問い合わせてアクティブにそれらの解消に動くのは、わずか4%との調査もあります。実際、CS担当の皆様も、担当者との打ち合わせや、電話で初めて疑問・不満を聞くというご経験はあるかと思います。
つまり。操作につまづいた場合、ほとんどのお客様は活用を諦めるか、もしくは違和感を抱えたまま使える範囲でサービスを利用し、活用範囲を広げない、ということです。
この調査や、CS担当の感覚から肝に銘じておくべきことは、①お客様は操作に慣れることができていないこと、そして②不明点をすぐに質問・解消するという行動も行っていただけない可能性が高い、ということです。
したがってCSが注力すべきことは、すぐに操作がわかる状態を作ることです。
操作がすぐにわかる状態を作る方法は大きく分けて2つあり、1つ目はセルフサービスの強化、2つ目が問い合わせ対応の強化です。
セルフサービスの強化
セルフサービスは、大半の利用者がセルフサービスを好んでいること、そして関連するツール・手法の増加もあり、CS施策の1つとして浸透してきています。
セルフサービスは利用者が自発的に操作・活用方法の不明点を自己解決できるようにする手段で、テックタッチ用のコンテンツとほぼ同義です。
主なセルフサービスの例としては、以下があります。
チュートリアル(ツールチップ)はテックタッチ、Onboardingを筆頭に専用のサービスが提供され、海外ではユニコーン企業が出るなど、特に注目されている領域です。
ヘルプサイトは多くの企業が提供していますが、テキストや画像を並べての操作案内が主で、不明点の解決率が課題となっています。
そうした状況に対応して、Helpfeelさんなど検索機能が強いヘルプサイトの構築が目指されていたり、理解度が高まりやすい動画FAQを作れるrecitなどのサービスが出てきています。
高機能なSaaSの場合は、ヘルプサイトとは別に操作・活用方法の学習用動画サイトを提供する企業もあります。
セルフサービスの強化では「お客様が問い合わせをするという負荷自体を減らす」ことが目指されていると言えます。セルフサービスを好む利用者の多さからも、この方向でのカスタマーサクセス推進が大事だと言えるでしょう。
それでは、お問い合わせが行われにくい背景には、どういった事情があり、CS担当はどのようにそれを解消すべきなのでしょうか。
問い合わせ対応の強化
問い合わせのストレスを感じる部分を調べた調査では、5位までで次のような理由が挙げられています。
このうち1位から4位は、近年お問い合わせ経路としてチャットが多くのサービスに追加され、解消に向かっていると考えられます。
チャットサポートでは、つながらない電話や、タイムラグがあるメールより早くサポートが受けられます。その上、問い合わせ時に不足している情報があればすぐに質問・回答が行え、スマートフォン・パソコンどちらでもやりとりできます。実際に、サービスの問い合わせをする際、3人に2人はチャットを使いたいと思っているとの調査結果もあります。
残る5位の「的確な回答ではない」に関しては、主な原因はお客様との認識のズレが生まれていることにあります。
これらは①サポート担当がお客様の不明点を汲み取れていないか、②ご案内した内容がお客様に伝わりきっていないか、のどちらかにより生まれるトラブルです。
①についてはヒアリングなどサポート担当の教育、②であれば伝え方に改善の余地があります。ただし、不明点を汲み取れていても、お客様に操作などをご案内するときに、食い違いが発生する可能性はあります。
そのため、長期的には教育・実践によるCS担当者のスキル向上、短期的には「食い違いが起きにくい伝え方の導入」が大事になります。
機能・操作理解の壁突破に向けて
お客様がサービス利用時に、「どこを見て何をすれば良いのか」を確実に分かるには、テキスト・画像にとどまらず、画面の流れまでわかる動画で操作・活用方法をお客様にご案内することが有効です。
YouTubeや学習コンテンツサイトに主な操作のレクチャー動画を掲載する、チャットや問い合わせチケットの返信に動画マニュアルを添付するなどの対応を行えば、お客様は手間なく操作を理解できます。
セルフサービスを進める中で作成するコンテンツを活用して案内を行うことで、お客様と同じ目線で操作を見て案内する、利用定着以前の壁を越えられるカスタマーサクセスが進められるのではないでしょうか。
【ご紹介】2クリックでレクチャー動画を撮影・共有できる「recit」
動画コンテンツは撮影・編集に手間がかかり、共有時にはファイルが重くて届かないなど、意外と活用するのに手間がかかります。
テックタッチ用動画ツール「recit」は、ブラウザを開いたまま2クリックで録画できて、収録後は最長10秒で動画リンクをお客様に共有できるサービスです。
作成した動画コンテンツは、お問い合わせチケットやチャットへの貼り付けて共有できるほか、動画FAQとしてまとめて公開したり、既存のヘルプページへの埋め込みも可能です。
ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひこちらよりお問い合わせください!
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