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生活って美しいんだなぁ"Perfect Days"

 2023年日本ドイツ合作映画
監督:ヴィム・ヴェンダース
主演:役所広司(2023年カンヌ映画祭男優賞)
"Perfect Days"『パーフェクト・デイズ』を観てきた。

 小津安二郎監督を敬愛していると言われるヴィム・ヴェンダース監督の作品だけあって、『東京物語』を彷彿とさせる美しい作品だった。

 《生活する》って、こんなに美しかったんだ〜と思った。
 《生きること》ではなくて《生活すること》、そんな当たり前の日常が、こんなにも美しいとは…と愛おしく感じた。

 公衆トイレの掃除を生業とする、安アパートでの独身の中年男性の暮らしは、令和時代なのに、昭和のままの世界観であり、貧しいはずなのに静謐で知的で美しい。
 眠りに落ちた時に描かれる心象風景は、10代で演劇を志した私にとっては寺山修司の世界観を思い出して、なんともエモくて懐かしかった。

 この作品は絶対に映画館で観るべき。
 日常の中、リビングのテレビ画面で見たら、この作品の良さは伝わりにくいと思った。
 非日常の映画館で観るからこそ、美しいドラマになる《生活》だと思う。

 日々同じことの繰り返しのようでいて、少しずつ変化がある。
 人と接する分だけの変化が起こる。
 それは、一瞬たりとも同じ風景にはならない木漏れ日と同じ。

 そして、劇中でかかる音楽が名曲揃い!
 こちらでリスト化してくれているので、ご参照ください↓


 久しぶりにカセットテープで音楽を聴きたくなったなぁ〜(笑)

 では、ネタバレになってもいけないので、この辺で…。

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