エンディングの難しさと素晴らしさ
最近の『どんぐりFM』の放送で、ワンピースやコナンなどの人気漫画の終わらせ方の難しさについて触れていた。
それを聴いていて思った。
どんな事でも、終わらせ方って本当に難しいと。
ドラマや映画でも、終わりが良かったと思うものって、意外と少ない気がする。
特に長く続いたものほど、終わらせ方は難しい。
すごくすごくハマって見始めて、後半あたりで「そうなるだろうなぁ〜」と思った通りに終わった場合、それは大抵ハッピーエンドなので、それはそれで満足なんだけど、ある程度満足したものはレビューを書く気になれない。
だから韓国ドラマを100本以上は見ている私が、ほとんどレビューを書かないのは、ある程度満足している証拠であり、良い意味での裏切りがないからだ。
日本の映画やドラマは、視聴者に投げかける系の終わり方が多くて、単純な私としては苦手だ。
「こっちに投げかけて終わるなよ」と、つい舌打ちしたくなる。
でも、「こうきたか〜!」と唸らせられる終わり方の作品もあり、それはずっと心に残る。
私の心に残っているエンディングが素晴らしい作品は、まず一番に思いつくのが、『俺たちに明日はない』だ!
アメリカンニューシネマの傑作、そしてその時代のタブーをことごとく破ったと言われる衝撃作品。
大好きな作家・橋本治さんのレビューが素晴らしく、興味を持って見たところ、レビューを読んでいたので時代背景や心情が理解できていたからじっくりと見られたけど、それでも、感情の変化や葛藤が描かれる中盤の中弛み感は否めなかった。
でも!衝撃のラストシーンに、何もかもがぶっ飛んだ!
あんぐりと口が空いたまま時間が止まった。
映画やドラマで、あれ以上の衝撃を受けたことがない。
知っていたのに!
ネタバレありレビューだったから、ラストがどうなるか知っていたにも関わらずだ。
なのに、知っていたのに度肝を抜かれた!
そして、あの衝撃のラストシーンを見たから、それまで中弛みさえ感じていた、主人公達の人間らしさ、心の葛藤がジワジワと心に伝わってくるのだ。
天才過ぎるだろう〜!脚本のデビット・ニューマンとロバート・ベントン!
視聴者に投げかける系のラストが苦手な私だけど、投げかけられるんじゃなくて撃ち抜かれたらもう!完敗です。膝まずいちゃいます。
天才です!脚本も監督も出演者も全てが!私の中の不動のNo.1です!
そして、『俺たちに明日はない』を見るまで不動の1位だったのが、これまた不朽の名作『風と共に去りぬ』!
この大長編映画のラストで主人公スカーレット・オハラが、絶望にむせび泣いた後のセリフが「Tomorrow is another day.」
日本語訳では、「明日。 そうよ、明日考えましょう」
このラストも『俺たちに明日はない』とは全く違う衝撃でした。
『風と共に去りぬ』は、あれほどの長編なのにも関わらず、中弛み感がなく、ずっ興味深く見て、そして、考えようによっては、ちょっと肩透かし感があるラストだけど、それこそがスカーレットの強さなのだと感動したのだった。
こういった素晴らし過ぎる終わらせ方の作品を思うと、本当に心底エンディングって難しいと思う。
エンタメ作品だけではなく、人生においても、引退、撤退、退職、離婚、全てが始めるよりも終わらせる方が難しいのだ。
離婚という終わらせ方は、時間がかかったけど成功した。
人生の終わらせ方も、そろそろ考えておいてもいいかもしれない。
思い通りにいくかはわからないけど(笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
追記 そうそう!最近ようやく何年かぶりに推しができたの!