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【コラム】テレビディレクターがYoutube動画を作らざるを得ない状態

(2021年8月 追記:この記事を最初に書いたのは2020年5月です。多少状況が変わってきているみたいですが、まだこのような状態はあるようです。)

プロフィールでも書かせていただいておりましたが、             過去にテレビ業界でテレビの制作ディレクターとして働いていた経験があります。

先日久しぶりに、後輩ディレクターを話す機会があり、            今のこの混乱下での制作現場の実情やディレクターとしての悩みを       いろいろ話してきました。

もし、今後テレビ業界を目指す方がいたら。

テレビのお仕事に興味がある人がいたら。

そう思い記事にまとめてみることにしました。

テレビマン時代の後輩ディレクターとリモートのみをした話

私が当時よく担当していたのは、密着系ドキュメンタリー・旅番組・飲食店紹介コーナーといった番組や特集コーナーでした。

今回話した後輩は、私が退職後、担当していた番組をそのまま引き継いでくれた 数少ないディレクター友達でもありました。

私「え、コロナどうよ?」

後輩「先輩、やばいです…何もできないです」

開口一番、やっぱりそうか…という現状が明らかになりました。


一ヶ月程度密着取材していたドキュメンタリーは中止。  

旅番組も、そもそもロケにいけないので中止。

飲食店紹介のコーナーも規模を縮小し、コロナ対策に配慮した内容に変更。

再放送や再編集でなんとかしのいでいるようです。

ニュースや情報番組を扱う報道担当・報道部はかなり忙しく動き回っているようですが、徹夜で作業することもあったディレクター陣も、一部は今は仕事が減ってしまい、暇だと嘆いているようです。                    (ちょっとホッとしている人もゼロではないですが)

ちなみに、ディレクターは大体、毎週・毎月〜など担当している番組があり、その担当の番組の量や規模によって働き方も変わってきます。

皆さんもテレビを見ていてここ一ヶ月急に、「総集編!」「特別編!」「再放送!」といった文字をテレビ欄で見かけることが増えているのではないかと。

東京キー局と地方局ではまた事情が変わってくるかと思いますが、1ヶ月程度であれば現在収録済みの映像、過去の映像や放送した番組の再編集によって

なんとか1ヶ月はしのげる! とテレビの現場では言われています。

ただ、自分がもしそれらの番組の担当だったらと考えるとゾッとします。

再編集って決して楽ではないですし、再編集してその場しのぎの番組を準備するなんてとっっても精神的によろしくないです…。クオリティの面でもきっとたくさん悩みや不安が出てきます。

後輩も少し肉体的に時間に余裕はできたけれど、不安もあり精神的によろしくないと言っていました。

また、そういった新しい番組制作ができない期間が1ヶ月を超えてくると番組のスポンサーからのお金(広告費)が今までよりどんどん減っていくことが予想され、

「新しいもの作らないなら広告費を下げさせてもらいます」

「なので制作費減らします」

「でも面白いもの作ってください」

「あ、ただコロナには配慮して炎上しないようにしてください」

といった負の連鎖に突入していくわけですね。現場も不安と不満でいっぱいです。


もちろん、働いている制作スタッフのお給料も少なからず影響を受けます。

(大きな声では言えませんが)

残業は多い職業ですので、月々のお給料も残業代の占める割合というのも少なくないのです。(一概には言えません。雇用形態でも変わります)

実際、現場スタッフの中には中継やロケといった残業を伴う業務が減ったことで、手取りのお給料が3分の2以下になった人もいるようです。

テレビ業界にも少なからずこのコロナの混乱の影響を受けて、経済的に苦しんでいる人がいるのです。


テレビマンが仕事でYoutube動画を作る

会社としても個人としても、この新型コロナウイルスの蔓延によって、やはり経済的に影響を受けたり、これから受けるかも知れないという状況になっています。

後輩「仕事が減っているので、会社でYoutubeにチャンネル作って動画作るかもです…」

私のいた会社は、テレビ業界の制作業務や人材派遣をやっている会社でしたが、 仕事の減っている今、新しいコンテンツ開発に向けてWEBへも手を広げていこうと考えているようです。

テレビマンというプロの集団が、Youtubeコンテンツ制作へ…。

決してこの行動が早いとは思いませんが、この世界が、社会が大きく変わりつつある今だからこそチャレンジするのは遅すぎるということはないのだと、改めて感じさせられました。


テレビの仕事は、ブラックだと言われ続けていますが

テレビマンというのがそもそもテレビを愛している人ばかりなので

黒さに喜びすら感じているであろう、ある意味特殊な世界だと思っています。

このコロナの影響を受けて、そんなテレビの世界も少しつづ変わっていくのかも知れませんね。


長文、乱文ありがとうございました。

写真:仙台すずめ祭りの中継にて

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