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《ジムノペディ》放浪記録


◇朝も夜もない永遠の昼の世界

ジムノペディの世界には、驚くべきことに朝も夜も存在していない。そのため、「1日」といった区切りがないので、ジムノペディの住人たちは「時間」という概念がとても希薄である。

◇パステル色

ジムノペディの海は淡いピンク色をしている。空も、限りなく白に近いブルーで、太陽のようなものはなく、黄色や白色の星がちらほらと浮かんでいる。人間の目にはパステル調の淡い世界が淡々と広がっているように見え、優しい雰囲気の中にもときどき恐怖を覚える。

◇穏やかな自然環境

ジムノペディには、空模様は皆無である。雲や雨といった現象は一切生じないのだという。ただし、風や波は存在しており、「天気」という言葉は専らこの2つを指す。気温も17度から24度程度で安定している。

◇セントラル島

なんといっても最大の特徴は「セントラル島」である。ジムノペディは、世界の9割を海が占めており、1割程度しかない陸地は「セントラル島」を除いて他にない。セントラルと呼ばれる所以は、まさに世界の中心にあるからで、ジムノペディはセントラル島を中心に同心円を描くように平面な海が広がっており、地球とは異なり「端」があるのだ。行きつく先は「暗黒底」と呼ばれる奈落である。波は中心から暗黒底へ向かい流れることが多く、暗黒底へ落ちてしまった物体は、無くなるか、分解されるか、圧縮されると言われているが、セントラル島に住んでいる優秀な研究者でも未だ解明できていない未知の領域である。

◇審判♢

セントラル島の住人は約3億人程度となるよう管理されており、貴族が大多数を占めている。人口が増えてくると「審判」が行われ、そこで選ばれた住民は海へ「船出」をしなければならない。以前は「島流し」や「追放」といった言葉が使われていたが、差別につながるため、現在では「船出」や「旅立ち」といった言葉が用いられるようだ。餞別として船が贈られるのが慣習であり、没落貴族が旅立つ場合は、比較的豪華なものが用意されると言われる。また、一般住民の大半は生まれた時から船の上で暮らしており、それぞれの船団が「国家」のような役割を果たしている。中には生存者がいなくなった「幽霊船」も存在しており、通常であれば波に流されて暗黒底へ落ちるはずだが、偶然長期にわたり無人で航海を続けている船があるという(「幽霊船のウィリー」)。また、貴族は慈善活動として「補給艦」「修繕艦」という無人の船を出すことがあり、これは海の住民たちが住まう船に物資を届けたり、修繕を行うためにある。景観を保全する目的から、鮫や鯨といった大型の海の生物を模した造形のものが多い。

◇さらに詳しく知りたい方へ◇

ジムノペディについて興味を持ってくれた方のために、この世界を知るうえで重要になってくるキーワードを書き記しておく。
#産神神話 #審判所 #海鳴りの鐘
#幽霊船のウィリー #パステル色の蝶

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