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第12回 採用の裏側_運も実力のうち?

これまでにも、筆者の経歴が低スペックであること↓

や、氷河期世代で就職しくった組であることはチラホラ触れてきたが、そんな人間が30を過ぎていきなり正社員で年収が倍(※前職がおそろしく低すぎる)になったのが6年近く前。
そんな人間を採用した会社って___??

世にもクレイジーな採用劇。

本気で転職を考えたのは「まだ見ぬ弟の将来の妻のため」

就職に失敗して13年。非正規しか経験がなく、当然これといった実績もない。
しかしながら、やる気だけは無駄にあり、ゆとり世代の名の通りゆとった新卒社員が入って来る度、どう考えたって私の方が絶対に仕事ができるのに、ってか、私が仕事教えてるのに、この人達の方が給料がずっと良いんだぜ…という悔しさに苛まれながら過ごす毎日。

もちろん13年の間に幾度も正社員への転職を試みたが、いずれも失敗。

手取りはずっと月10万円前後。

こんな収入で生活できていたのは実家住まいだったからに他ない。
申し訳程度に生活費は入れていたが、「女の子だしぃー何でもいいから働いてたらぁー」という激甘な考えを持つ親だったのは良かったのか悪かったのか。(とても良かったです。助かりました!!!)

当時の年齢33歳。
ふと、色々考えた。

①正社員として働くのはラストチャンス
未経験就業35歳まで説は今に始まったことではない。いつの間にか33歳。親はいつまで生きているかわからない。雇用形態はさておき、収入を増やす必要は絶対にあるのではなかろうか?

②パラサイト小姑
弟は新卒でスーパーゼネコンに就職した(先日母親の連絡網により、まだ無事に勤めていることがわかった。笑)
いくらモテない弟とはいえ(姉もです)大手企業に就職して給料はとても良い。
これはいつ彼女を連れてきてもおかしくないのではなかろうか?
……そして、結婚したいとなった時、夫となる人の実家にパラサイトシングルの小姑がいたら…

私なら…
私なら……

絶対イヤだ!!!!!!!

猛然と転職活動を始めたのは、この2つがきっかけである。

ラッキーその1 <希望者全員面接するよ!>

今の会社の求人に出会った経緯は「第10回 某転職エージェント担当者と私_模範編」をご覧ください。

スタートアップ部署のため、結構急ぎで採用を決めたかったようで、いきなり代表自らが企業説明会&そのまま一次面接(集団面接)をするという、この時点で既にクレイジーな選考だった。
社会人になってから一次面接が集団だったのは、ファイブフォックスくらいである。(コムサの会社。応募者数が半端ない。そして当時は書類で落とさず一通りの人を見るというスタンスだった。)

転職エージェント担当のTさんの話だと、午前の部と午後の部に分けて実施するとのこと。
当時はシフト制の仕事をしており、朝はツライっす…ということで、迷いなく午後の部を選択。

いざ当日面接会場入り__早速企業HPで見たことのある顔の人が入口で待ち受けていた。

ラッキーその2 <奇怪な面子が揃う>

午後の部の説明会に参加したのは私を含めて5人。
企業パンフレットを頂戴し、代表から説明を受ける。中小企業で全く知らない会社であり、企業研究といっても企業HPを見るくらいしかしていない。
とりあえず何でも自由に発想してくれよな!な会社であることは理解した(笑)

そしていきなり、「何か質問ある方は?」と聞いてくる代表。

………えっ…誰も手上げないし………こういう時に手上げないと絶対ダメだろうよ…………

「はいっ!!」

もう何を質問したか覚えていないが、本当に誰も挙手しないので、2回も手を上げて要らないことばかり質問した気がする。

質問の後、「この後、一次面接を行います。希望者がいらっしゃいましたら、このまま残ってください。」

手は誰も上げなかったが、帰る人も誰もいなかった。

そして面接しやすいように応募者5名が横に並び、端から一人ずつ面接を行うという、集団面接というより、個人情報だだ漏れ個別面接状態になった(笑)

5人の面接順は下記の通り。

同期(正社員)→私(非正規)→郵便局(非正規)→商社マン(正社員)→第二新卒ニート

他人の面接を聞くのは実に面白いものである。

ラッキーその3 <代表の同情をさらった経歴>

集団面接には良い思い出がない。
質問がある方~と言われ、一生懸命手を上げてもスルーされたり、結局見た目と履歴書で判断されてるんだろうな。ということばかりだった。

代表は全員に同じ面接をするわけではなく、それぞれ異なることを聞いてきた。

私は卒業短大の学科が少し変わり種なので、そこを突っ込まれた。
30過ぎた人間の学歴見てるのかい!!である(笑)
ニッチな学科で氷河期にぶち当たって、第一希望の職種は応募できる企業すらなく…という話を正直にした気がする。

そして、同情された。
代表本人はバブル世代、人数の少ない会社で私と同世代の社員は多く、氷河期世代の採用もしているはずなのだが、氷河期の苦労話をして入社した人材が皆無だったのだろう。
代表の氷河期の認識が良い意味で薄かったのである。

不景気を理由にそんなことがあっていいのかああああああ!!!!!くらいの勢いで同情された(笑)

もう一つ、私は1社だけ突然変異的な経歴が3年ほどあり、これはどこで話しても同じリアクションを取られるのだが、代表からも「よくまぁそんな思い切ったこと…」という顔をされた。

非正規の経歴しか無いのはなんで?(どこも正社員で採用してくれなかったから)ここの空いてる期間はなんで?(手術した後とっくに治ってるのに療養してたから)という痛い質問はされることなく私の番は終了した。

残り3人。
個人情報に触れるといけないのでここには書けないが、強烈な3人だった。

ラッキーその4 <代表の直接面接だったので二次免除>

面接の翌日、内定の連絡が転職エージェント経由で来た。
二次面接あるって言っていたのに、一次で代表が直接面接したので二次無しで決まったということだった。
破天荒である。
さぞかし私の上司は不安だったろう。代表が部下を勝手に決めて来ちゃったのだから(笑)

というわけで、偶然と言うには過ぎるほど運が味方して採用に至ったのである。

で、この破天荒な面接の裏側。
代表との距離が近い会社なので、全部聞いた(笑)

本来私の採用枠は無かった

採用は1名を予定していたのに、急遽2名採用になり、その2人目が私だった。
上司は事前に1名採用を言い渡されていたそうで、いきなり2名になって面食らったと言っていた。

フィーリング型の代表なので、フィーリングで決めたわけだが(笑)そのフィーリング、面接の席順が運命の分かれ目だった。

同期(正社員)→私(非正規)→郵便局(非正規)→商社マン(正社員)→第二新卒ニート

これが全てを決めたらしい。

先に採用しようと思ったのは同期。正社員として真っ当な経歴があり、決めるところは決めたPRをしていたので、落とす理由が無かった。

そして隣にいた私を見て、

「ああ、この二人なら一緒に上手く行きそうだな。」

と瞬間的に思ったのだと。

私が説明会時に一生懸命質問していたことがポジティブに映り、好印象に繋がってのことらしいが(後付け理由?笑)
そんな話を聞いたら色々怖くなってくるのだが、そういうことらしい。

ちなみに午前の部で誰か良い人いなかったのか聞いたところ、午前の部は十数名参加しており、午後の部に良い人がいなければこの人を。という人が1名だけいた。とのこと。
つまり、午後の部が全滅だったら、採用枠は事前予告通り1名だったのだ。

面接後に唯一会話をしたのが同期

面接終了後、参加者の中で唯一会話をしたのが同期である。
会社は違うが同業で働いていたことがあり(面接で筒抜け…)同業なんすね…という感じで会話をした。

翌日内定の連絡をもらった時に、2名採用になっていることを聞かされ、ああ、面接の時に話した人だと話しやすいし、同業のあるある話もできるし、その人だといいな。と思った。

同期は離職中だったが、私は現職中だったので、同期が1カ月早い入社となり、私は有給消化の時期に入った際、同期になる方に挨拶がしたいと会社に申し出た。

オフィスに行き、ご対面_____

面接の時に話した人がそこにいた。

嘘のような本当の話

今でも信じられない転職話であるが、本当の話である。
自由に育って早6年目。
年下の先輩達に囲まれて、よくこんなおばさんをつまはじきすることなく、仲間として働いてくれてるなと日々感謝。
中小企業ならではの問題は色々あり、上司に当たり散らすこともあるが(笑)たぶん私が抱えてきた闇の部分を全て払拭してくれた良い会社である。
そして、運だけでは6年も勤めて来れなかっただろうという自負がある。
必死に転職活動を行い、努力したから大きなチャンスが舞い込んできて、それを掴み取ったのだと思っている。

今、会社が変革の時を迎えていることもあり、初心に帰るために、私の転職話を書いてみた。

最後に…
私が今の会社に入社した3か月後、弟がお嫁さんになる人を連れてきました。(←マジ)

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