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ARTチーム第2回:高品質な3Dアバター配信アプリを6ヶ月でリリースするためにやったこと

はじめまして!アバター配信アプリREALITYのアートグループシニアマネージャーのかめさんです。

前回は、アバターアートチームの記事一発目として1着のガチャアセットが出来るまでの工程をご紹介しましたが、今回はその制作を担当する「アートチーム」の発足からα版リリースまでの制作の舞台裏をご紹介しようと思います。

アートチーム発足は2018年4月1日

現在は「アートグループ」の中に「アバターアートチーム」と「デザインチーム」があるのですが、発足当時は「アートチーム」だけでした。
そしてスタート時のメンバーはわずか4人
この時点でα版リリースまであと181日。6か月しかありません。
元々は2018年12月にリリース予定だったのですが、早まって6か月後になりました。

どうしてリリースが早まったか?

戦略として、「1日も早くVTuberとして配信する人たちに使われるようになること」が最優先だったからです。数多くあるVTuberライブ配信プラットフォームの中で、如何に早く選ばれるかが重要であり、彼のマーク・ザッカーバーグの言葉、「Done is better than perfect(完璧を目指すよりまず終わらせろ)」を体現する必要があったわけですね。

α版て何?

REALITYアプリはもともと、「視聴専用アプリ(REALITY)」と「配信専用アプリ(REALITY Avatar)」の2つに分かれていて、アバターはこの「配信専用アプリ(REALITY Avatar)」に向けて開発されていました。
α版はこの配信専用アプリのα版のことを差し、公募(後述します)に応じたユーザのみに限定して公開されていたものです。

・2018年8月7日 視聴専用アプリ「REALITY」リリース
・2018年9月28日 配信専用アプリ「REALITY Avatar」α版リリース
・2018年10月22日 REALITY Avatar iOS版リリース(通称β版)
・2018年12月7日 REALITY Avatar Android版リリース+iPhone X系以外対応
・2018年3月28日 REALITY、REALITY Avatarが統合され「REALITY」1つになる

視聴専用アプリだった「REALITY」は、初期では公式配信を視聴するためのものでした。(公式配信とは、全身トラッキングが可能なスタジオで収録され配信される「REALITY公式放送の番組」の事を指します)
α版のリリースによって、この視聴専用アプリでは「公式配信」と「REALITY Avatar」からユーザーがライブを行う「配信」を視聴することが可能になったのです。

制作スケジュール

K725さんがSYさんとアバターデザインを詰める中、人材採用、使用ソフト、そのソフトの中で使うツールの開発、外注会社さんの選定、スケジュール組が同時並行で進められました。

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この頃は公式配信の開発にもアートチームが関わっていたため、全てをアートメンバーだけでは担当し切れません。社内・グリーグループ内のスタッフ、外注会社さんのご協力を得ながら日単位での進行が行われました。

当時の役割分担はこちら↓

・アートチーム
 ・K725さん アートディレクター(アバター監修・衣装デザイン)
 ・SYさん 3Dアーティスト(アバター仕様策定・監修)
 ・SDさん 3Dアーティスト(F型アバターのメインモデラー)
 ・KKさん 3Dアーティスト(衣装モデル制作・外注フィードバック)
 ・吉川さん 2Dアーティスト(衣装デザイン)
 ・MMさん 2Dデザイナー(グラフィック・UI制作)
 ・YYさん エフェクトアーティスト(ギフト実装)
 ・かめさん アートマネージャー(組織作り・進行管理・3Dサポート)
・テクニカルアートチーム (ツール開発・技術サポート)
・アウトソースチーム(外注会社との契約・連絡)

採用とグループ内連携が進み、どうにか制作に目途が付き、およそ2か月間の外注制作の後、9月前半の2週間で社内調整し、9月14日時点で完成していたものがα版に格納されています。

α版とiOS版(通称β版)でのアセット量の違い

いち早くユーザーに届けるため、機能やアセットを絞る方針で開発されたα版では目の種類が7点だったり、トップスは3点のみ、ギフトは無料スタンプ5点のみとなっていました。
ほぼ1か月後にリリースされたiOS版ではそれの3~5倍のアセットがリリースされているので、この1か月を縮めるために落とすところは落とし、届けるべき最低限のものはちゃんと入れる、を行ったわけです。
カメラアングルが上半身しか映らない仕様だったため、スカートや靴などのボトムスは割り切って落とし、α版でもβ版でもリリースはされていません。

α版クローゼット

α版
<アバターパーツ>
・髪6点
・眉7点
・目7点
・トップス3点
<ギフト>
・無料スタンプのみ5点

β版
<アバターパーツ>
・髪18点
・眉22点
・目28点
トップス16点
<ギフト>
・無料・有料合わせて28点

α版クローゼット画面

そして2018年9月18日、α版体験者募集を告知

α版では上述の通りアセットはごく一部に限定され、ギフトも無料のみでしたが、滑らかに動く3Dアバターの動画は今見てもエモいですね。無事にいち早くリリースが出来ました!

採用について

発足当時は手探りで仕様策定や制作進行、アセット制作を行っていましたが、現在はアーティスト1人1人がクリエイティブに集中できる体制を整え、特に制作進行を安定して行うことに注力しております。現アートグループ所属メンバー15名のうち制作進行は4名(うち産休中のメンバー1名)と、かなりの人数を進行管理に割いています。
ワークライフバランスを重視しつつ高品質のアセットを量産するべく、2Dアーティスト、3Dアーティスト、制作進行の人材を募集しております。
この記事で少しでも興味を持たれた方、是非下記の採用情報もチェックしてみてください。ご応募お待ちしております!

吉川さんとK725さんのインタビューを読むとアートチームの事がより詳しく分かります。こちらも是非。