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ARTチーム第1回:アバターの衣装が出来るまでざっくり解説

はじめましてこんにちは!アバター配信アプリREALITYのアートチームマネージャーの吉川です。

さてさて、記念すべきアバターアートチームのnote記事一発目!まずはアバターのビジュアルを構成するArtチームの舞台裏として、1着のガチャアセットが出来るまでの工程をざっくりご紹介したいと思います。
それでは、まいりましょう!

 

【0】アバターアートチーム構成

まず、REALITYのArtチームは下記のような構成になっています。
マネージャー
・アートディレクター
・制作進行(発注企画・スケジュール構成・データベース管理)
・2Dアーティスト(デザイン画制作、3Dテクスチャ制作、フィードバック)
・3Dアーティスト(制作・フィードバック・Unity組込・実機確認)

 

【1】ガチャの計画を立てます

最初に、「いつ」「誰向けの」「何を」「どれだけ」作るかを決めます。
ここは制作進行主導で企画チームと連携して決めていきます。
 
①当分のガチャテーマをPM(企画担当)、Art、ENで会議して決める。
ガチャのテーマ案は社内皆で案出ししています。新仕様を取り入れる場合、ユーザーアンケートや社内で集計しているデータ等を参考にします。

②コンセプト、スケジュール、ラインナップ、制作担当等を確定する。

③共同制作会社及び内製の仮スケジュールを半泣きで組み立てる。

④発注書を作成し、内部・外部へ発注する!


【2】2Dデザイン画を制作します

【1】で制作するものが確定したので、次にデザインを作りましょう。

▼使用ソフト
・Photoshop(制作過程でCLIP STUDIOなど他ソフトも使用可)
・Illustrator(模様やロゴなどのパス化などに使用)

しかし、REALITYはリアルタイム3Dコンテンツかつハイメッシュ気味ゆえにあまり無茶なデザインをする事が出来ません…。突き抜け、ポリ数制限、スキニングコスト、揺れ骨制限、半透明制限、シェーダー都合による色数制限など、数多くの制限下において魅力的なデザインを捻出できるセンスと経験が必要になってきます。

▼実際のデザイン画です。

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悪魔詳細説明

天使詳細設定2

刺繍や模様はパス化し、3Dにおけるテクスチャ作成時の手間を配慮します。揺れ骨も指定します。コンセプトとレアリティに見合ったデザインというだけでなく、服としての構造を立体的に把握し緻密に仕上げる事で、次の工程である3Dアーティストが困らないよう丁寧にバトンを渡しています。


【3】3Dモデルを作りましょう

▼使用ソフト
・MAYA(最終的にはMAYAですが制作過程で他ソフト使用可能です)
・Photoshop(最終的にPhotoshopですが制作過程で他ソフト使用可能です)

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3Dを制作する際は、下記のような事がポイントになります。
・大体素体+装飾込みで60000ポリ以下程度。
・ウェイトは揺れ骨も意識してきれいなグラデーションに仕上げる。
・テクスチャのテイストは合っているか、ゆがみや抜けはないか。
・布同士の重なりやリボンの結び目等を構造的に制作出来ているか。
・UVは歪みなく展開されているか。
・2D画(特に正面)のイメージ通りに作成されているか。
・Tスタンス→Aスタンスを考慮し、腕を下ろした際も肩回りが自然に見えるようモデリング・スキニングが行われているか。
・非多様体ジオメトリやUVの裏返りなどが無いようツールでのデータチェックが行われているか。

詳しくは割愛していますが諸々丁寧に仕上げております!(雑)

なお、弊社には制作を効率的に進めるための様々なツールや仕組みがあり、3D制作では主にエラーチェックツール等を使用しています。アートチームにしては珍しくTA(テクニカルアーティスト)やEN(エンジニア)との連携が強い文化なので、常に効率化をアップデートしていけるのは嬉しいですね。

さて、これで晴れてUnityへの組込み工程にお渡しとなります!

 

【4】Unityで組み込みましょう

▼利用するもの
・Sourcetree
・Unity
・Github

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(ぼかしばかりですみません…)

組み込みでは下記のような事がポイントになります。
・自社製シェーダーなどが正常に表示されているか。
・衣装デザインや材質を考慮した動きになるよう揺れもの設定しているか。
・アウトラインが綺麗に出ているかどうか。
・めりこみや破綻が出ないよう揺れもの設定・スキニングができているか。
・肩回りや脇部分の形状が自然になっているかどうか。
・エモートやポージング時に破綻している箇所がないかどうか。
・アクセサリー類は全ての髪型で自然に装着できているかどうか。

などなど、最終工程でも確認する事は多いです。アセットの種類によっても実装手法が違ってくるので、マニュアルも多岐に渡ります。 

 

【5】完成、リリースです!

さて、長くなってしまいましたが…

じゃーーーーん!!これにて完成、リリースです!!

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人類総アバター化!アバターに着せるお洋服が出来ました!


さて、いかがでしたでしょうか。
ご紹介した内容はざっくり衣装1着分の制作流れです。
実際は、いくつものガチャが同時に平行していっぱい制作されています。
パイプラインごとの詳細な拘りや内容につきましては、また別途掲載させて頂きますのでお楽しみに!!


採用について

そして、私たちは皆様の新しい価値観、喜びを提供していく仲間を募集しております。興味を持って頂けた方は下記をご参照くださいね!

※吉川(マネージャー)とK725(アートディレクター)のインタビューを読むとチームの雰囲気が伝わるかも…?

 

ではでは、またお会いしましょう~~!!バイバイ!