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「良いタッチ」「悪いタッチ」って何?

こんにちは。READY BOXのブログ担当yukiです。こちらのブログではユネスコが発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」を参考に、お家でできる月経教育・性教育のコンテンツを発信していきます。今回は同書「セクシュアリティと性行動」の章から適切なタッチについて考えていきます。

最近では安藤 由紀さんの『いいタッチ、わるいタッチ』の絵本が再び人気になるなど、子供自身が自分の体を守る方法が注目されています。

自分の体を守る「性的同意」という概念

みなさんの記憶にも新しいかもしれませんが、性被害を公表した伊藤詩織さんなど、近年ではブラックボックス化しやすかった性に関する被害が徐々に社会問題として取り上げられるようになってきました。

性被害が今後起こらないようにするため、近年話題になっているのが「性的同意」です。これは、簡単にいうと「YESと言わない限り、それはYESではない」という概念です。

例えば、「相手が泥酔し、意識があいまいな状態でセックスをした」という状況は「セックスをしてもいい」という同意を得ていない状況、同意や不同意の意思さえ伝えられない状況にあるため「性的同意がない」状態です。「相手がはっきりと抵抗したり断らなかったのでセックスをした」という状況も同じです。

当たり前のことではありますが、実際の性行為の場面で実践できている人はどれだけいるでしょうか。恥ずかしくて聞けない、言えない、と思う人も多いのではないでしょうか。ですが、この概念は自分や相手を守るためにもとても大切で、だからこそ小さい時からその練習が必要です。

子供にも同意が必要?

性行為の場面のみならず、相手の身体に触れる時は基本的に「同意」は必ず必要です。それは、そもそも自分以外の人の身体は勝手に触って良いものではないですし、人によって何を不快だと感じるかも違うからです。例えば、「ねえねえ」と人を呼ぶときに肩を叩いたりすることがありますよね。

これも、知り合いだったらなんとも思わない、という人もいますが、突然他人に触れられてはびっくりする人もいますし、場合によっては過去にあった辛い出来事のフラッシュバックなど心の傷をえぐっている可能性まであります。誰に、どんな触れられ方をするのがいやかは人によって違うからこそ同意をとる必要があるのです。

これは子供に対しても同じです。大人からすれば頭を撫でたり、抱っこすることで子供が喜ぶだろう、と思っている人もいるかと思います。(小学校などでも意外とこういった行為が日常的に行われたりしますよね)ですが、これも本当は同意を得ていない接触です。「子供だからいいだろう」という考え方は、自分の体に起きることは自分で決められる、という子供の権利を勝手に奪っていることと同義です。

では、どんな場面で実際に同意を得るかというと、親が子供に触る場合(例えばお風呂で上がってあげる時、ふいてあげるときなど)にも当たり前に洗ったり拭くのではなく、「拭けてないところがあるから拭いてもいい?」と聞いて同意を取る事を日常の中で大切にするなどが挙げられます。

そのように接する中で、家族かそうでないか関係なく同意を取ることがあたる前になっていきますよね。また自分である程度できるようになったら、「自分で洗う?ママが洗う?」のようにできる限り選択をさせてあげて自分の体に触れる事をどんどん任せていくことも大切です。

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「いいタッチ」「悪いタッチ」の認識は同意の第一歩

とはいえ、今の世の中で子供自身が「自分の体に起きることは自分で決められる」という権利を初めから実感することはかなり難しいと感じます。学校生活や親戚付き合いなど、他者に同意なく触れたり触れられる機会がまだまだ多く、同意の概念が浸透していないこともその理由として考えられます。

そんな中でも、自分の権利を守るためのはじめの一歩が「いいタッチ」「悪いタッチ」の認識です。

「どんなタッチなら心地いいか」「どんなタッチは不快か」をまずは子供自身が認識することで、当たり前に行われる接触でも「嫌だ」と感じることは自然だし、自分で決められるという認識を持つことができます。その次に、嫌なタッチをされた際に「逃げる」「叫ぶ」「相談する」など、どんな対応ができるかも一緒に考えておくと、もしもの時に安心です。

また、その際に親や兄弟であっても触られたくない、という子供がいることも自然なことだと認識できるといいですね。愛情だから、家族だから、と押し付けていいものではなく、子供自身の権利として守られるべきことです。

私の知り合いにも4歳の女の子で「パパにはプライベートゾーンは、見せない、触らせない」と決めているご家庭もあります。年齢に関わらず自分の「NO」を正しく伝えられることはとても素晴らしいことです。

大人である私たち自身も「嫌だ」という発言には勇気がいることですが、小さい頃からこれに慣れておくと、意識せずとも自分を守ることができるようになるのではないでしょうか。

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いかがでしたでしょうか?近年話題になっている「性的同意」の概念。子供にとってもなぜ大事なのか、今回のブログが少しでもお役に立てれば幸いです。次回以降も、家庭教育で役立つコンテンツをお届け予定です。疑問や感想など、ぜひコメントお待ちしております!

【この記事を書いた人】
・三上ゆき(READYBOX副代表・ライター)
2018年新卒で㈱LITALICOに入社し、発達障害をもったお子様の授業プランニングなどを担当。その後転職し、㈱リクルートにて法人営業を3年間担当。現在はフリーランスとして活動している。


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